#34 準備①
「…ふふ、ふふふ…ついに、ついに来たわね!あたしの番、ドロー‼︎状況説明展開ッ‼︎〈祭〉‼︎」
「いきなりどうした。遊◯王なんかブっこんでさ」
「ショウ、全っ然隠れてない」
そろそろ著作権侵害で訴えられてもおかしくねーな。
この物語が消えるのも、近いかもしんね。
…まぁ、それはそれとして。
「…あー、マミナ?ずっと俺の番だと、話進まないからさ、手っ取り早く説明頼む」
「おkおk 、じゃあまずはイベントだけどね、今日の15時から、各町の中心で招集がかかるのよ」
ふむ、"各町"って言うのが気になるが、別に不思議ではないな。よく考えれば。
そもそも、俺の知る限りはココしか町を知らないが、新天地を求めて開拓してるんだ。他に町が存在した所で、不思議は無い。
「んで、肝心のイベント内容なんだけど、公式HPにも載ってなかったから……多分、イベント開始と同時に公表って考えて間違い無いわね」
「ふむ、内容不明のイベントか。…過去にそういう事…イベントは有ったのか?」
「お、良い所に気がついたな、スグル」
マミナから、ショウに視線を向け──
「ショウ、あんたは黙ってて。あたしが説明したいの」
──ようとして、辞める。
マミナは、どこまで行ってもマミナだ。
誰よりも自我が強く、そしてもろい。
故に、話の腰を折られるのが嫌いなのも、事実。
「っと、気を取り直して…過去にそういう事があったかと言うと、無いわね。そもそも、イベントが今回初めてだし。あたし的には、討伐系イベントをやって欲しいけどね」
イベントが初めて、と言いますか…
…ん?ちと待て。15時と言ったか?
今、14時過ぎだから…
「なぁおい、その招集する時間に行けないと、どうなるんだ?」
「さぁ?参加拒否じゃないの?少なくとも、あたしはそう思ってる」
「で、今14時過ぎだろ?今からカフェに戻って、準備したりとかしてたら……確実に間に合わねーな」
「んー…そうね、商店街だと、確実に間に合わないわね」
ど、どうするっ⁉︎
せっかくの祭だし、出来ればヴェルもノヴァも連れて行きたい……いや、まて。そうだよ、ノヴァに連れて来てもらおう‼︎
「マミナ!ここからヴェルに連絡って、取れるか⁉︎」
「え、どうだろ…?刻印もあるし【念話】って言う魔法もあるくらいだから、ある程度は伝わると思うけど………やってみたら?」
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んむー…………
暇なう……
この前の忙しさが、嘘みたい。
スグルも、さっき来たみたいだけど。
料理の下ごしらえだけやって何処か行っちゃったし……
「もう、このさいゲシュタルトでもいいから来てくれないかなぁ…」
…とか言ってたら本当に来そうで怖い。
何と無く、その歪な刻印に目をやる。
目を凝らせば、微かに流れ出るウチとスグルの魔力の流れを見ながら、そっと手を胸に当てた。
そうしていると、スグルと想いが伝わって来るような感覚に───
『うぉーい、ヴェルぅー?聴こえたら、返事してくれー?』
「ひぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぉぁ⁉︎⁉︎⁉︎」
『ど、どうしたっ‼︎誰かに襲われてるのか⁉︎』
「はぁ…はぁ…び、びっくりしたぁ…念話するなら、コールぐらいしなさいよね…」
『悪い悪い。今度から気を付けるよ』
…言えない。
念話で驚いたんじゃ無いなんて…言えない。
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「あのさ、ヴェル。今からそっちにノヴァを飛ばすから、急いで来てくれ。あ、それから厨房にある包丁とか、鍋も一緒に頼む。皿も忘れないでくれ」
『良いけど、そんなの持ち出してどうするの?』
「詳しい事は後で話すから。とにかく、大急ぎでよろしく!」
そう言って、俺は頭の中で電話を切るイメージを思い浮かべた。
…うん、ちゃんと切れてる。
「さて、ノヴァ。一仕事頼むぞ?」
『任しとけ。ヴェルなぞ、重力魔法で一瞬だ。五分で帰る』
そう言って、ノヴァはカフェの方向へと、飛び立って行った。
「あ、そう言えばさ、料理スキル持たない人でも、調理器具は持てるのか?」
「大丈夫だろ」「問題無いわね」
「「「…………………」」」
無事でいろよ?ヴェル。
こんな小説で大丈夫か?
大丈夫だ。問題無い。
( ^ω^)<神は言っている…ここで死ぬ定では無いと…
準備はいいか?★すばる★
一番良いのを頼む。
( ^ω^)<神は言った…ここで死ぬ定と




