表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMO始めました。  作者: 星野すばる(旧:★すばる★)
第二章 俺と魔族とドラゴンと
31/64

#30 魔法少女(笑)

ーーーお前は何者だ。


「…何者…か」


(さっき)の彼等は、小さな情報収集専門のギルドで、ギルド名を〈D(データ)B(バンク)〉と言うそうだ。

ちなみに、ヴェルを襲いに来たのは〈ブラウン〉と言う新人プレイヤーと、〈ゲシュタルト〉を名乗るレベル50越えのちょっと凄腕プレイヤーだ。


「スグル、だだいまー!めしー‼︎」

「だからもっと女性らしくしろと」

「あーはいはい、分かったから、めし‼︎」


まだかまだかと言わんばかりの勢いでテーブルをバンバン叩く。

あ、そのテーブルは……


バキッ


「……ファ⁉︎」


言わんこっちゃない…

ゲシュタルトが、むやみやたらにぶっ放すから、店の備品がボロボロなんだよ。

今度、〈DB〉に修理費でも払って貰おうか?


「…スグル…腹減った……なんか食わせて…今、なう」

「ショウ⁉︎どうしたんだ⁉︎体中傷だらけだぞ⁉︎」


一体どんなクエスト受けたんだよ!

ツッコミどころ満載じゃねーか!


「…大した事ねーよ。ちょっと栄養取ってログアウトすりゃ全開だからな…」

「あーはいはい!分かった分かった分かりましたよ‼︎作りゃいいんだろ?作りゃ!」


とにかく、今回は肉食材がメインだな。

体力回復、スタミナ増強、ただし脂が多いのはNG。

…うん、なんか作るもの見えて来たな。

調理酒、有ったかな…?


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


「…ったくよ、どーしてあの時スキル使わなかったんだよ。おかげで、こっちは傷だらけなんだぞ?」

「ショウが悪いんでしょ?あたしが爆発魔法でトドメ刺そうと思ってたのにさ、いきなりあたしの間合に割り込むから」


………居づらい…

ウチもスグルと一緒にキッチンに行けば良かった…


「だから、魔法念唱のスキルを上げろと言ったのに。そもそも爆発魔法は攻撃魔法じゃねーだろ」

「それはそうだよ?爆発魔法は地面に風穴を開ける魔法だけど、当たればそれなりのダメージがはいるでしょうに」


爆発魔法……地面……泥だんごにあらかじめ魔法を仕込ませておけば、きっと効率が良いんだろうなぁ……ウチが入る余地は無いけど。


「だーかーらー!前提!わかる?前提が無いんだよ。当たれば当たればって、そもそも当たって無いから!当てる方法を考えろっていってんだよ。あーもう!ヴェルちゃん、このどうしようもない魔法少女になんか言ってやってくれ!」


……ん?


「え、なんでウチに聞くの?ウチ、爆発魔法使えないよ?」

「そうよ、この際だからショウに言ってあげて?爆発は最強だって」

「……ウチの入る余地、全然無いと思ってたけど。って言うか、二人の痴話喧嘩に付き合ってると、頭おかしくなっちゃいそうなんだけど」


痴話喧嘩は見てるだけで十分なのに、ね。


「…は?痴話喧嘩?それ、夫婦関係者が些細な事で口論する、アレか?」

「…あのね、ヴェルちゃん。あたしとショウは、夫婦でも無ければ恋人でも無いから。大体、こんなちんちくりんに彼女とかあり得ないんですけど」


…ちんちくりん…ふふ、何それひどい。


「誰がちんちくりんだコノヤロウ、あとヴェルちゃん、笑わないでくれるかな?お兄さん結構傷つくよ?」

「お、お兄さん……ぶふ」

「マミナも笑ってんじゃねーよ‼︎」


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


見よう見まねで作ってみたけど、結構上手くいくんだな。


「ワインの代わりに調理酒使ったけど、でもまぁよし!終わり良ければすべて良しって言葉があるからな」


正直、フライパンに火が着くか心配してたが、着いて良かったよ本当に。

さて、この料理に名前を付けなければ…


「よし、決めた。ノヴァ、持って行ってくれ。料理名は〈(ロースト)(ラビット)のフランベ焼き〉でよろしく」

『おぅ、任せとけ。フランベ焼きだな』


ちなみに〈フランベ〉とは調理法の一つで、フライパンから炎が出る焼き方の事だ。

俺は直に見たけど、世間一般ではテレビなんかで見るんじゃないかな?


「…に、しても、客席の方は賑やかだな。俺も顔出してくるか」


腰に巻いた前かけみたいなエプロンを外して、俺は客席へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ