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VRMMO始めました。  作者: 星野すばる(旧:★すばる★)
第二章 俺と魔族とドラゴンと
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#26 空腹は最高の調味料

…来ないな。

『なぁ、スグル。一体何を待ってるんだ?』

「ん?あぁ、お客さんだよ。さっきノヴァが飲んだ珈琲とかを食べたり飲んだりしてくれる人を待ってんの」

『フーン』

カウンター席でノヴァは、試験的に作ったフレンチトーストを食べている。

しかし、本当に来ない。

分かっていた事なのに、いざそうなると悲しくなる。

『なら、キッチンにいる客人は違うのか?』

…ん?え?は?


「何を言ってんだ。ここには俺とノヴァだけだろ?」

そんなのいつ入って来た?

『なんだ?スグルの客人じゃ無かったのか。だったら、主君を護るのは俺の役目だよな?』

ノヴァはカウンター席から飛び立ち、キッチンへと向かう。

「あ、おい!ちょっと待てよノヴァ!」

ノヴァを追って、俺もキッチンへと向かった。


……どういう事だこれは。

さっきまでいなかった小さなその少女は、俺たちと目が合い、硬直している。

そして、その腕の中にはフレンチの入ったボウルを持っている。

さしずめ、飲んだところだろ。

「………………ぅ…」

「…お、おい、お前…「うぎゃああああああ⁉︎⁉︎」うわぁああああああ⁉︎⁉︎⁉︎」

少女の悲鳴に俺もつられて悲鳴を上げてしまった。

少女はパニック状態に陥り、唯一(ゆいいつ)ノヴァだけは冷静に少女を撃退する態勢に入る。


少女は腰を抜かした様で、四つ這いになりながらも必死に逃げていく。

『逃がすかよ』

キッチンの流し台から水が伸びてくる。

どうやら、ノヴァは魔法が使えるようだ。

水は少女の足を捕らえ、逆さに吊るす。

『さぁ、スグル。あとはお前さんの自由だぜ?生かすも殺すもスグル次第だ』

「そんな権利いらねーよ。離してやれ」

『…つまんねーの。即答かよ』

人の命に詰まるとか詰まらんとか、そういうの関係ないだろ。

こいつには後できっちり説教してやらにゃならねーな。


「…ねぇ、キミ」

「…ひっ…」

『怯えてるぞ』

「うるせー黙ってろ」

大体、怖がらせたのお前だろ。

俺は、腰を落として少女と同じ目線になる。

「キミ、名前は?どこから来たの?」

「………」

シカトですか…

「…何か、話してくれないかな?パパやママは?」

「………グスッ」

『あ、いたいけな少女を泣かした』

「やかましい」


しかし、全く話してくれそうに無いな。

「……人間なんかと、ウチは話さない」

おおっと?人間不信キタコレ?

『俺が話そう。おい、嬢ちゃん?』

「人間の味方、ウチの敵。キライ」

『…んだとゴルァ』

「やめんか」

首根っこを掴み、にらみ合いを終わらせる。

ふむ、人間不信ってワケでも無さそうだ。


グゥゥ…

「おい、ノヴァ。こんな時に腹ならしてんじゃねーよ」

『俺じゃ無いぞ?』

……って事は、こいつか。

目が合い、少女はそらす。

その視界の先にはフレンチの入ったボウルがある。

「…はぁ、仕方ない。どのみち客は来ないからな」

ボウルの中身に、斜めに切ったパンを浸して、バターを引いたフライパンで焼く。

それを皿に移して少女の目の前に置く。

少し温めた牛乳も忘れずに。


「ほらよ。熱いから気を付けて食えよ?それから、さっきキミが飲んだのは飲み物じゃ無いから、もう飲むなよ?」

少女はただ黙って、幸せそうにフレンチトーストを食べる。

よほどお腹が空いていたのか、何日も食べて無いのか。

少女はその後二回ほどおかわりをして、少女とのイザコザはようやく落ち着いた。


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


する事も無いので、食器を洗っていると。

店のドアが開く音がして、誰かが入ってきた。

洗っていた手を拭いて、キッチンから出る。

「いらっしゃいま…なんだ、ショウとマミナか」

「なんでそんなにがっかりしてるんだよ」

なんでって事は無いだろう。

もうすぐ昼前だと言うのに、お客さんが一人も来ないとなると、やっぱこう…ねぇ?


「気にするな。色々来る物があるんだよ」

「来る物?…まぁ、いいわ。どのみち、今日は街に人があんまりいないから、客足は遠くなるでしょうね」

街に人がいない?

「どういうことだ?何かあったのか?」

例えば、緊急イベントでみんなそっちに行ってるとか?

「攻略組が先に進んだのよ。スグル、掲示板とか見てないの?」


掲示…板?

「…ナニソレオイシノ?」

「…うーん、やっぱ知らないか。メニューに、交流のページがあるでしょ?」

メニューを開き、交流のページを探す。

「おぅ、あったぞ」

「その中に、フレンドリストとか、チャットとかがあるんだけど。その中のひとつに掲示板があるはずよ」

掲示板…掲示板……あった。

「あったぞ、掲示板」

「そこに色々書いてあるから、今度からこまめにチェックした方がいいわよ」


「おう、分かった。で?攻略組がなんだって?」

「うん。それを説明するにはまず、CDOの攻略について話さなきゃならないんだけど…」

「…けど?」

「その前に、何か食べさせてくれない?空腹ゲージ空っぽになっちゃって…あはは」

「…お、おぅ」

はやる気持ちを抑えて、俺は再びキッチンへと戻った。

魔王少女…


その1

魔「わははー!ゆうしゃよ、よくここまで来たです!さぁ、かくごするです!」

勇「お菓子あげるから勘弁して」

魔「うぅ…そんなものでぇ…つられるとでもぉ…」

勇「じゃあ、あげない」

魔「ちょっとまつです!だれもいらないなんていってないです!」


その2

魔「おまえ、つよいです。どうですか?わたしとてをくみませんか?せかいのはんぶんをおまえにあげるですよ?」

勇「そんな物より君が欲しい」

魔「はわわ!な、なにをいってるですかばかぁ!」


その3

側近1「とてもお似合いですの」

魔「うーん、でもちょっとそでがながいかな…」

ズル、ベタン!←こけた

魔「ふぇ、ふぇぇぇん!」

側近2「誰かアメだ!アメを持てェ‼︎」


その4

魔「きょうは、つきにいちどのマカイシュウカイです!きょうのためにいっぱいれんしゅうしてきたです!」

ー魔界集会・本番ー

魔「ほ、ほん、ほんじつはおひがらも、も、よきゅっ⁉︎」


ざわ… ざわ…

ざわ… ざわ…


魔「う、うぅぅぅ…」

側近2「アメだ!アメを持てェ‼︎」




なにこれ楽しいw

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