表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/64

#21 過去-響編-

「……る……ぐる……!」

…なんだろ…誰かに呼ばれて…?

…この声…真美菜…か?

「…優‼︎」

「…はひ⁉︎」

…なんでお前はそんな格好をしている。

…あぁ、そうか。

これは夢か。

そうだよな…俺たちはもう…


「優?うたた寝なんかして大丈夫なの?お父さんに叱られない?」

「大丈夫ですよ、()()()()()。これでも久城家の一族ですよ?役目は果たしています」

久城 優、()()()

当時六歳にして福執事長に腰を治めている。

優の父親いわく、飛鳥時代より二条家に仕える家系だとか。

「そう?優がそう言うなら大丈夫なんでしょうけど。今日は八条さんは来ないの?」


「…本来ならば来られると困るのですが。なんなら今すぐ八条…さん…をハチの巣にして「ぃよーう、優に真美菜ちゃん。今日も遊びに来たぜー?」…キサマ…また勝手にセキュリティを突破したな?」

「おー怖い怖い。ここがザル警備なのが悪いんだろ?それに俺は愛しの真美菜嬢に会いに来ただけなんだから」

真美菜お嬢様の手の甲にそっとキスをする。

どこの貴族だ。

白々しい…


「そんな事言ってお前はまた二条家の金庫を開けるんだろう?キサマの先代の様に。泥棒め」

「先代は先代、俺は俺。確かに今しがた金庫を開けて来たが何も捕っちゃいねーよ…それから泥棒じゃなくて怪盗って言って欲しいね」

また開けたのか!

それで怒られるの誰だと思ってるんだこいつはっ!

泥棒も怪盗も大差無いだろ⁉︎


…いけない、ついつい感情的になってしまった。

落ち着いて、冷静に…クールに行こうクールに。

まずは、悟られない様、無線にスイッチを…ってあれ?

「お探しの無線機はこれかな?」

…コノヤロウ…

いつの間に取ったんだこいつは。

「さっさと返せ。それでおまわりさんこいつですってするから」

「そんな事言われて返すバカがどこにいる」


そんな事が毎日繰り返される。

そう、信じて疑わなかった。

父さんにアレが無ければ…


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


「どうした優!そんな業では勤めを果たせんぞ!」

執事の朝は早い。

お日様より早い。

「…う…うるさい、なぁもう!集、中出来ないだろ!」

早朝から護身術、格闘術、料理、作法。

訓練を重ね、お嬢様を護る。

それが執事である俺の勤め。

父さんは既に引退済。

「まだまだ甘いな。優がこんなことでは安心して現役引退など出来んわ」


「もう諦めろよハゲ」

「親に向かってハゲとはなんだ!それにまだハゲてなどおらん!見ろ!この希望に溢れた我が頭皮を!」

「俺には薄れゆく希望にしか見えないね。それで健康体とか、とんだヤブ医者だな」

「何を言う。最後に健康診断した時は健全体の診断が出たんだぞ?」

嫌な予感がする。

「それ、最後っていつの事だ」

「二年前位かな?」

「今すぐ健康診断いけ、ハゲ」

「ハゲちゃう!ハゲちゃう‼︎ハゲちゃうもん‼︎」

嫌がる父さんを近くの病院に押し込み、健康診断を受けさせる。

その結果により、俺たちは全てを失う事になる。

視点を三点に分けて書くつもりなので、今回は響編でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ