#15響の手料理②
「でね、響 (もぐもぐ)やっぱり店を構えるなら (もぐもぐ)コンセプトが必要だと思うのよ (もぐ、ごくん)」
「うん、分かったから食べるか喋るかどっちかにしろ。はしたない」
「そーだぞ、真美菜 (はぐはぐ)年頃の乙女が (はぐはぐ)はしたないぞ (はぐ、ごくり)」
お前ら…
「ふぅ、ご馳走様。美味しかったわよ」
「ご馳走様、美味かったぞ」
「ん、お粗末様」
全員のお皿を片付けて、話を戻す。
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「それで、響?確認だけど、店を構えるのよね?」
「あぁ」
「どういう店にするつもり?」
そりゃあ雑貨屋とか、あるいは宿屋とか?
「んー、やっぱ生産系かな?回復薬とか売れそうだし」
「無理ね」
即否決されました。
「生産系は魔法使いにしか扱えないし、NPCが安く売ってるのよ。響は我流でしょ?響が転職して、質の良い物を作れるなら話は変わってくるけど、ね」
お、おぅ…ん?
「あれ?俺真美菜に職業のこと話したっけ?」
俺の記憶が正しければ、翔にしか教えて無かったはずだ。
「ふふふ、あたしの情報網舐めないで「嘘をつくな」はいごめんなさい。実は魔法使って聞いてました」
へー、真美菜って魔法使いだったのか。
「なるほど分かった。なら、宿屋はどうだ?」
それなら職業の縛りも心配ないだろう。
「うーん、どうかな?特に問題は無いと思う。でも、掃除とか管理とか、かなり大変だよ?誰か雇うにしてもお金掛かるし、それで元を取れるとは思えないわ」
ぐぬぬ…
一口に商売って言っても色々あるんだなぁ…
「…やっぱり商売って難しいんだな」
「当たり前でしょ」
元商売娘の真美菜はこういうことには本当に頼りになる。
「響の得意な事を仕事にすればいいんじゃないのか?」
ずっと俺の商売種を考えていた翔が口を開く。
「単純に飲食店でもすればいいだろ。響って料理上手いし」
「そんな事ねーよ。凡人以下の俺でも出来るんだからみんな出来るに決まってるだろ?第一、俺の料理が他人様の口に合うかどうか…なぁ、真美菜?」
ボツにするため、真美菜に意見を聞く。
「それ、いただきっ!店を二階建てにして、喫茶店でも始めればいいわ!一階を店に使って二階に住むの!CDOにはコーヒーが無いから作ってしまえば繁盛間違いなしっ!貰ったァ‼︎」
…おうふ。
真美菜さんが弾けた。
「明日の昼って言ったわね?あれは嘘よ。明日の早朝から行くわよ!あぁ、夢がひろがりんぐ!」
なんだか大変な事になって来ましたよ?
俺、大丈夫か?問題あるよな?
だんだん不穏な空気に…




