#14響の手料理①
CDOからログアウトし、俺はその重い瞼を持ち上げる。
真美菜と翔はまだCDOに篭っている。
もうすぐ戻ってくると言っていた。
そう、俺は現実に帰って来たんだ。
「ご飯、作るか」
ゆっくりと、身体を起こし、俺は一階のリビングに向かう。
初夏の暑さが篭っていて少しベタベタする。
換気をし、キッチンへと向かった。
「今日の夜ご飯は大盛ヤキソバにでもするか」
俺は冷蔵庫から材料を取り出した。
〈材料〉
豚肉、ニンジン、キャベツ、もやし、袋麺、お好みで青海苔とかつおぶし。
〈作り方〉
①湯気がでるほどにフライパンを熱する。
②フライパンを熱している間にニンジン、キャベツを好みの大きさに切る。
③フライパンから湯気を確認したら、豚肉と野菜を塩コショウで味付けし、炒める。炒めたら皿に開けておく。
④麺を炒める。
⑤❸の野菜を麺と炒める。市販のソースを絡めれば完成!
「ふぅ…我ながらいい出来だ。あとはこれを三人分作って…」
三人分のヤキソバが完成しテーブルに並べ終えた頃、二階の窓が開く音が聞こえて、真美菜と翔が降りてきた。
「お、今日はヤキソバか。いやー、いつも悪いねぇw」
「本当よ。響には申し訳ないわ」
「その割には二人ともしっかり俺の飯食うんだな。それにいつも言っているだろう、入る時は玄関から入って来い」
「「美味しければいいじゃない!」」
普通ならぶん殴ってやるところだが、褒められて悪い気を起こす人はそうそういないワケでして。
「そうか?まぁ、今度から気をつけてくれれば問題無い」
「「(チョロイン)」」
「ん?何か言ったか?」
「いや、なんでも?それより響は食べないのか?冷めたら美味しくなくなるぞ?」
既にがっついてる二人を見ながら俺も食事をとる。
ヤキソバは一人分ずつ作るとべちゃっとしないんですよっ!




