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#13ウルファング討伐その後

「…スグル、お前そんな大金持ってたらU(ユーザー)K(キル)されるぞ」

「…ユーザー…キル?」

「バカね、ショウ。スグルに専門用語使ったって理解出来ないでしょうに。あのね、スグル?UKって言うのは、あたし達ユーザーをキルする人のことなの。UKでしか取得出来ないスキルとか、他にも所持金の半分を強奪したり出来るから、最近多いのよ」

なんとも恐ろしい話である。

そんな事したらそのうち仮想(ゲーム)と現実の区別ができなくなるんじゃないだろうか。


「まぁ、運営にとっては等しくお客様なワケだし、対処しにくいんでしょうね」

そういうものなんだろうか。

「分かった。じゃ、俺はどうすればいい?」

「うーん、使うか、銀行に預けるかの二つに一つだと思う」

この世界にも銀行があるのか。

さすがファンタジー…

「でもなぁ、これ以上増えても困るだけだし。かと言って使うにしても買えるものなんて所詮限られているだろ?」

そうなのよねぇ…

マミナは深刻な顔でつぶやく。


「あー、めんどくせェ。半分を預けて半分を使えばいいじゃねーのか?」

「バカね。半分って言っても二十億あるのよ?そんなの何に使うのよ」

確かにそうだ。

買えるものは限られているし、仮に強化に使ったってそんなに減るとは思えない。

「土地が有るだろう。そこにでっかい一軒家でも建てれば二十億なんてすぐに飛ぶぞ」

土地なんて売ってるのか⁉︎

なんでも有りだなこの世界!


「まぁいいわ。どのみち、決めるのはスグル自身だし」

今まで蚊帳の外だった俺に視線が向けられる。

「俺、土地買うよ。そんでもって小さい店でも構えて細々とやって行こうと思う。それに一国一城の主とかロマンがあっていいじゃん」

我ながら思い切ったことを考えたと思う。

「おぉ、本当かスグル!じゃ、開店したら呼んでくれ!祝い酒持って行くから!」

「酒って…俺たちまだ未成年だぜ?」

「なに、心配すんな!ゲームで酒を飲んだって別に違法にもならねーよ!」

本当かよ…


「そう…店を構えるのね。それなら明日、お昼に集合しましょう。いい土地会社と不動産会社を紹介するから。場所はその時伝えるから、ショウ。道案内よろしくね」

「え…マジで?」

心底嫌な顔を浮かべるショウ。

そんなに嫌なのか。

だったら俺から断るように頼んでやろうか?

「明日、街の商店街で食べ歩こうと思ったのに…」

「よろしくな、ショウ」

「うう…スグルまで…?」

おめーに味方なんでいねーよ。


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


後日、CDOでの未成年による飲酒は出来なくなってました。

ザマァ。

ウルファング討伐その後、というかオチ。

本日 (3/10)二本目。


二本上げるならまとめて書けよって思ってるのは俺だけでないはず。

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