#12 ウルファング討伐⑤
【WARNING!ウルファキングを討伐せよ】
「こいつは〈ウルファキング〉って言うやつだ。やるか?」
「どのみち、拒否させないんだろ?」
「分かってるじゃないか」
何年一緒にいると思ってんだよ。
「まずはあいつの鼻を潰せ。目は殆ど見えて無いから」
「任せとけ」
ショウと二手に分かれ、距離を取ったところでウルファキングに【連射】で攻撃し、注意をこちらに向ける。
「ほら、こっちだ!」
よし、ショウから完全に意識が削がれた。
ウルファキングはこちらに鼻先を向けている。
俺の正確な位置でも探っているのだろうか。
と思った瞬間、ウルファキングが跳んだ。
「うわっとぁあっぶねぇぇぇ⁉︎」
あんにゃろ、爪で攻撃して来やがった!
俺が【回避行動】取ってなかったら多分死んでたぞ⁉︎
「この野郎…覚悟しろよ?」
俺は二丁拳銃を取り出し、構える。
【回避行動】を多用して、ウルファキングの顔前に踏み込む。
「貰ったァ!」
ウルファキングの鼻に14発の弾を撃ち込み、潰す。
「ショウ、潰せたぞ!」
「よっしゃ!あとは俺に任せとけ!」
それからは殆ど一方的だった。
鼻を潰されたウルファキングは暴れまくっているが、全て見当違いの方向に攻撃している。
ショウが、その鋭い爪を破壊し、滅多打ちにしていく。
俺も遠巻きに打ち続けること数分、苦しそうな声を上げて、ウルファキングはついに倒れ、決着がついた。
「ふー、ひと仕事終えた後はすがすがしいな!」
「あー、はいはい、そうだな」
そう言って、俺はメッセージ欄をさかのぼる。
…やはりレベルが上がっていたか。
一気にレベルが3も上がっている。
【レアドロップを確認しました】
…ん?レアドロップ?
「なぁ、ショウ。レアドロップってなんだ?」
「なっ…!…いや、なんでも無い。おーい、マミナー!鑑定頼めるかー?」
あ、マミナ。
忘れてた。
呼ばれて、こちらに駆け寄るマミナは眠そうな顔をしている。
「…マミナ、お前俺たちが死闘を繰り広げている間に寝てたのか?」
「うるさいわねー…ちょっと静かにしてくれない?ショウ」
「なにおう?だいたいお前はいつも……」
痴話喧嘩はよそでしてくれませんかねぇ…
▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎
「ん、鑑定終わったよ。スグル」
「あぁ、ありがと。で、この〈鋭利な爪〉って何に使うんだ?」
「いろいろ使い道が有るけど、基本は売るか武器に合成するか、ね。スグルは今どれくらいお金持ってる?」
「えーっと…ちょっと待ってくれ」
メニューを開き、プレイヤー情報より所持金を確認する。
一、十、百、千………⁉︎
一、十、百、千………⁉︎⁉︎
「……あの、ですね。非常に言いにくい額なんですけど…」
「何?もしかして少なすぎて恥ずかしいの?大丈夫よ。皆最初はそんなもんだし、今はあたし達しかいないから」
…後悔しても知らんぞ?
「…じゃ、発表します。俺の所持金は、四七億八六五九万飛んで五三七Cです」
「「…嘘」」
嘘じゃねーよ。
あれ?スグルの所持金多過ぎ?
訂正→「一気にレベルが8も…」
訂正後→「一気にレベルが3も…」
今更気付いて訂正…
悩んだ末、今後とも関係してくるのでやむなく訂正しました。
ごめんなさい




