#11 ウルファング討伐④
ショウは自分の背丈ほどの大剣を振り回している。
「スグルが銃を持ってたからてっきり遠距離派かと思っていたんだが…どうも違うらしいな」
「…みたいだな。俺もさっき気付いた」
立ち上がり、ショウの後ろに立つ。
「もしかしてこのクエスト、遠距離派が有利なクエストだったりするのか?」
「そーだ」
背中越しに会話をする。
気づけば、北と南にいたウルファングもいた。
完全に囲まれている。
「スグルにはちょっと荷が重かったか?」
「冗談だろ?俺の背中、任せたぜ?」
「お前こそ…な!」
…戦闘開始。
ショウが大剣を振り回す。
その切先が触れるだけでウルファングは消滅する。
圧倒的攻撃力、だがその反面、スキが大きすぎる。
だから油断すると返り討ちを喰らう。
「オラオラどうしたァ!かかってこいよぉ‼︎」
「おいバカやめろ。こっちの仕事が増えるだろ」
「そこは俺に任せろって言うところだろ」
二人一組になって、怖気付いたのか。
ウルファングは俺たちの周りを回るだけの行動が目立ってくる。
「なんだ、来ないのか?だったらこっちから行かせてもらうぜ!」
「え、まてよおい!俺を殺す気かっ!」
そう言いながら、一人になった俺を襲ってくるウルファングの首を捕まえて、ゼロ距離射撃で仕留めるという離れ業をしながら、ショウについて行く。
「ヒャッハー!汚物は消毒じゃー!」
「聞いてねーし」
会話をすると返り討ちを喰らいそうになったので、黙って目の前のウルファングを一体ずつ、確実に仕留めていく。
「よっしゃ、これで最後の汚物だなっ!」
「汚物言うな」
ショウが最後の一体を仕留めた、その刹那。
〈グルォォォォォ‼︎〉と言う咆哮と共に巨大なウルファングが出現した。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「おお、スグルお前運良いな。こいつの出現率1%も無いんだぜ?」
「へーソーナノカー、ってちげーよ!なんなんだよこいつはっ!」
さぁ、クライマックス突入です!




