#10 ウルファング討伐③
「なぁ、スグル。お前、職業何にしたんだ?スグルの戦い方、俺たちとは大分違う見たいだったぞ?」
「え、あー…」
言って良いのだろうか。
宮藤さんにはテスターにしてもらったけど、他言してはいけないとは言われてないし…
ここはなんとか誤魔化すか?
どのみち、近いうちに実装される職業だし、すぐにバレるよな?
「悪いが、今は言えない。そのうち分かる時が来るから、その時に…な?」
ごめんなさい。
嘘、つけませんでした。
「…分かった。言いにくい事なんだな。なら、これ以上は聞かない。けどな…」
ショウは口を濁す。
「俺やマミナにはそれで通っても、他人にはそれで納得しない奴もいる。今後、そう聞かれた時は我流って言っとけ。わかったな?」
「あぁ、分かった」
友達ってあったけぇ…
「じゃ、続きやってこい。まだクエスト終わって無いんだ」
「そうか。丁度スキルも取ったし、試してくるよ」
そう言って、俺はショウから離れた。
【鷹の目】で周囲を索敵する。
北東に二体、南西に四体、北と南にそれぞれ一体。
まずは北から攻める。
射程距離を調べる為にも、まずは一発撃ち込む。
…届かない。
銃声に気付いた北東のウルファング二体がこっちに来る。
それを察知した南西の四体も襲いかかってきた。
今度は驚かない。
冷静に、右拳銃と左拳銃で【連射】する。
…おかしい。
全く当たらない。
いや、弾が届いてない感覚がする。
ウルファングとの距離がどんどん縮まってきた。
…ちょっとやばいかも?
距離が100mを切った辺りで、ようやく命中。
どうやら俺の職業は近接戦闘に向いているらしい。
そうと分かれば対処はしやすい。
ウルファング二体のうち、一体を【連射】で仕留める。
残った一体は【回避行動】でかわし、後ろのウルファングと衝突させる。
これで、俺の目の前にウルファング五体が固まった状態になる。
距離を取るため、後ろに後退しながら【鷹の目】発動。
二体が麻痺効果を受け、その場に留まる。
【回避行動】の条件をクリアするために三体を除けて麻痺効果を受けた二体に接近する。
顎の下から撃ち抜いて、そのまま走り去る。
…いや、走り去ろうとした。
間抜けにも、倒れたウルファングにつまずいた。
本来なら、後ろに後退しながら【連射】して三体とも仕留めるつもりだったのだが、転んでしまった。
すぐさま起き上がろうとするが、遅かった。
ウルファングに馬乗りにされ、両手を塞がれた。
「くそッ…こいつッ!」
ウルファングが俺の頭に噛みつこうとした瞬間、ウルファングが吹き飛ばされた。
「大丈夫か?スグル」
「っ…ショウ」
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