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台無し文化祭 ①

 文化祭も近くなってくる。

 クラスのみんなも、文化祭が近くなっていくにつれてボルテージがアップしている。もう明日に迫っている文化祭のために、会場設営を粛々と進めていっていた。

 使う教室はちょっと広い多目的室。

 調理する部門と客が入るところの設営が完了し、大まかにはできていた。


 接客を担当するクラスメイトは全員それぞれの衣装に着替えている。


「やっぱ文化祭でテンションが上がる辺り普通の高校生だなぁ……。こういうところは俺らのところと変わらないんだな」

「まぁ、俺らも金持ちといえどガキだからな」


 盛り上がるときは盛り上がりたいんだろうな。

 内装も綺麗に仕上げたしあとは明日を待つだけ……。


「よし、今日は終わりにしよう! あとは明日最終確認のみだ!」

「オッケー。じゃ、今日は解散解散」


 ということで今日は解散することになった。

 俺らは衣装を脱いで制服に着替えて玄関に向かう。玄関につき、下駄箱を開けると俺の下駄箱になにか手紙のようなものが入っていた。

 銀太郎からと書かれた手紙。なんだぁ?と思いながら、内容を読んでみると、双子メイドは初日の肝だから頑張ろう! 明日は打ち合わせしたいから早く来てくれ! と書かれていた。


「んだこれ。直接口で言えばいいのに」


 まぁいいけど。

 こういうことしたいんだろうな。こういうの好きそうだし。手紙で秘密のやり取りとか。


 俺は銀太郎からの手紙をカバンにしまい、万家の車に乗り込んだのだった。

 千智ちゃんにさっき銀太郎から俺らは早く来てほしいと言われたことを告げると、わかったと言って、運転手さんに明日の時間を言う。

 

 そして翌日。

 俺らは1時間前に登校していた。


 朝7時はまだ薄暗い。

 秋も深くなってきているから当たり前だが。学校はもう既に開いている。文化祭当日、ぎりぎりまで準備したいクラスもあるらしく、学校は7時から開くようになっていた。

 上履きに履き替え、多目的室に向かうと……。


「あ?」


 俺らが目にしたのは、ぐちゃあとなった内装だった。

 壁紙が無残にはがされ、しまってあったメイド服は切り裂かれている。


「なにこれ……」

「くさっ……」


 ひどい匂いが室内に充満しており、とても入れるような状況じゃなかった。


「どうなってんだよこれは! っていうか銀太郎どこだよ!」

「ちょっと電話してみる!」


 千智ちゃんは銀太郎に電話をかけていた。

 

「銀太郎、まだ家にいるって……っていうかなんでそんな早く行ってんのって……」

「銀太郎が来いっていったからだろうが……!」

「そんなこと言ってないよって……」


 っつーことは。


「銀太郎! ただちに来い! 緊急事態……っていうか大変なことになってる!」


 千智ちゃんから電話を奪ってそう言って電話を切った。

 すると、どうした?と後ろから声が聞こえてくる。ユキだった。ユキに教室を指さすと、ユキは教室の扉を開けた。

 ユキはなんだこれはと思わずこぼす。


「誰がやった」

「わかんない……。俺らが見た時にはすでに……」

「そうか……」


 ユキは声を荒げることはせず、教室内へと入っていく。

 

「……監視カメラ」

「……映像をもらってくる」


 桐羅の学園内の教室には監視カメラが設置されている。防犯上の理由で。ただ、体育倉庫やトイレなどない場所も例外としてあるが、そこにいくには必ず監視カメラがある道を通るのですぐにばれる。

 それでなんであの時の女子生徒が分からないのか、それは監視カメラの死角のせいだ。人が良く通る廊下は最新型の監視カメラだけど体育倉庫前とかはあまり警戒されてないから監視カメラが旧型で死角があるからそこを通ったら映らない。


 金持ち校ではあるがケチるところはケチっているのはどうかと思う。


 千智ちゃんは監視カメラのデータが入ったSDカードを持ってきたのだった。

 まずはそれを検めようとしたのだが、騒ぎを聞きつけた銀太郎が息を切らしてやってきていた。そして、教室の惨状を見て、全員に電話をかけて集合の合図を出していた。













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