マリアンヌの“超絶巨大水鉄砲”計画
遺跡最深部――地面は赤熱し、空気は揺らいでいる。
その中心で、常識外れの建造計画が始まっていた。
「よーし! みんな、こっち運んでー!」
マリアンヌの声に、魔物も人間も、敵国将軍さえも動く。
超絶巨大水鉄砲計画――始動。
◆材料調達のカオス
「ピュルルル〜!」
風船スライムがぷるんぷるん膨らみながら、水を吸い込んでいく。
もはや巨大水タンクだ。
丸石ゴーレムは無表情に岩の腕で床をならし、
安定台座兼フレームを次々と組み上げていく。
職人ギルド長
「……おい、これ本当に“遊具”なんだよな……?」
職人仲間
「つーか、風船スライムって水圧そんなに耐えられるのか?」
風船スライム
「ピュ〜!(任せろ〜!)」
魔法学院の面々は、構造図を見ながら頭を抱えていた。
魔法学者
「冷却魔法をノズルに直接組み込む……?
なぜ水鉄砲にここまでの技術を……」
助手
「この構造、もはや対古代兵器仕様なんですが……」
◆子どもたちのセンスが暴走
子どもたち
「ねえ! ここにヒレつけようよ!」
「かっこよく“ドクロ模様”描こう!!」
「あと旗も立てたい!!」
ルネ
「お、おい待って……そのドクロは縁起が悪いのでは……」
子ども
「違うよ!“勝つ気まんまん”の印だよ!!」
ルネ
「そ、そうなのか……?」
◆ついに姿を現す“超巨大水鉄砲”
作業は怒涛の勢いで進んだ。
魔物が支え、職人が固定し、魔法学院が魔術核を調整し、
子どもたちが色とりどりの飾りを施し――
ついに。
遺跡の広間を埋め尽くす、大樹のような影が立ち上がる。
高さ――約10メートル。
ノズル部分は青く輝き、
スライムタンクは膨張しながら内部で水を震わせている。
職人
「……できちまった……」
魔法学者
「なんだこれは……魔導兵器か……?
いや、違う……構造が……遊具だ……」
ザハード
「遊具にしては……強すぎないか?」
ルネ
「いや、これは……兵器では……遊具……?
遊具であり兵器……いや、兵器の形をした遊具……?」
もはや誰も定義できない。
ただひとつ、確かなことがある。
マリアンヌ
「わー! 超かっこいい!!
さあ、みんなで“びしゃーっ”てしよう!!!」
――この巨大水鉄砲こそが、
世界を救う“最後の遊び”になる。




