暴走兵器の核への到達
迷路の最深部――そこだけ、別世界のように熱気が渦巻いていた。
中央に鎮座するのは、古代兵器オルド・ガイアの“心臓部”。
赤いコアが脈を打つたび、地面はぼこり、と泡を吹き、
まるで溶岩の湖に沈みつつあるかのように軋んでいる。
「こ、これは……っ!」
学者が計測器を覗いた瞬間、顔が蒼白になった。
「熱量が異常! 近づくだけで蒸発します!
通常兵器での冷却は不可能です!!」
兵士たちも距離を取るしかない。
熱風が吹くたび鎧が赤く染まり、汗が蒸散する。
そんな中、ルネは隣に立つ少女を見つめた。
「マリアンヌ……何か……何かアイデアは……?」
あらゆる常識を投げ捨ててもいい。
極論、奇跡でも構わない。
彼女の“遊び”が、何度世界を救ってきたか、ルネは知っている。
そしてマリアンヌは――迷いなく答えた。
「うん! “でっかい水鉄砲”つくろ!」
その場の空気が、一瞬で軽くなる。
いや、軽くなるどころではない。
全員
「「「出たーーーー!!!」」」
「まただよ!」
「またあの“とんでも遊具”発想が!!」
「よし具体的に聞こう詳しく!!」
「えっ聞くの!?」
がやがやと騒ぎ始める大人たち。
しかし誰も否定しない。
むしろ――その“遊び案”こそ、唯一の突破口だと理解している。
マリアンヌは指をパチンと鳴らした。
「みんなで作ろ! “超絶巨大水鉄砲”!!
あの赤い輝きを、“びしゃー!”って冷やせば止まるよ!」
ルネ
「……理屈はわからんが……」
学者
「でも彼女の直感は、実績がある……!」
ザハード
「よし! 全軍、水資源をかき集めろ!!」
丸石ゴーレム
「オォォ(運ブ)!」
風船スライム
「ピュル〜!(水たくわえる〜!)」
こうして、
世界最大の“水遊び”による最終作戦が、静かに幕を開けた。




