王国軍の攻撃が完全に無効
王都中心部――
古代兵器オルド・ガイアがゆっくりと立ち上がった。
その巨体は城壁を越え、まるで山が歩き出したかのようだ。
全身を覆う古代金属が脈動し、赤い魔力障壁が何重にも重なって展開される。
王国軍はすでに総力戦体制に入っていた。
将軍
「魔導砲、第一陣――発射!!」
大地が揺れる轟音とともに、城壁上から巨大な光弾が撃ち出される。
魔導砲は、魔獣すら瞬時に蒸発させる王国最強の兵器。
だが。
バチィィィィイン!!
光弾はオルド・ガイアの障壁に触れた瞬間、
石ころのように弾き返された。
兵士たち
「な……なんだと……!」
将軍
「続けて剣士隊、斬撃魔法を!!」
剣士隊長が咆哮し、百を超える斬撃魔法が同時に放たれる。
光の刃が空を裂き、古代兵器を取り囲むように降り注ぐ。
しかし――
ギィィィン!!!
すべて、弾かれた。
剣士たちは驚愕し、魔導士たちの顔が青ざめる。
将軍
「……っ! 全攻撃、無効化されています!
魔力障壁が……規格外すぎる!!」
兵士たちは後ずさりしながら、その絶望的な現実を見上げていた。
王太子ルネは、歯を食いしばる。
(……嫌な予感しかしない……
こういう“絶対防御”相手の時って……)
脳裏に浮かぶのは――
脅威を上回る破壊と混乱を“偶然”起こす、あの少女の顔。
ルネ
「……マリアンヌが、絶対に変な方法で突破する未来しか見えない……」
その予感は、もう確信に近かった。




