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まとめ
騎士たちが一斉にマリアンヌを取り囲む。
盾の亀裂、腰を痛めた騎士、泥団子まみれの地面――状況は完全にカオスだ。
「お、お嬢様……これは……いったい……」
「令嬢……これ以上……」
侍女たちは唖然とし、言葉も出ない。
だがマリアンヌ本人は、まったく反省する気配がない。
「ふふん、楽しかった! で、次は……もっとすごいの作ろうっと!」
満面の笑顔を浮かべる小さな悪役令嬢に、騎士たちは顔面蒼白で目を合わせる。
裏庭の巡回体制も、この日から一名から五名に増員されることになった。
しかしマリアンヌの頭の中は、すでに次の冒険でいっぱいだ。
ふと視線を上げると、城壁の下に小さな、不思議な扉がちらりと見える。
「……あれ、開くのかな? わくわくする!」
まるで次の事件の前触れのように、扉は静かに、しかし確実にマリアンヌを呼んでいた。
こうして、王城裏庭の平和(?)は一瞬にして崩れ去り、
小さな悪役令嬢の“次なる破壊計画”の幕が上がるのだった。




