表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『悪役令嬢に転生したら、今度こそ全力で遊びます!』 ――中年おじさん、完璧令嬢をやめて小学生男子ムーブに全振りする。  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/98

マリアンヌ、今日もいつも通りに遊ぶ

森の奥は、王都の緊迫などまるで存在しないかのように、

鳥の声と水音がのどかに響いていた。


その中心で──。


「んしょっ……もうちょい右ー! そうそう!」


マリアンヌは木の上を軽やかに駆け回りながら、

秘密基地の“拡張工事”に夢中だった。


巨大な大樹には、すでに家一つ分はある木製デッキが組まれ、

そこに新設されているのは──


巨大水滑り台。


透明な魔法膜でできたチューブは、

木の上から斜面を滑り降り、池へと一直線。


丸石ゴーレムは、滑り台の角度を確かめながらゴロゴロ揺れ、

丸い体を傾けては満足げにうなった。


「スベリダイ……タノシイ……!」


風船スライムは横でぷるぷる震えながら、

内部でちゃぷちゃぷと水を作り出している。


「ぷるる〜♪(水、補給シマス〜)」


つる草ウルフは枝から枝へ飛び移り、

ツルで編んだロープラインの張力を調整していた。


「アメンボミタイニ走レル水上コースモ作ッタ!」


どこからどう見ても、

魔物たちは完全に施工チームだ。


マリアンヌは腰に手を当て、満足げに頷く。


「よし!

 敵国が攻めてくる前に完成させなきゃ!」


魔物たち「「「オォォーッ!!」」」


……だが。


マリアンヌは“敵国”という言葉を

「遠くから来るお客さん=新しい遊び仲間」

くらいの感覚でしか認識していなかった。


「だってほら、初めて来る子たちには、

 すっごい遊びでおもてなししなきゃでしょ?」


丸石ゴーレム「モテナシ……!」


風船スライム「ぷるっ(任セテ!)」


つる草ウルフ「遊ビ仲間、大歓迎!」


森でだけ、王国は平和そのものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ