王城周辺の魔物たちとの遭遇
秘密基地を抜け出したマリアンヌは、城周辺の森や空き地へ探検に出た。
木漏れ日の小道を駆け抜け、微かに揺れる影や光に目を輝かせる。
最初に目に入ったのは、小さな透明スライム。
指で触れるとぷるんと弾み、息を吸い込むと膨らむ特性を持っていることに気づく。
「ふふふ、膨らませたら楽しそう!」
魔力を少し加えると、スライムは巨大化して宙に浮かび、マリアンヌはその上でジャンプや飛び移りを楽しんだ。
まるで空中アスレチックだ。遠くから侍女や騎士たちが困惑した目で見守る。
次に現れたのは、尻尾の長い狼のような魔物――つる草ウルフ。
マリアンヌは迷わず背に飛び乗り、驚異的なスピードで城下町を爆走。
追いかける騎士たちは翻弄され、花壇や小屋が軽く壊れたが、ギャグのように街は混乱していた。
最後に広場で丸石ゴーレムと遭遇。
平らな体に落書きを始めるマリアンヌにゴーレムは怒り、重々しい唸り声を上げる。
しかし、魔法で少し柔らかくしてなだめると、ゴーレムは怒りながらも彼女の遊びに付き合うことになった。
こうして、マリアンヌは王城周辺の魔物たちを次々と遊び相手に変えていく。
その笑い声と足音は、城の平穏を少しずつ、しかし確実に揺さぶっていた。




