●裏話10・作者はマデラやアッシメニアについてダベりたい
2022年7月31日、『男神の回顧録8』を投稿しました。
本編の第7幕と第8幕。物語の舞台の幕が開き、セルフィスが反省しつつ少しおとなしくしていた期間ですね。
実は「第8幕」においては、セルフィスは全く出ていないんですよね。
スラァ様の言うことを聞いて、
「今ならいいよ」
と言われたときだけ会いに行っていました。
さて、裏話。
月光龍は魔王の相棒であり、各魔獣と魔王を繋ぐ役目を担っています。
王獣・魔獣は魔王の許可なく魔王直轄エリアに立ち入ることができません(見上げることはできるが)。魔王が眠っている間は月光龍が魔獣の頂点です。
ですので原則、魔獣達は月光龍の命令を聞きますが、魔王との間のような主従関係を結んではいないので強制力はありません。
彼は時折魔王のもとを訪れ、様子を窺っていました。ルヴィを失った初代魔王がムーンにかけた最期の言葉が「後は頼む」だったから。
後とはいつまでなのか、本当に魔王は地上を完全に放棄してしまったのか。
それとも時がくれば目覚めるのか、目覚めた時には昔の魔王なのか、それとも初期化されてしまった魔王なのか。
眠り続ける魔王の身を案じながらも、彼は魔王の相棒として魔王がいない間の世界を統括しなければいけなかった。さぞかし大変だっただろうと思います。
さて、アッシュことアッシメニアが裏でマユを推していた理由。これにはマユとハティの初体面の出来事が関わってきます。
二人が出会ったのはハティが井戸に落ちてしまったことがきっかけですが、これに「彼」が関わっているのです。(本編でも本人がチラッと漏らしてるし、回顧録でも言ってたけど)
フォンティーヌの森をよく知るはずのハティが昔からそこにあるはずの井戸に落ちてしまったのは、マユの行動を把握していた「彼」が入念な準備をし、タイミングを見計らってハティを罠にハメたからです。
そのことを聞いたアッシメニアは不審に思いました。
(パルシアンの娘と聖獣を引き合わせた者がいる。しかし水通鏡にも映らない。ということは、王獣である自らすら欺ける存在に違いない)
と考え、だいたいのところを推測していました。
という訳で、最初から割とマユに好意的だったアッシメニアですが、穴を開けたことだけはびっくり仰天で、
「これは牽制しなければならない」
と、聖獣の背後に自分がいることを二人からマユに伝えさせました。
この目論見は成功し、以降マユは二人に無茶なことをやらせてはいけない、と気を付けるようになります(第7幕第6話)。
一方、土の王獣・マデラギガンダですが、彼は自分の存在を消す能力があるので、割と頻繁に地上に降りています。
彼は最初にミーアに会ったこともあり、ミーア推しでした(笑)。
髪の色も瞳の色も違いますが、ルヴィの面影を残し、ルヴィを彷彿とさせる魔精力を纏っていたからですね。
マユについては、最後の場で上手く利用されてしまったのもあり「小生意気な娘」という印象でした。
しかし、王獣訪問でのブレフェデラとの件を聞いて興味を覚え、直接対面。
匣迷宮での暮らしぶりやマユの人となりを見たことで、今ではわだかまりはありません。マユにとっては匣迷宮での生活における師匠のようなポジションになっています。(小噺1参照)
しかし、方々から
「ちょっとおとなしくしておけ」
と言われたり思われたりしているマユ。
前も書きましたけど、マユってなーんか閉じ込めておきたくなる人なんですよね。
そんな予定ではなかったはずなんですけど、『収監令嬢』とタイトルをつけたときからそういう感じになっていった気がします。( ̄▽ ̄;)




