●裏話9・作者は間話と月と登場回数についてダベりたい(※画像あり)
さて、2022年7月11日に投稿した『男神の回顧録3・男神の鼓動』。
ここから『収監令嬢』本編とリンクさせた形になります。マユが奮闘していたとき、セルフィスは何をしていたのか、何を考えていたのか、というお話ですね。
そう言えば、主人公のマユについて
「どうしてそういう判断でそういう行動になるのか、まったく理解できない」
という感想を内々に頂いたんですよね。
こういう事態になりました→じゃあこうします、の間がすっ飛んでて、なぜそう繋がるのか全くわからない、わからないからモヤモヤして気持ち悪い、と。
おー、この方すごいですよ!と私は思いました。感心しました。
それはまさにその通り。回顧録1~3で判明しますが、マユはもとの身体に魂の一部を置いてきています。そのため、脳ミソの線が何本かぶっつり切れているというか、ネジが2、3本飛んでいるというか、そういうキャラを想定していました。意図的に思考を抜いて書いていたといいますか。一人称なので。
だからマユって、事態に直面してから行動決定までの手順がちょっとトんでるんですよ。特に序盤は。
第2話読了時点で頂いた感想なんですけど、それでもこの時点でその裏側に気づくなんて……驚きですよ!
そこから少し話をしまして「こういうキャラと飲み込みしかない」と理解して頂けました(笑)。まぁ要するに「合わない」ということが判明した訳ですけども、私としてはためになりましたね。
勿論、主人公を気に入ってもらえなかったのは悲しいですけれど、それはそれぞれ好みの問題ですからね。仕方がない。万人ウケする訳がないんだから。
それよりも、かなりちゃんと読んでくださったんだなー、主人公を理解しようと頑張ってくださったんだなー、とそのことに感謝しました。
私は感想を殆ど貰わないので、こういう意見はとても貴重。
特にキャラに関する話をここまでじっくりするというのは稀ですのでね。ありがたやー。( ̄人 ̄*)
さて、創作裏話の方にいきますか。
裏話8で書いたように、物語を書く前にプロットは作ってありましたが、実際の物語はというとここからかなり逸脱したものになりました。
ですので、私は物語を書きながら「各章・話数」「内容」「作中時間」を表にしたものをExcelの別シートに作っていました。こんな感じです。
どこで何の話をしていたかすぐ見直せるように、早見表といいますか、そんな感じですね。「魔法陣についてどう説明してたっけ」とか、そういうの。
……そっか、これ作ってたからプロットをいちいち直さなかったんだ。
今気づいた。なっとくのなー。
……あ、『閑話』の字が違う。実際の投稿では『間話』ですからね。
そうそう、『ミネルヴァ』では『閑話』として恵視点の話を入れていたのですが、これは本当に無駄話といいますか、基本読まなくても全然問題ない部分だったからなんですよね。
話の切れ目、箸休めというか、余談というか。
ですが『収監令嬢』では、マユの一人称および本編中では拾いきれない情報を差し込むために作っていました。(読まなくても大丈夫な話もありますが)
つまり、ちゃんとストーリーの一部だったんですね。ないと情報抜けが起こる……まぁ、「一応ここに書いてありますよー」と言い訳できるようにしてあったといいますか。
ですので、『閑話』も『間話』もどっちも「むだばなし」の意味ではあるんですけど、『間話』だと『章と章の間の話』の意味に取ってもらえるのではないか、読み飛ばしも少なくなるのではないか……と考えて、この字にしました。
実際の辞書を調べると「かんわ【閑話・間話】」とあり、
①心静かに話すこと。ゆったりとした気持ちで話す話。
②内容に重きを置かない話。むだばなし。雑談。
とありますね。ですから②なんだけど①に近いのかな。三人称で、ちょっと離れた視点で書いたので。
さて、一覧表の話に戻りますか。
序盤はざっくりと時期を書いていますね。季節はいつ頃でどれぐらいの時間が経っているのかわからないと、心情面もよくわからないからですね。
後編は三ヶ月限定開校である聖者学院の話なので、日付が入れてあります。こういうのを残しておかないと、時間感覚がわからなくなるんですよね。私はとにかく物事を覚えていられないので。
頭の中だけでちゃんと時系列が整理できる人、尊敬します。
右端には月の状態がメモしてありますね。
ハティは『空に月が出ている間しか地上に降りられない』という設定だったので、満月とか上弦の月とかも結構重要な要素だったんですよね。月って、形によって出ている時間帯が変わりますからね。いつも空にある訳じゃないから。
例えば下弦の月ですと真夜中に昇り始めますので、通常の「夜」の時間には出ていないんです。だから『日没後、ハティが現れて……』みたいなことを書くのはおかしい、ということになる。
まぁゲーム世界なので「どんな状態だろうが夜には必ず月が出ている」としても良かったんですけど、そもそも暦が現実世界と同じ単位を使っていますので、『特に説明していない事柄は現実世界の常識を適用』としておいた方がいいかな、と思いまして。
あとねー、何かのアニメで
「新月の晩には魔物が現れる」
と言ってたのに、当の夜、思い切り夜空に三日月が出てて
「えー? 新月じゃなかったっけ?」( ̄д ̄;)
とモヤモヤしたんですよね。作中での『新月』の定義って何なの?と。恐らくアニメ制作上でのミスなんでしょうけど。
という訳で、そういうモヤモヤを極力無くしたかったので月齢についてはきちんと合わせることにしました。
で、表の話に戻りまして。
ピンク色の部分は、「彼」の登場回です。すぐ分かるように色を塗っていました。
というのも、「彼」は主要キャラにも関わらず常駐している訳ではないので、あまり出さないでいると存在が薄れそうだったからです。
実は、「彼」の登場回数は意外に少ないです。
本編第13幕までの計124話中、23回しかありません。しかもそのうち2回はマユとの会話は無く、本当に出ただけです。
「こんなんで相手役として大丈夫か」( ̄д ̄;)
とは思いましたが、こういう舞台裏だったので仕方がない。
何しろそこが物語のスタートだから(笑)。
恋愛感情面の説得力が薄くなるかもなー、と思いましたが、
「会えない時間が愛を育てる」
をテーマに頑張ってみました。
これまでどちらかというと四六時中一緒にいるタイプの恋愛ばかり書いていたので、そういう意味でもちょっと冒険でした。
ちゃんとできてたかな?
「えっ、何でセルフィスルートなんだ!?」
とか思われてないといいのですが……。(A ̄▽ ̄;)




