表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/330

精霊爆誕 〜衝撃は全裸から〜

本日、第八十五話を投稿します!

一言、コーゼストがやらかします(笑)

 -85-


「良し、と。これでいいか?」


 俺は左手の(てのひら)神鉄(オリハルコン)腕輪(バングル)を掲げる様に載せながらコーゼストに問う。()め込まれた魔水晶(クリスタル)が窓から()()る陽の光にキラリと輝く。


『有難うございます。では──』


 コーゼストが一言礼を述べたあと、不意に左手の掌の上に幾重(いくえ)にも重なった魔法陣(サークル)が浮かんだ! これは?!


『──Magic operation(魔法術式起動)』


 コーゼストが()()()()()()言葉を(つづ)っていく!


『Memory erase(メモリー消去)────Magic search(魔法術式検索)──・──Construction method completion(術式構築完了)──Start writing(書き込み開始)』


 魔法陣(サークル)から次々と魔法文字(マギア・ランゲージ)が腕輪の魔水晶(クリスタル)に吸い込まれて行く!


『────Check of operative writing(術式書き込み確認)──Activation simulation(起動シュミレーション確認)──Complete all process(全工程完了)』


 やがて魔法陣(サークル)から全ての文字が魔水晶に吸い込まれ尽くされると同時に、全ての魔法陣(サークル)が霧散していき


『──終わりました』


 コーゼストが短く終了を宣言する。


「お、おぅ」


 思わず声が上擦(うわず)って変な声で返事を返す。


「コーゼスト、一体何を作ったのかしら?」


 幻想的な光景に見蕩(みと)れていたアンが我に返ってコーゼストに(たず)ねる。そうなのだ、先程の()()は以前コーゼストが魔道具を作製する時に見せた工程だったはず。ならばやはり魔道具を作製したのか?


『はい。この立体映像機器(ホログラム・デバイス)腕輪(バングル)を利用して私自身の機能強化(バージョンアップ)を図ろうと思いまして、立体映像(ホログラム)の機能はほぼそのままで改造を(ほどこ)しました』


「──んで、何を作ったんだ?」


 何やら勿体(もったい)ぶった言い方をするコーゼストに突っ込む俺。やっと声が戻った…… 。


『では今からお見せします。マスター、その腕輪(バングル)を左腕に装着してください』


 ──チョットマテ。


「左腕ったら(すで)にお前が居座っているじゃねぇか?!」


『はい、ですから私本体の下に密着させる様に装着してください』


 俺の嫌味にもしれっとしているコーゼスト。(はな)からコイツには嫌味が通じ無かった! 俺がブツブツ言いながら渋っていると


『これは必ずマスターの利益に繋がります。マスター個人だけでは無く『黒の軌跡(ブラック・ローカス)』の利益にもなり得るのです』


 やたら利益を強調するコーゼスト。確か以前にもこんな事があった気がするんだが?! 何か既視感(デジャヴ)を垣間見た感じである。


「本当なんだろうな……」


『私が今まで虚言(きょげん)(ろう)した事がありましたか?』


 そう言われて言葉に詰まる俺。少なくともコーゼストが俺に対して嘘をついた事は確かに無いからだ。まぁどちらかと言うと聞かれた事以外話さないのはしょっちゅうだったが!


「本当に信用しているからな!?」


 俺はそう言うとしぶしぶ左腕に腕輪(バングル)()めた。


『有難うございます──魔力接続(リンケージ)開始────接続を確認──外部出力(アウトプット)安定──立体映像機器(ホログラム・デバイス)起動』


 直ぐに操作を始めるコーゼスト。徐々に腕輪(バングル)の3つの魔水晶(クリスタル)が淡く輝き始め、そして──


『虚像形成────仮想体(アバター)顕現(けんげん)します』


 コーゼストの言葉と共に魔水晶(クリスタル)から光が(あふ)れ出る! その(まぶ)しさに思わず目が(くら)む! やがて光が収まると──


『──如何(いかが)でしょうか?』


 ──目の前に1人の()が立っていた。顔立ちはアンやベルナデットみたいに凄く整った──目は切れ長で紺碧(アジュール)の瞳が綺麗な目で、髪は足首までの長い髪で髪の毛のみならず(まゆ)睫毛(まつげ)翡翠色(ジェダイグリーン)で所々燐光(りんこう)を放ち、耳はエルフほどでは無いが少し(とが)り、唇は淡紫色(オーキッド)(つや)やかな唇で、その肢体は手脚がスラリと長く、胸のボリュームは……なかなかである。


 そんな精霊の様な()が目の前に立っていたのである……()()()


『──(かつ)ての古代魔族(アンデモン)の女性を()したのですが? あ、肢体に関してはマスターの好みに寄せてみました』


「………………」


『マスター?』


「っっ?! ま、先ずは服を着ろ〜〜〜〜〜!!!!!」


俺は思わず絶叫するのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『──大変失礼しました』


 目の前の椅子に座った女がちょこんと頭を下げる。服はちゃんと着ているのは言うまでもない──薄手の布切れを纏っただけであるが。

 色々乱れる呼吸と気持ちを落ち着けながら俺は改めて問う。


「お前はコーゼスト……か?」


『はい、それが何か?』


 俺の問い掛けにしれっと答える女──コーゼスト。俺は思わず頭を抱えたくなった。


「色々ツッコミどころがあるんだが……何故にその姿なんだ???」


 アンが後ろで「最初に聞く(ポイント)がそこ?!」と(つぶや)くのが聴こえたが、この際無視(スルー)する。これはコレで結構重要なのだよ!


『そこは、女性に対する耐性が低いマスターを揶揄(からか)う為です』


 そう言って脚元の布をヒラヒラさせるコーゼスト。お前は確信犯か…… 。


『まぁそれは冗談ですが……第一の理由はマスターと行動を共にして来た中で、よりマスターに貢献したいと言う『願望』が私の中に生まれた事です。勿論(もちろん)私は飽くまでも()()()ではありますが、思考の果てに生まれたこの感情とも言うべき()()()えて『願望』と表現しました。しかしヒトの感情とはこうした絶え間ない思考の果てにあるものだと私は思います』


 コーゼストは真顔で理由を述べながら、片手の指をひとつひとつ折り俺に対して答えていく。


『第二に『混沌(カオティック)の庭園(・ガーデン)』で魔導人工頭脳「アルカ」から、第三に『魔王の庭』の生産設備(プラント)から、第四に『精霊の鏡』の施設からそれぞれ様々な情報(データ)を獲得し、第五に同じく『精霊の鏡』でこの立体映像機器(ホログラム・デバイス)を回収した事です。これらにより私の『願望』は『実現』へと移行(シフト)していったのです』


「お、おぅ……」


 一気呵成(いっきかせい)に言い切るコーゼスト。何やらヒトの姿になったらやたら弁舌(べんぜつ)が立つ。


『あとはマスターの潜在魔力が倍増したのもあるんですが』


「ほほぅ、つまりお前が使える魔力が増えたと言う事もある、と。成程な……ってちょっと待て!? それって俺にも原因の一端(いったん)があるって事か?!?」


()(てい)に言えばそうですね』


 俺は思わず()けたのだった────!!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「それにしても本当のヒトみたいね……」


 アンが半分呆れ気味に感心しながら、コーゼストの周りを巡ってあちこち指で(つつ)き、そして胸元に目をやると「本当に私より大きい……」と戦慄するのだった。


 大丈夫だ、アン。胸の大きさだけが全てじゃない……筈だ。大体コーゼスト(こいつ)は思いのままだからな!


 因みにルアンジェは驚きと言う滅多に見せない表情を見せていたし、ノーリーンに至っては完全に静止(フリーズ)していた。


『この身体は魔導(マギア・)擬似肉体(ミミックボディ)──端的に言うと魔力の塊である魔力体なので性別やサイズや服装を簡単に変更出来ますし、必要に応じて魔導(マギア・)精霊体(スピリットボディ)と言う実体化を解いた幽霊(ゴースト)の様な状態にも出来ます。欠点があるとすれば長時間魔導(マギア・)擬似肉体(ミミックボディ)を維持する事が出来ない点とマスターを基点に2メルトまでの範囲しか行動出来ない点ですね』


 そう言いながらコーゼストの身体がスッ……と半透明になる。


『今、魔導(マギア・)精霊体(スピリットボディ)に切り替えました。こちらの方なら維持する魔力は少ないので長時間維持出来ます。行動範囲は変わりませんが』


 試しにコーゼストの身体に右手を伸ばすと、何の抵抗も無くすり抜けてしまった。成程、確かに幽霊(ゴースト)だな…… 。


 そんな事を思っていたら不意に右手にフニュ! とした感触があり、目をやるとコーゼストの胸を(まさぐ)る格好になっていて慌てて手を引いた!


「!?! お、お前、実体化するならすると言え!!」


『申し訳ございません』


 顔に微笑みを貼り付けてしれっと答えるコーゼスト──本当に確信犯だな!?!


「でもその身体でコーゼストが活動するには色々問題があるんじゃない?」


 アンが思い付いたみたいに疑問を口にする。確かにこのコーゼストをグラマス以下関係者に何て話せばいいんだ?! 俺は割と本気で突っ込みたくなった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『ふむ……確かにそれは一理ありますね。では──』


 そう言うとコーゼストの身体が淡い光に包まれた! そして一瞬後──


『──これでは如何でしょうか? 少なくとも説明し(やす)くなったと思うのですが』


 そこには小型(コンパクト)になったコーゼストが目の前にふわふわ()()していたのである! 大体身長16セルトぐらいで、背中には何故か一対(いっつい)の羽虫の様な羽根が生えている。確か元の身長は160セルトぐらいだったから丁度10分の1に縮んだのか?


『これなら実体化していても魔力の消費量は10%で済みますし何より可愛いですし──これを今後は妖精体(フェアリー)と仮称する事にします』


 そうドヤ顔で宣言するコーゼスト。お前、絶対そのドヤ顔したくてヒトの身体を手に入れただろ………… 。


「はァ……その妖精の姿でも充分問題があるんだがな……」


『何でです、可愛いじゃありませんか? 可愛いじゃありませんか?!』


 顔面前まで飛んで来て力説する妖精(フェアリー)コーゼスト──何故に2回も「可愛い」を繰り返した?!


『まぁ、今のも冗談なんですが』


 その一言でガックリ肩を落とす俺。どうでもいいがお前は暴走してないか?


『でも私がこの姿を獲得した事でマスター達の支援(サポート)をし易くなるのは間違いありません。それに対外的にもこの外観だと説得力があります』


 そうハッキリ言い切るコーゼスト。どうでもいいがそのドヤ顔はやめろ。


「まぁ……それも一理ある、か」


 頭をガシガシ()きながら何とか納得する俺。そうでもしないとこの話、延々と続く気がする……!


「でもな、コーゼスト。先ずは()()()を説得してからな」


 そう言って俺が指差す先には、工房から出てきて妖精(フェアリー)コーゼストを見て固まっているラファエルが居た。


『あ…………』


 それを見て「しまった」と言う顔をする妖精(フェアリー)コーゼスト。


 全く「あ」じゃない、「あ」じゃ……………… 。



遂にコーゼストが身体を得ました! まぁ制約はありますが、これでコーゼストの行動の幅が広がります(リアルモードより妖精モードでの活躍ですが)。

それにしてもコーゼストを始めチートに一層拍車が掛かりました!


魔導(マギア・)擬似肉体(ミミックボディ)…………魔力で構成された擬似的物理的肉体。飽くまでも見掛けを人の肉体に似せているだけである。身長や体重や見掛けの服装、果てはスリーサイズや性別まで思いのままに変えられる。


魔導(マギア・)精霊体(スピリットボディ)…………魔導(マギア・)擬似肉体(ミミックボディ)が物理的なら、こちらは文字通り擬似的霊体。幽霊(ゴースト)みたいに壁を抜けたり出来る。



☆「なぜか俺のヒザに毎朝ラスボスが(日替わりで)乗るんだが?」第六話にイラストレーター椋木三郎さん作の主人公ウィルのイラストを載せました! 是非過去作品もお読みください!


☆「魔法と銃との異界譚 〜Tales of magic and guns〜」

新連載開始しました! 民間軍事会社の傭兵の男性と異世界から来た大魔導師の女性の2人が主人公の物語です! 是非ともよろしくお願いします!


http://book1.adouzi.eu.org/n259fr/



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=818401577&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ