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隠していた想い ―side アヤネ―

 クロードさんが、ついに地球への接続方法を見つけてくれました。

 わたしは、元々生粋の日本人だったのですが、マールさんと違って、現世では完全に死亡しての転生ですので、実は地球への未練と言う点では、もう何もありません。


 でも、クロードさんが地球へ行くと聞いて、ついわたしもついて行きたいと言ってしまいました。

 クロードさんは、地球がわたしの生まれ故郷だから行きたいのだろうと勘繰ってくれたのだと思いますが、実は、わたしの気持ちは全く別の所にありました。


 ――そう、わたしが地球に行きたい理由は、クロードさん、あなたが地球に行くからです。


 あなたに会って、わたしの人生は変わりました。最初の人生では、どうしようもない死に方をしてしまい、転生した時点でも、海賊に襲われているシチュエーションと言う最悪のタイミングでした。当初はどうしてわたしがこんな目に……と神様を恨みましたが、あの転生があったから、クロードさん、あなたに出会えたのです。


 あなたは、こんなわたしの事を絶えず心配してくれて、時には頼りにもしてくれて、わたしはあなたのおかげで自分の価値を知る事が出来ました。わたしの新しい人生に鮮やかな色を添えてくれました。


 今まで、自分の気持ちは誰にも知られる事もなく、ずっと温め続けて大事に封印していたと思います。多分、アサシンのミリーちゃんが憑いてから気持ちの隠蔽も上手くなっていたようなので、きっとリーシャさんもマールさんも、クロードさんもわたしの恋心には、全く気付いていなかったと思います。


 でも、今ならはっきり言えます。クロードさん、わたしはきっと今回のような今際の際のような転生を何度繰り返そうが、あなたに会えるのなら、この転生を何度でも選びます。

 そのぐらい、あなたの事が大好きです。


 ミリーちゃんにも相談しました。


 ″アヤネ、あたしあなたに憑いてほんと良かったにゃ。だってあたしもクロードにゃんが好きになったからにゃ。リーシャやマールに遠慮する事はないにゃ、だってこういう気持ちって、どうしようもないからにゃ、大事にして欲しいにゃ″


 ミリーちゃんの気持ちまで乗り移ったのかもしれません。


 わたしは、ここでクロードさんに気持ちを伝えようと思います。

 リーシャさんも、マールさんもきっと誰にもクロードさんへの気持ちは負けないと2人とも、思っているかと思いますが、わたしも負けません。負けたくないです! 


 だって、これほど人を好きになったのは、きっと後にも先にも、クロードさん、あなた一人だけだから……


 わたしは我儘かもしれません。それでも、クロードさんを好きな気持ちだけは譲れません。

 だってわたしはきっとクロードさん、あなたに会うために転生してきたんです。


 クロードさんと、リーシャさんがマールさんが味わった世界を跨いでの精神の鍛錬で、異世界線の自分を見てきたようです。


 わたしも……恋のライバルとして……同じ人を愛した仲間として、心の鍛錬をします。精神を成長させたいから。クロードさん、あなたに少しでも心を近づけたいから……


 ――アヤネ、大丈夫だにゃん。あたしがついてるにゃん。


 ありがとう。ミリー。

 わたしはやるよ。


 そしてもし地球に行ったのなら、わたしの生まれ育った故郷に舞い戻ったのならその時は伝えよう。正直に。地球への想いは吹っ切れるけれど、その代わりにクロードさんへの気持ちは抑え切れなくなると思うから。クロードさんに告白して、リーシャさん、マールさんにわたしの想いを伝えるんだ。

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