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有音の親友に出来ること 14 

~~有音サイド~~

 私は奏から料理の希望について聞いて、メインで作るように言われる。「親友を助ける料理を作れるのは有音だけだ」なんて奏から後押しされたので、サポートを受けつつも私はその料理を覚える。


 そして数日後――

鈴歌の母娘と新田シェフに外で食べた方が良い食べ物だからと、谷川さん一家に頼んで屋外ダイニングを準備してもらった。

「庭に食べる準備を整えておいてくれだなんて……何をするつもりなんだろう……」

 このつぶやきは鈴歌のものである。


 料理を作っている彼女らを待っている新田シェフが疑問に思っていた。

(何がしたいんだ、あの中学生たちは……!? あんな経験の浅い彼女らに何が出来ると言うんだ!? 僕は女性の求める料理を研究してきた。その中でも特にパスタで喜びを与えてきたんだぞ」

 そういうパスタを作ってきたパスタ職人の僕が作ったものを食べなかったのにとも思っている。

(僕は女性の好む料理店で行列を出し続けて満席をさばき続けてきた。女性向けのノウハウのすべてを彼女にぶつけてきたんだ……だが、どんなに優美で華麗なパスタでも、技術を駆使したパスタでさえ彼女は受け付けなかったんだぞ!! 料理人志望程度の2人に何がわかる!!)


私は奏に要所で手伝ってもらったりしたものの、鈴歌に料理を食べさせたい!! との想いがこもったパスタを完成させる。

「お待たせしました。食べてください!」

「!?」

 谷川さん母娘が声を失った。

「これは……」

 鈴歌の母親が戸惑いの声を上げる。

「何!? 大きなスライスチーズを皿いっぱいに重ねているだけ? あなた達……パスタを作るって言っていたような!? チーズの下には何があるというの!?」

 私はそれには仕掛けがあると教え、チーズの好きな所を取って食べてと鈴歌にすすめた。

「チーズと一緒に食べてくれればわかるわ。さぁ、どうぞ!!」

 すすめられるままに鈴歌の母親が食べてみたところ――


 何枚ものスライスチーズの下にはパスタがあり、良い香りを出している。パスタの材料にエビとイカ・ホタテ缶と玉ねぎを食べやすく切ったもの。それらがにんにくと唐辛子、オリーブ油で炒められていた。

「まあ。このパスタ、スパイスにこだわっているのね」

鈴歌の母親に聞かれて、私達がこだわった点を強調する。



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