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真奈に何があったのか? 4。

その思い出したくもない過去が頭をよぎった時に風良君が私を呼ぶ声が聞こえてきたんだけど私は何も言えなかった。風良君が私に言うだけの事を伝えていく。

「真奈……部屋の前にご飯を置いていくよ……僕は君が今の姿を見られたくないと思っているだろうし下でまたせてもらうよ……待ってるから!!」

「!!」

 気遣いなのか風良君が下に降りていったから――それに何を作ってくれたのかなと気が向いたから置いていったものを見てみた。

「おにぎりの詰め合わせかな?」

 風良君が降りていったであろう階段をちょっと見つめてから、何を思って作ってくれたんだろうというのが気になり出す。

「風良……くん……」

 結局は部屋に持って行って食べようと思った。

「わっ……オムライスをそのままおにぎりの具に応用……」

 咀嚼してみて風良君が作ってくれた事のあるオムライスと味付けも同じだと少しなつかしい感じを覚える。


「……おいしいな……いつもの風良君の味だ……」

 次のおにぎりを手に取った。

「見た目から……飾りおにぎりかな……」

 どんな味がするだろうと口の中に入れてみる。

「……わあ……五目の味と大葉の爽やかな香りの調和。やさしく包まれた味と香りが体の中に入っていくよう……」

 いろいろあってろくに食事を摂っていなかった(摂る気力もなかった)からか、また違うおにぎりに目を留めた。

「こっちは……半分に切ったピーマンの中にきのこがメインの混ぜご飯が詰めてある……?」

 バリエーションが豊かなおにぎりは食べるのが苦にならないし、飽きない感じ。


「すごい……みんな、工夫しているのが良くわかるよ……本当に……料理、上達しているんだわ……」

 おにぎりの種類の豊富さに驚いていたんだけど、その中に定番に近いおにぎりがあったので気になって食べる。

「? これだけ工夫のない普通の焼きおにぎり……!?」

 食べた瞬間にこの焼きおにぎりがどこかが違う事に気づいた。

「ふぇっ……!?」

 何でかちょっと変な声を出しちゃったけどもう1口食べて確認してみた。


「パリパリした表面の下から弾力があって柔らかいお米が口の中いっぱいに……冷めているのにこの香ばしさ……このちょっとした粘り食感……このお米……」

 指についたご飯粒が粘りを持っている事に気づく。

「もち米……!? もち米のおにぎりなんだ……しょう油とニンニクを焼いた香ばしい匂いで食欲増進って感じね……!!」

 いつの間にやら食べ終わっておにぎりが入っていたバスケットケースを見た時に私の記憶が蘇った。

「でもこの食感に……食べ覚えが……!? もしかすると……」



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