真奈に何があったのか? 3
「真奈!!」
僕は涙ながらに泣き声で訴える真奈の名前を読んであげるくらいしか出来ずにいた。真奈がここまで追い詰められていたのに……あいつが……。小学校入学前からずっと……僕よりしっかりもので苦手な事もなくて……いつも励まされてばかりで……特に最近は苦しかったのは真奈の方じゃないか……!! なのに何で……こうなる前に気づいてあげる事が出来なかった。
「うっ……うぇぇ……っ、うぁあああんうああ~~~~~~~~っ」
僕は自分の迂闊さが恨めしかった。自分を否定して泣くしかない真奈の泣き声を聞き、もらい涙を流しながら僕が一番真奈のそばにいたはずなのにと自分の無力さに悔しさを押し殺している。
墨の後を追ってきたらしい真奈のおばさんが階段を登った辺りまで来ていた。気づかぬ内に……、おばさんはそこで何をしてあげたら良いのかと困って座り込むだけ。
「真奈……うぅっ。私も…………もうどうしてあげればいいか……」
「!?」
「部屋のドアを開けるのも置いた食事を部屋へ入れる時だけで……」
その言葉に僕の心臓が高鳴る。食事を……取る時……!? 僕は自らの心臓の鼓動を感じながら自分の出来る事を思いついた。
「おばさん……真奈の料理を僕に作らせてくれませんかっ」
ただただ辛い……今の何をしても上手くいかない自分を許せないのは真奈にとって当然の事なのだろう。
「こんな私、やだよ……もうどうしていいかわからないよ!!」
「真奈~~っ!!」
僕は僕で真奈が傷ついていたのに気付かずにいただなんてと部屋の前で悔やんでいた。
僕が一番最初に気づかないとだったのに……僕にやれるのは……やっぱりこれしかないと行動に移そうと決める。
「真奈の食事を僕に作らせてくれませんか!!」
真奈の視点に変更
一方、部屋で頭を抱えるくらいしか出来ない私。何でこんな状況になってしまったのか……? いつからか頭がこんがらがるようになって期末テストで15点という最低点を――。中間テストは良かったから先生に体調でも悪かったのかと心配されてもごまかし笑いをするしかなかったし。
どれだけ頑張っても頭のなかに入ってく気がしない状態だったけどテストで挽回するために勉強時間を長くしていた。それなのに――3点!? 私はそれを信じたくなくてどれだけ絶望に打ちひしがれたか……
クラスには野球のうまい男の子や下手なプロよりテニスが上手そうな女の子、八百屋の男の子とか努力次第で後を継ぐとか経験を活かせるかもしれない事に夢中になっている人達ばかり、将来の夢がしっかりしている(ちなみに風良君も料理関係の何かに携わりたいと思っているだろうし)クラスメイトの談笑を聞いているだけで何もない自分はどうしたらいいんだろうと思い悩むしかなかった。足踏みどころか後退しているとしか思えない時は夢を持っているみんなに置いて行かれてる、置いていっちゃやだよとしか考えられずに。




