真奈に何があったのか? 2
(まさか……ドロボウ。いや、強盗!?)
真奈の家は父親が仕事の都合で1年に数回くらいしか帰ってこない特殊な家庭。この時はものすごく心配したものだよ。
「おばさん!! 真奈!? 誰か、いますかっ!?」
その僕の声に気づいてか憔悴した様子のおばさんが出てきた時は驚いたな。何があったのかと。
「風良……くん?」
「おばさん!? どうしたんですかこの有り様……!?」
「真奈が……」
泣きはらした顔をしたおばさんが涙を流している顔を手で覆いながらも教えてくれた覚えがある。
「真奈がっ!?」
「昨日から……部屋に閉じこもったきり出てこなくて……!!」
「!?」
それを聞いた時は衝撃が走ったよ。
「まさか……ですけど……この荒れ様は……」
おばさんの話してくれた内容が真奈の性格とか考えるとあり得ないと思っていたんだけど、その話を聞いている内に……
「昨日、あの子と大ゲンカしちゃって……最近勉強がうまくいっていないみたいで悩んでて……今までが良かった分ショックが大きかったんでしょうね……」
真奈のおばさんが様子を伺いに行った時は面白いと評判のお笑い番組をうつろな表情で観ていたんだとか。まったく何の反応も見せないなんてどれだけショックだったんだろう。予想つかないよ。
「真奈が!? うそですよね……」
「昨日の午後、塾の実力テストもサボったみたいで……」
そのおばさんの話には驚かされた。だって、その時は僕の家に……まだ真奈のおばさんの話は続く。
「それでキツめに注意しちゃったの。塾の実力テストで進学クラスが決まるって日だったから」
すがりつくような瞳で助けてほしいと娘からサインをもらったのに何もしてあげられずというおばさんの気持ちが僕にも痛い程伝わってきた。
「それなら教えてお母さん!! 私はどうしたら!! ねぇ!?」
「今まで手のかからない子でそんな経験なかったから……私まで一時的にパニックになっちゃって……もうどうしたらいいのか……うっ……」
つい最近までお互いの家を行き来する仲だったからかおばさんに尋ねられて僕は気づく。
「風良くん……真奈から聞いている事、ない……?」
僕は家にあがらせてもらって挨拶もそこそこに真奈の部屋のある2階の部屋へ急ぐ。家まで僕の様子を見に来てくれたのは僕と話がしたかったからなんだ……!! なのに僕は真奈の悩みに少しも気づかず……そんな真奈に逆に励まされ……!!
「真奈!! 真奈」
その時の僕は必死だった。真奈がドア越しでもいいから声を聞かせてくれないかと強めにドアをノックした覚えがあるよ。
「真奈……!! すまない……僕、何も知らなかった……」
僕の願いを通じたのか声を上げてくれた。
「ダメ……」
「!? 真……」
「何でかダメになっていって私……やればやる程こんがらがっちゃうし……こんなはずないのに……これ以上どうしていいかわからないの……訳がわからなくて……!! 嫌、キライ……こんな私自身やだよ……!!」




