調査チーム その1
翌日、シド達は防衛地点の振り分けを聞きに本部に連絡を取る。
『78番と79番は今日は調査チームに配属となる。指定の地点まで行き、そこにいるワーカーに配属コードを見せろ』
本部からの返答は、調査チームへの配置換えだった。2人の情報端末に配属コードが送られてくる。
「・・・今日は調査チームだとよ・・・」
「なんだか急だね、まだ二日目だよ?」
<昨日の戦闘が評価された以外に何かあったのでしょうか?>
2人は首を捻りながら指定された地点まで行ってみる。そこには見知った者達がいた。
「おっ来たな。昨日ぶりだな、シドにライト」
それはヤシロとその相棒であるレオナだった。
「ヤシロさんとレオナさん。どうも・・・この配置コードで間違ってないですか?」
シドとライトは配置コードをヤシロ達に見せる。
「ああ、間違いないぜ。いや~、本部に無理言って正解だったぜ」
ヤシロは面白そうに笑いそんな事をいう。
「昨日の戦闘で欠員が出てな。人員の補充にお前らを指名したんだよ」
「なんで俺達を?」
シドはそう聞き返す。
「ん?中途半端な戦力が来るよりお前等の方が良いと思ったからな。シドの戦歴から見て問題ないと判断したって訳だ」
ワーカーの戦績は基本的にワーカーオフィスのサイトで確認できる。別におかしなことではなかった。
それでも自分達はランク31と16、ヤシロ達と釣り合うランクでは無い。
どこか腑に落ちないといった顔をするシドとライト。
「なんだよ、不服か?普通なら防衛から調査に配置換えになったらお前らの年頃なら大はしゃぎなんだがな」
ヤシロは苦笑いしながらシド達を見る。
「いや、別に不服って訳じゃないんですけどね」
「そうですね、配属されたからには精一杯頑張ります」
シドとライトは気合を入れなおす。防衛チームと比べると任務の難易度は格段に跳ね上がるのだから。
「はい、話は纏まったみたいだから、こっちのメンバーを紹介するよ」
レオナがそういい、自分の後ろに立っていた人物を紹介してくる。
「彼はフリーのハンタ-でランク43 ドンガよ。まあ、ちょっと変わってるけど悪い人じゃないからよろしくしてやって」
レオナが紹介した人物は、短いモヒカン刈りのヘアースタイルで、はち切れそうな程肥大化した筋肉を持っている。浅黒の肌で丸いサングラスを着けていた。
そして、その装備も独創的というのか、上半身は胸の所だけに金属製の帯の様な物が巻かれているだけで、下半身は分厚いズボンの様な防護ズボン(短パン)とブーツといった、凡そ防具とは言えない装備を着用している。
背中には4つの銃を背負っており、大型アサルトライフルとグレネードランチャーを装備している。
その異様な姿にシドとライトは驚いた表情を見せる。
「ちょっと~、レオナ、その紹介はないんじゃな~い?(野太い声)」
「他にどう説明しろってのよ?私的にはかなりオブラートに包んだつもりだったけど?」
「そんなだから黒鉄って呼ばれるのよアンタは。あ、アタシはハンターを専門としてるの。ドリーって呼んでね?」
ドンガはまさかのオネー様だった。
「あ、はい。よろしくお願いします」
「・・・・・・・・・宜しくお願いします」
こういう事に特に抵抗のないシドは普通に返すが、ライトは初めて見る生物を見るような目で固まってしまい、返事が遅れる。
「可愛いわね~。アタシもあなたの戦績見たけど、たった1年足らずでヤシロから目を付けられるなんてすごいじゃない」
「あ、はい。どうも恐縮?です?」
「そっちの子も可愛いわね~、食べちゃいたいわ。アタシみたいな漢女は初めて?」
ライトはドンガに食べたいと言われ震えあがる。
「・・・は・・はい・・・初めてっす・・・」
あまりの衝撃から立ち直っていないのかセリフを噛むライト。
「まあ、おいおい慣れていって。しばらく一緒に行動するだろうから」
ドンガはサングラスの奥でバチコン!とウィンクをする。
「よし、そろそろ調査に行くぞ。お前等の方は準備いいか?」
ヤシロがそういい、シド達に確認を取って来る。
「はい、問題ないです」
「・・・ボクも大丈夫です」
ライトは調査と聞き調子を取り戻す。
そのライトの様子を見てドンガは
(ふふ。優秀な子たちね)
と好感を持つ。
ヤシロをリーダーとした調査チームは遺跡の調査を開始する為に、遺跡の中に入って行く。
ほとんど安全が確保された通路を移動しながら、ヤシロは今日の予定を確認していく。
「今から3番地点、5番地点を経由し遺跡の不明エリアを調査する予定だ。一度5番地点で20分の休憩を取る。途中にモンスターの巣が発見された場合、攻撃するか一度引いて攻撃チームに要請をかけるかの判断は俺がする。何か質問は?」
今日配属されたばかりのシドとライトに質問が無いかを確認してくる。
「ん~、特にはないですね」
シドは初めての調査依頼の為、特に疑問は浮かばなかったようだ。
「巣の対処ですけど、攻撃チームに要請する凡その基準ってありますか?規模とか種類とか」
ライトはモンスターの巣を発見した場合の対処基準を知りたいようだった。
「そうだな~、数としては100を超えてたら、種類は機械系が多かったり中型が主に含まれてる場合は攻撃チームに要請を掛ける感じだな。だいたい俺が自分で潰すのが面倒くさいと感じたら要請だ」
ヤシロやニっと笑ってライトに答える。
「あ・・・わかりました」
「ヤシロ、いい加減その良く分からない判断基準なんとかしたら?」
レオナがヤシロの判断基準の曖昧さにつっこむ。
「そう言われてもな・・・でも今まで俺の勘でヤベー事になった事ないだろ?」
「そうだけどさ・・・・」
「ハンターには勘も重要よ。シーカーにはわかり辛いかもしれないけどね。その勘が信じられなくなったらハンターは廃業した方がいいわ」
ドンガもヤシロの言葉に同意する。ドンガ自身もなにかしら心当たりの様な物があるみたいだった。
「そうなんですか?」
ライトは興味深そうにドンガに質問する。最初は面食らったが、すこし話しているとだんだん慣れてきたようだ。
「ええ、ハンターは[なんかヤバイ]とか[こっちの方が良さそう]っていう勘が大事になってくるのよ。もちろん理論的な推察や可能性の数値なんかも大事よ?でもね、最後の最後に自分を救うのは自身の勘が大事なの」
ライトはそういうものなのかと考える。シドも直感で行動する所があるので、ドンガの言っている事が分かった気がした。
「ライトちゃんも、シドちゃんの勘に助けられたことはない?」
「そうですね、何度かあるような?シドさんはだいたい力づくで解決しますけど」
ライトはシドの方を見てそういう。
「なんだよ、俺が脳筋みたいにいうな」
「否定できるの?」
シドが不服だと反論してくるが、ライトは即座に返す。
「・・・・」
シドも反論するネタが無かったのか無言を通してきた。
「はっはっは!シドちゃんは根っからのハンター気質の様ね。その勘は大事にしなさい」
「・・・・・わかった」
それから3番地点を通り過ぎ、5番地点に到着する。
ここで小休憩を挟み、本格的な調査を開始することになる。全員が荷物を降ろし、各々休憩を取ることになった。
そうしていると、別の通路からワーカーの一団が5番地点にやって来る。
シドはそちらの方を見ると、自分達とあまり変わらない年齢のワーカー達だった。
(やけに同世代のワーカーを見かけるな。あいつらもどこかのギルドメンバーか?)
あまりジロジロ見ていても揉め事のタネになるとシドは彼らから視線を外し、バックパックから取り出したレージョンを齧る。
今日は海鮮風味のレーションにしたようだ。パッケージに[カニ味]と書かれたレーションはたっぷりの旨味と程よい塩味で非常に美味しい。シドはモグモグと咀嚼しながら頬を緩める。
「すいぶん美味しそうに食べるわね。アタシもお腹すいてきちゃうわ」
ドンガがシドの食べる姿をほほえましそうに見ながら言ってくる。
「俺、スラム出身なんで、防壁内のモノはなんでも美味く感じるんですよ」
「なるほどね~、食事は重要だものね。美味しいと感じられるのは大事なこと・・・」
「なんで貴様がここにいる!!!!」
シドとドンガが話していると、急に大声で喚く声が聞こえた。声のした方をみると、先程5番地点にやってきた同世代のワーカーチームの一人がこちらを指差し、怒りで表情を歪めていた。
(ん?俺の知り合いか??でも見た事ないぞ??)
シドはなんだコイツ等と思いながら相手の行動を注視する。すると、相手が指をさしているのは自分では無く、隣に座っているライトであった。
シドはライトを見ると、非常に嫌そうに顔をしかめて水を口にしていた。
「おい!!!無視するな人モドキが!!答えろ!!!!」
相手はライトが反応を示さない事にさらに激高している様だ。
<おいライト。あいつ等なんなんだ?>
<養成所でボクがぶっ飛ばした奴等>
シドが念話で相手の事をライトに聞くと、端的に説明してくる。
どうやら、養成所でライトが病院送りにした連中らしい。そういえばアイツの後ろにいる少女2人はバーミリオンで一度見た事が有ったなと思い出した。
どうしたものか・・・・ここで喧嘩を始める訳にはいかないしな~とシドが考えていると、ヤシロがシド達の前に立ち、相手に向かって威嚇しながら言う。
「彼らは今、俺のチームに入ってる。テメーがどうこう言う資格なんざねーよ」
「!!!!・・・・ヤシロさん、どういう事ですか?俺達が加入するのは蹴っておいて、なぜあんなゴミをチームに・・・」
彼らは一度ヤシロのチームに配属になる話があったようだが、どうやらヤシロ自身がその話を蹴ったらしい。
「決まってるだろ、テメーラじゃ力量が足りてないからだ」
「俺達で足りてないならソイツを加えるのはおかしい!!ソイツは養成所を卒業できなかった落ちこぼれだ!!!!」
彼は更に激高し、大声でがなり立ててくる。顔が真っ赤になっていて、血管が切れないか心配になってくる。
「ライトに5人纏めて病院送りにされた挙句、塞ぎこんでたのは何処のどいつだよ?それにライトのランクは現在の時点で16。お前達より上だ。彼の戦績ではファーレン遺跡の中層でモンスターの討伐数は150を超えている。テメーらのシーカー志望で同じことが出来るヤツがいたら言ってみろ」
ヤシロは冷静に彼らとライトを比較した情報を提示する。
「・・・・・・!!!!俺達だって装備さえあれば!!!」
「確かに装備は大事だ。でもな、それを使いこなせる能力の方がもっと大事なんだよ。たかが養成所を首席で卒業したからと言ってもな、引率付きで浅層をウロウロしてるヤツをこの遺跡の調査に連れていくわけにはいかん」
ヤシロは相手の言葉にかぶせて言葉を続け、彼らの同行をもう一度拒否した。
「はいはい、ヤシロ、そろそろ時間だよ。調査に行かないと今日中に終わんなくなっちゃうよ?」
レオナが手を叩きながら話を終わらせる。ヤシロは時間を確認し、バックパックを手に取り歩き始める。
もう彼らの事はどうでもいいといった態度に、シドはどこか気まずさを感じながらもヤシロの後を付いていく。
すると、喚き散らしていた少年が銃を手に取りこちらに銃口を向けようとする気配を感じ、シドはS200を引き抜き少年に向ける。
撃てば殺す
シドは視線に殺気を乗せ、彼を睨みつけた。
少年はシドの威圧に押されたのか、銃を降ろし俯く。彼の行動は全員が感知していた様で、それぞれで対処できるように構えていた。
「行こう」
ヤシロが短くそういい、未調査区域に続く通路に入って行く。
「さっきはすまなかった」
しばらく進んでから、ヤシロはシドとライトに頭を下げてくる。
「本当にごめんなさい・・・私たちのギルドの所属なのよ、あの子たち・・・」
レオナも揃って謝罪してくる。
「ああ、いいですよ。もうボクとは関係ないですし・・・」
ライトが恐縮しながらヤシロ達に頭を上げるようにいう。
「それにしても、人モドキ・・・ね。ちゃんと教育した方がいいわよ?BCみたいな連中が増えると天覇も同類扱いされちゃうわ」
「そうなんだよな~、今の教育と事務部門がちょっとでも才能が有りそうなヤツは優遇して、天狗どもを量産してやがる・・・たまに分を弁えてるヤツもいるんだがな・・・」
「それで中途半端に結果を残してるから余計に厄介なのよね・・・」
ヤシロとレオナの言っている事は天覇内での派閥争いの事の様だった。
ヤシロ達古参の現場主義派と教育・事務派がギルドの主導権を握らんとバチバチにやり合っているらしかった。
「・・・ヤシロさん」
「なんだ?シド」
「俺としては別に天覇と事を構えるような事はしたくないですけど・・・さっきのアイツみたいに攻撃してきたら撃ち返しますよ?俺」
ヤシロはシドが言っている意味を正確に受け取った。シドは、攻撃してくれば殺す。そう言っている。
「ああ、出来れば半殺しで勘弁してやってくれ・・・」
ヤシロもシドと彼らの実力の差は十分に理解している。万が一にも彼等がシドとライトのコンビに勝つことは無いだろう事も。
「ドリーさん、さっき言ってたBCってなんですか?」
ライトがドンガに質問する。
「ああ、BCって言うのはね、ブルーキャッスルって言うギルドがあるのよ。スラム出身のワーカーは絶対認めない。スラム街すら撤去してしまうべきだって主張してるのよね。ワーカーオフィスからの命令でもスラム出身のワーカーとは協力しないって宣言してる連中よ。遺跡内でスラム出身のワーカーが襲われたらBCがやったって言われるのが当たり前になるくらいにね」
「やべー連中だな・・・」
「そうだね、でもアイツにはおあつらえ向きのギルドなんじゃない?」
「そういってくれるな。ワーカー界隈でも結構問題になってるんだよ。ギルドに所属してる第三出身のワーカーを撃っただの撃たなかったので頻繁に揉めてる連中だ。こういう合同の仕事には呼ばれねー連中だから気にしない方がいいぞ」
ヤシロはそういい、通路を進んでいく。
遺跡内の未探索エリアには無数のモンスターが生息しているらしく、モンスターを蹴散らしながら進む必要があった。
ヤシロとドンガが先頭を交代しながら進んでいき、レオナがマップ作製や索敵、シドとライトが側面や後方の警戒といった役割分担で調査を進めていく。
元は商業施設であったのだろう、所々に遺物が陳列されている部屋を発見し、レオナがそのポイントを記録していく。
「ねえ、一度シドちゃんとライトちゃんを先頭に立たせてみない?」
そうドンガがヤシロに提案する。
「ん?そうだな・・・モンスターの影が薄い内にシド達の実力を把握しておくのもいいか・・・どうだ?お前等」
ヤシロはシド達に確認を取って来る。
「はい、大丈夫です」
「わかりました」
シドとライトは承諾し、ヤシロとドンガの代わりに前方に出る。
<このくらいのモンスターなら十分対処できるな>
<そうだね、シドさんがメインでボクがフォローって形でいいかな?>
<ああ、その形で進もう>
シド達は通路を進んでいき、分かれ道があった場合はレオナの指示に従って進んでいく。
ライトは一歩引いたところからシドに指示を出し、モンスターの数が多い時は自分もシドに並んで攻撃していた。
<なんか単調だな>
<そうだね、ここを右に行ったらそこそこの巣があるけど・・・あ、道は繋がってないや。レオナさんの指示は左か・・・何を基準に選んでるのかな?>
<今は戦闘では無く調査がメインなのです。二人共気を抜かずに行動してください。ライトは通路の不自然な場所を見落としたりしない様に>
<へーい><はーい>
その様子を観察し後方を警戒しながらついていく3人。
シド達には聞こえない様、情報収集機を通して会話をしていた。
「あいつ等、だいぶ余裕あるな」
「そうだね、ライトの索敵も完璧。あれ、おそらくだけどかなり離れた所から向かって来てるのも把握してるよ」
「なぜそう思うのかしら?」
「指示に迷いが無さすぎ。次はこっち次はあっちって感じで指示を出してるし、数が多い時の対応もなんか、慌てる感じが一切ないしね。乱戦にも慣れてるんじゃない?」
「とんでもない子たちね・・・シドちゃんが使ってる銃って何なのかしら?アタシ見た事ないんだけど・・・」
「あれはKARASAWA A60の後継でS200って銃だよ。ちょっと前に唐澤重工の人間がウチにもPRに来てた」
「へ~、あの傑作の失敗作に後継機があったのね。少しは使いやすくなったのかしら?」
「いいや、逆。威力も射程も連射性も向上して、反動は倍以上に跳ね上がってた。ランク20台のワーカーが使いこなしてるって話を聞いてムキになったヤツが撃ったら、両腕をへし折られてのたうち回ってたぞ」
「・・・・・・・あの子、片手で撃ってない?」
「そうだね~。しかも全発命中。どんな腕力してるんだろ?」
「あまり深く考えるのはよそう。戦闘能力だけなら俺達3人とマジで殺し合いが出来そうだ」
「そうね・・・今は頼もしいチームメイトって事で・・・」
「さんせーい」
レオナの指示で通路を進み、モンスターを蹴散らしていくと、急にライトが歩みを止める。
「どうした?」
「うーん、あそこ・・・たぶん隠し通路じゃないかな?」
ライトはそういい、左側の通路を指差した。
「ライト、隠し通路をみつけたの?」
この中でライト以外のシーカーであるレオナがライトに近づいて来て聞いてくる。
「多分そうです。ここですね」
ライトは扉があると思われる前まで4人を誘導する。
「・・・・・・・・ほんとだ」
レオナは自分の情報収集機の設定を細かく調整したのだろう。ライトが言っている扉を自分も発見した様だった。
「マジかよ・・・」「凄いわね・・・」
ライトのシーカーとしての能力が一部分でもレオナを上回っている事に驚きを隠せないヤシロとドンガ。
「・・・良く見つけたよね・・・・」
レオナも驚きを隠せないようだった。
「シドさんと遺跡探索する時って、だいたいこういう遺跡の粗さがしみたいなことばっかりやってるもので・・・慣れですかね?」
ライトは後頭部を掻きながらそういう。
「そうなんだね、私も精進しないと。ちょっと開けてみようか・・・どうするヤシロ?」
レオナは笑顔をライトに見せ、扉を開けるかどうかをヤシロに確認を取る。
「・・・開けよう」
ヤシロは開ける事を決断し、レオナが扉の解除作業に取り掛かる。
「・・・・・・ロックは解除した。開けるよ」
レオナがそういうと、扉の左側に移動し、ヤシロは右側の壁に背を預け構える。ドンガは扉の正面に仁王立ちし、両手の大型アサルトライフルを構える。
シドとライトはそれぞれレオナとヤシロの後ろに陣取り、扉が開くのを待つ。
ヤシロの合図で扉が開く。
ドンガは警戒を緩めずに扉の中に入って行き、ヤシロとレオナもドンガの後に続いて入って行く。
シドとライトも後ろに続き扉の中に入って行った。
扉の中に広がっていたのは、かなり広い制御室の様な部屋だった。
左側の壁にはビッシリとモニターが設置されており、その前には多くの操作端末が置かれている。
「ここは?」
ヤシロがそう呟きレオナがそれに返答する。
「制御室だろうね。・・・起動させてみれば分かりやすいんだけど、何が起こるかわからないよ」
<イデア、どう思う?>
シドはイデアに意見を求める。
<制御室なのは間違いないかと。ここを起動させればこの遺跡の内部がどのようになっているのかが正確に把握できるはずです>
イデアの意見を聴き、シドはレオナに意見を述べる。
「とりあえず調べてみたらいいんじゃ?完全に起動させるかは調べてから考えればいいと思いますけど」
「・・・・そうね。ライト、手伝ってくれる?」
「はい、わかりました」
レオナはライトと一緒に端末であれこれと調べ始める。2人は端末にコードを差し込み中の情報を閲覧し始める。
「さて、シーカー組がああなってる間、俺達ハンターは暇だよな」
「そうね、外の警戒でもしてましょうか。他にやることもないし」
ヤシロとドンガはそういいながらも気楽に構え、シーカー組が調査を終えるのを待った。
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