タカヤとユキの今後
短いです。
頑張って続き書いていきます
シドはキクチへの報告を終わらせ、ライト達がいるフードコートへやってきた。
すると、助けた二人の女性ワーカーと一緒に談笑していたのだった
「やっと終わったぞ」
シドはライト達に声をかける。
「あ、シドさん。お帰り、何食べる?」
ライトはシドにイスを勧め、メニューを渡す。
シドは受け取ったメニューから数品選び、店員を呼んで注文した。
「で?どんな話だったの?」
「ああ、中層でのモンスター分布の調査報告と、後は攻撃してきたワーカーチームの事だな」
「そのチームってバウンサーっていう名前?」
「おう そうだ。なんでライトが知ってるんだ?」
「さっき近くに座ってたワーカー達が噂してたんだよ」
「なるほどね・・・結構広まるのが早いな・・・」
シドは、自分が思っていたより大事になりそうで顔をしかめる。
「それでシドさん、なんで皆殺しにしたんだ?」
タカヤがそう聞いてくる。
「皆殺しになんかしてねーよ。降伏した奴はちゃんと見逃したからな」
シドはそう反論する。
「2・3人しか帰ってこなかったって聞いたけど?」
今度はライトが突っ込んでくる。
「見逃したのが5人だったからな。帰る途中にモンスターにやられたんだろ?そこまでは知らねーよ」
「へー」
ライトは不審そうな顔でシドを見た。
「もういいだろ?殺そうとしてきた相手を返り討ちにしただけだ。何故かキクチにも小言言われるしさ、散々だったぞ」
シドは嫌そうな顔をして、コップの水を飲み干す。
「んで?お前らの方はどうだったんだ?」
シドはライト達に聞き返す。
「ボク達は普通に遺跡探索して帰って来たよ?」
「お前の普通ってのは、遺物の他にもワーカー2人も追加で担いでくることを言うのか?」
シドはジト目でライトを見る。
「ああ~・・・」
ライトは目をそらし、言いにくそうにする。
「ライトと私がアズミさん達が戦ってるのに気づいて様子を見に行ったんだよ。そしたら、相手が強盗みたいな事を言ってて、アズミさん達が危なそうだったから助けに入ったんだ」
ライトの代わりにユキが状況を説明した。
「ほれ見ろ。お前だって同じような事してるじゃないか」
シドは再度ライトの方を見て言う。
「ボクは9人だけだよ、シドさんみたいに正面から30人以上倒した訳じゃないよ」
ライトはまだ視線をそらしながらそう反論する。
「50歩100歩って言葉しってるか?程度は違ってもやってる事は一緒だろうが」
シドは届けられた料理に手を付けながら不満そうにいう。
「なんで俺だけあんなブチブチ言われなきゃならないんだよ・・・」
この場にキクチが居れば、ライトの不良ワーカー9人殺害とお前のハンターチーム壊滅は話の規模が違い過ぎると突っ込みをいれただろう。
ライト達との会話が一旦途切れたタイミングを見計らい、アズミがシドに声をかける。
「ええっと、シド君。私はアズミって言うの、こっちはミリー。ライト達に助けられてあなたの車で運んでもらったお礼が言いたくて、本当にありがとう」
そういい、アズミとミリーは頭を下げる。
「んん・・・ああ、気にしないでください。俺自身は大したことして無いですから」
シドは口の中身を飲み込み、そうアズミ達に言う。
「でも、かなり高価な回復薬を使ってくれたみたいだけど・・・」
アズミはシドが飲ませてくれた回復薬の事が気になった。
「ああ、あれも気にしなくていいです。使ったのは数粒ですんで」
「それにお礼ならボクが受け取りましたから、後でみんなで分けますよ」
ライトがそういい、この話を終わらせようとする。
「・・・そう、ならお言葉に甘えさせてもらうわ」
アズミもこの話は終わりにした。
「んで、お前が倒した奴らのチームは放っておいて大丈夫なのか?」
「・・・どうだろ、向こう側にボクがやったとは伝わらないと思うけど・・・」
<ライト、相手の情報収集機はどうしましたか?その中にライトの情報が残されていた場合、情報が伝わる可能性が有ります>
<ああ・・・そこまで手が回らなかった・・・一応キクチさんに相手のライセンスは渡したんだけど・・・>
「それは大丈夫だと思うわ。私の方でも彼らの情報は渡してあるから、この都市での活動はやりにくくなるはず。もし、逆恨みして襲ってきたら彼らはワーカーとして終わりよ」
アズミはライトとシドにそう伝える。
「んー・・・アズミさん達は大丈夫なんですか?こっちは一応面が割れてないみたいですけど」
「私たちの情報も伝わってないと思うけどね。不意打ちさえされなければ私達でも撃退出来たと思うし。今後は注意して行動するわ。それに、仲間も増えたしね」
アズミはそういい、タカヤとユキを見る。
「ん?」
シドはその視線に疑問を持った。
「俺達、アズミさん達とチームを組むことになったんだよ」
タカヤがそうシドに報告する。
「そうなのか?」
シドはユキに顔を向け確認する。
「うん、アズミさん達が誘ってくれてね。遺跡の事とかも教えてくれるって」
「ふーん・・・そっか、しっかりやれよ」
シドはタカヤとユキに激励を送り、最後の料理を口に放り込んだ。
<イデア、あのアズミとミリーって二人組。大丈夫だと思うか?>
<ライトを通して会話は聞いていましたが、特に怪しいところはないかと思います>
<ボクも大丈夫だと思うよ。養成所の卒業生みたいだね。ボクも軽く調べたけど、結構優秀な人達みたいだよ>
シドはイデアに確認をとり、ライトも問題なさそうだと感じている様で、シドはこれ以上口を出さないと決めた。
「しかし、俺が報告にいってる間にそんな話になってるとはな~」
「ええ、有望そうな新人が2人も居るんだから、声を掛けないと損だからね」
「大きなギルドとかに取られる前に声が掛けられてラッキーだったよ」
アズミとミリーはそういい、二人に視線を向ける。
「大きなギルドね~、天覇とか?」
シドが唯一知っているワーカーギルドの名前を出す。
「そうね。あそこはこの都市の3大ギルドね。新しく発見された遺跡の探索もあそこが仕切ってるって話よ」
「俺達は天覇なんか行かねーぞ」
「そうだね、あそこだけはあり得ない」
タカヤとユキが嫌そうにいう。
「ん?何かあったのか?」
シドが不思議そうに聞くと。
「ライトがボッコボコにした奴等が天覇から派遣されてきてたんだよ」
タカヤがそういい、ライトが嫌そうに顔をしかめる。
「ああ、模擬戦で病院送りにしたって言う・・・天覇から来てた連中なのか」
シドは防衛拠点で会ったヤシロが言っていたことを思い出す。
「シドさんはなんで天覇の事知ってるの?」
「ほら、治安維持にミナギ方面防衛拠点に行かされた時にさ、天覇のメンバーに会ったんだよ。その人が、今自分達のギルドからも新人が送られてるって言っててな。自信過剰な連中だから揉めてないか心配してた」
シドはランク調整依頼の時にあったヤシロの事を説明する。
「その心配通りになったね」
ユキが可笑しそうに笑いながら言う。
シドの食事も終わり、本日はこれでお開きと、全員でワーカーオフィスを出る。
アズミとミリーは自分達の拠点にもどり、また明日連絡を入れるとタカヤとユキに伝え帰って行った。
シド達は車に乗り込み出発する。
明日からはシド・ライトとタカヤ・ユキは別々で活動することになる。
これから異なる道を行くことにはなるが、友人として協力し合えるところはあるはずだと、話しながらシド達の拠点に帰って行った。
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