ライセンスの更新 ワーカーオフィスの不正とシドのランクが低い理由
翌日、シドは目を覚まし大きく伸びをする。
昨日は大変な一日だった。訓練していたら緊急速報が流れ都市に飛んで帰り、スタンピードからの都市防衛戦に参加した。大型モンスターを討伐し、ヘロヘロになった状態でライトとイデアに言葉のフルボッコを食らわされたのだった。
思い出して頭が重くなる。
考えるのは止めにしてまずは飯だ!今日の朝食は何を食おうかと考えていると。
<本日はまだ従業員が戻ってきておりません。故に朝食は各自で用意することになっています>
とイデアが言ってくる。
「・・・・・・」
(今からまた食料品店まで行くのか?いやそれはどうなのよ・・・)
朝食の準備をしなくてはならない。でも今からスラム街に行ってまた戻ってくる?いや~・・・と考えていると、ライトが起きて来た。
「おはよう、シドさん」
「おう、ライト。おはよ」
軽く挨拶を交わし、身支度を整ええる。といってもいつものワーカー装備なのだが、今日は壁越えワーカーになる日。ビシっと決めていこう!と気合をいれる。
だが空腹の前では如何ともし難い。
「ライト、朝飯どうする?」
「ワーカーオフィスで食べればいいんじゃない?フードコートがあるんだよね?」
<そうですね、併設されていたので、そこで食事を取るのは賛成です>
「あ~、そっか。飯食うところもあったんだったな・・・」
「じゃ、さっそく行こうよ」
二人は宿を出て、ワーカーオフィスに向かう。
この辺りも昨日はだいぶザワ付いていたが、今はもう平穏を取り戻している様だった。
ワーカーオフィスに到着し、総合受付に行くのかと思いきや、シドはフードコートに真っすぐ向かっていく。
「え?先に手続きしないの?」
「おいライト。手続きと飯。どっちが大事だと思ってるんだ?」
そう言われ、ライトは(その時の状況によるんじゃ・・・・)と思わなくもなかったが、空腹には違いなく大人しくシドに従った。
昨日は満足のいく食事を取れなかった為、二人の若い胃袋は大量の食事を取り込んでいく。
二人が満足する間に何度もカウンターとテーブルを往復する店員の姿が見受けられた。
「ふ~~~~。食ったな~」
「うん、満腹だね」
<・・・・少し食休みしたら手続きを行いましょう>
AIのクセに二人の態度に呆れながら気を遣うイデアであった。
食後のお茶を飲み少し腹が落ち着くまでまったりしていた。
すると一人に職員がシドに声をかけてきた。
「食事中に申し訳ないんだが、お前。シドでよかったよな?」
「?ああ、俺がシドだけど」
以前、ここの職員との間に起こったイザコザのせいでシドはワーカーオフィスに対しての不信感を拭えずにいた。故にさっさと手続きだけ終えて、防壁内に繰り出そうと考えていた所に職員に話しかけられ警戒心が沸き上がって来る。
「おお 良かった、久しぶりだな。最近オフィスに来てないみたいだったから気になってたんだ」
「・・・・ああ、最初に遺物を売った時の・・・」
「覚えててくれたか。自己紹介がまだだったな、俺はワーカーオフィス総務部所属のキクチって名だ。覚えておいてくれ」
「キクチだな。改めてシドだ。よろしく頼む」
彼は、シドの出身などを気にせず公正な取引を行ってくれた為、シドの警戒心は落ち着きを取り戻す。
「で?なんのようなんだ?」
「いやな、昨日の件とか色々聞きたいことがあるんだよ。ちょっと別の部屋で話を聞かせて欲しいんだが」
「・・・俺、ライセンス更新したら防壁内に行きたいんだけど・・・」
「残念ながら今この出張所は業務停止中だ。それにお前のランクに関する内容もあるんだよ。何、午前中で終わるだろうからちょっと付き合え。ある程度便宜も図ってやれるからさ」
<シド、彼についていった方がいいと思います>
イデアにそう言われ、ライトの方に目を向けると、ライトも無言で頷いてきた。
「わかった、行こう。昨日の件って都市防衛戦の事だろ?だったらコイツも一緒にいいか?ライトって言うんだけど、一緒に戦ったんだ」
そういい、シドはライトを紹介する。
「そうなのか?戦績はお前の分しかなかっただろ?」
「コイツはまだワーカー登録やってないんだよ。まともに戦えるようにって訓練してる時に昨日の騒ぎだったからな」
「・・・・・そんな状態のヤツを防衛線に連れて行ったのか?お前鬼だな」
「コイツ、結構頼りになるんだぞ」
「・・・まあいい。それじゃ、ついて来てくれ」
そういい、キクチは歩き出し、シド達もそれに続いた。
中央カウンターの後ろにあるエレベーターに乗り、会議室の一つに入って行く。
部屋の真ん中にテーブルが置いてあり、椅子が4つ置いてあった。
キクチが奥の椅子に座り、こちらにも座るように言ってくる。
「適当に掛けてくれ」
シド達はキクチの対面に並んで座った。
「じゃ、いくつか質問するから答えてほしい」
「わかった」
「昨日の都市防衛戦で、お前・・・お前たちが討伐したモンスターの数は683体・・・コレは本当か?」
「俺たちが数えたって訳じゃないから何とも言えない。多分それくらいじゃないか?」
シド達の討伐数はライトの情報取集機が集計し、シドの情報端末を通してワーカーオフィスに報告していた。
シドはライトに目を向け「その辺どうなの?」と目で聞く。
「凡そですが、間違いないと思います。消費した弾薬の量から考えてもそれくらいかと・・・」
「・・・なるほど。じゃ、次の質問だ。キャノンウォーカーを討伐したのもお前か?」
「キャノンウォーカーって、あのデッカイ機械系モンスターか?」
「そうだ、昨日とりあえず名称がつけられてな」
大量に発生するモンスターや強力なモンスターには名称がつけられ、他のモンスターと区別されることが多く、昨日シド達が倒した大型モンスターは、機械系モンスターの中でも大型で構造上倒すのに強力な打撃力が必要になる為、名称がつけられたのだった。
「そうだな、俺たち二人で倒した」
「どうやって倒した?」
「どうやってって・・・・二人で同じ場所に同時にSH弾頭を撃ち込んだんだよ。2回な。それで装甲に出来た穴にPN弾頭を撃ち込んで倒したんだ」
シドはその時の状況を簡単に説明する。
「同じ場所に同時にってお前。動く相手にそんな事できるものか?」
シドは深く考えてはいないが、ライトはあの時の銃撃が普通とはかけ離れている事は何となくわかっていた。その為、キクチが抱く疑問は至極当然と思えた。
「この情報収集機を経由して、射撃箇所とタイミングを合わせたんです。上手くいってくれて本当によかったですよ」
ライトがイデアの事をうまく隠し、嘘にならない言葉を選びながら答えた。
「なるほど。土壇場の連携って訳か」
「まあ、そんな感じだな」
ライトの答えにキクチは一応の納得を見せる。
「ふむ・・・よし、都市防衛戦の内容はわかった。シド、今度からはワーカーコードを登録しておいてくれ。調べるのにかなり手間取ったぞ・・・」
「ん?ワーカーコード?」
「・・・それも知らねーのかよ・・・ワーカー個人を特定できる連絡コードだ。お前、オフィスに登録してなかっただろ。だからこっちから連絡できなくて、お前が来るのを待ってたんだよ」
本来、ワーカーに登録し情報端末を所持している場合は、オフィスにコードを登録し連絡が取れるようにするのが推奨されている。シドは情報端末を手に入れ、オフィスに行った際、遺物の没収を受けた為登録そのものをする理由が無くなったのだった。
「そうか・・・後でやっとくよ」
「そうしてくれ。んで、どっちかって言うとこっちが本題なんだがな・・・お前、ここの買取所で何か問題起きなかったか?」
「・・・・・・」
シドの機嫌が一気に悪くなる。前回ここの買取所で遺物を理不尽に没収されたことを思い出したからだった。あれは職員が言い掛かりをつけてきただけで、シド自身に落ち度があった訳ではない。そう思い反論する。
「俺は何もやってないぞ。オフィスの職員が俺が持ってきた遺物を没収したから揉めただけだ。それに俺は手を出したりしてないし、罰則を受けるようなことは何もしてないぞ」
「はぁぁぁ~~。やっぱりそうなのか・・・」
キクチはシドの言葉を聞いて頭を抱えた。
「なんだよ?」
「いやな、本部で結構な大事になってんだよ・・・」
キクチは本部で何が有ったのかを話し始めた。
事の発端は、一ケ月程前にワーカーオフィスで遺物の横流しが摘発されたことからだった。
購買部の一部が結託して行っていたようで、本来は取るに足らない様な遺物を対象に小遣い稼ぎのつもりで行っていたようだった。
こういう行いは、スラム等の出張所では良く見られる傾向があり、不定期に立ち入り検査等を行っていた。
今回、この出張所での立ち入り検査で横流し品を保管していた倉庫が発見され、中の遺物と関係者の調査が進められる事になった。いつもなら、遺物を通常の処理に回し、関係した者を首にして終わりのはずだったのだが、今回は押収した遺物の中から保管ケースに保存され、完璧な状態の遺物が多数発見されたのだった。
詳しく調べると、全てがメカ系の遺物で、非常に高額で取引される品であり、1つでもオークションに出せば大企業がこぞって参加してくるのは間違いない品ばかりだったのだ。
この様な遺物が発見されれば、不良職員の小遣い稼ぎで済ませる話では無くなる。
そういった事情から、ワーカーオフィス総出での調査が開始されたのだった。
関係者が洗い出され、それぞれの遺物を持ち込んだ者を特定していき、かなり厳しい内容の調査になった。
そして、高額の遺物を持ち込んだ人物が特定され、その入手先は何処からなのかを問い詰めた。
するとその職員はスラム街の子供から没収したと証言し、どういう事かと話を聞くと。
スラムの子供が遺物の換金に来た。子供が集められる量では無いと判断し、組織の後ろ暗い品だと考えた事。それを理由に没収し、良く調べもせず横流し用の倉庫に放り込んでいたことが分かったのだった。
「・・・・スラムの組織が遺物の換金にワーカーオフィスを使う事はありませんよ・・・」
ライトがそう口にする。
遺物を手に入れられる組織は、自分たちで闇店舗を持ちそこで販売するのだ。
オフィスでの買い取り金額より高額で売られているが、意外にも需要がある。
防壁内の中小企業がお忍びで買いに来たり、ワーカーランクを上昇させたいワーカー達が自分で発見したことにしてオフィスに納品する為に買いに来たりするのだった。
「そうなんだよな~。そこんとこが抜けてたんだよ、アイツは・・・」
「そいつってイザワって名前か?」
シドがその時の職員の名前を言う。当時、かなり頭に来ていた為、その男の名前をイデアに調べてもらったのだった。
「そうだ・・・なあ、その時の状況とか詳しく教えてくれないか?」
「それなら会話の内容を録音したデータがあるぞ」
「お!本当か?!そいつはありがたいな。送ってくれ」
シドはキクチの情報端末にイデアが残しておいてくれたデータを送る。キクチはデータを確認する為、再生させた。そこにはイザワとシドのやり取りがハッキリと録音されており、編集の有無等の調査は必要だが、十分な証拠と言えた。
「なるほどな~、こりゃーアイツ物理的に首が飛ぶ可能性が出てきたな」
「殺されるんですか?!」
ライトが驚き声を上げる。スラムの組織ならそうなるであろう事だが、ワーカーオフィスでも処刑される事があるのかと驚いたのだ。
「可能性は高いぞ。シド、お前 これが原因で遺物をガンスの所に持ち込んでたんだろ?」
キクチの口からガンスの名前が出てきて、少し意外に思った。
「まあな、また取り上げられるより商人に売った方が確実に金が入って来ると思ったからな」
「はぁぁぁ~・・・まあ、そう考えるのも仕方ないな。お前はそれでいいかもしれんが、オフィスの方はそうはいかないんだよ」
「でも、なんでキクチがそれを知ってるんだ?」
「ガンスとは知り合いでな。なんでもオフィスと揉めた子供が自分の所に遺物を売りに来てるって教えてくれたんだよ」
「なるほど」
「お前、結構持ち込んだみたいだな。この件が無かったら本来その遺物はワーカーオフィスに持ち込まれるはずだったって事だ。さらに問題なのがだ、ミスカも幾つかはこの都市で売り払った様だが半分以上は別の都市に持っていったみたいだからな。それは、この都市の利益になるはずだった遺物が他所に流れたって事になる。そして結構致命的なのが、あの遺物はお前から買ったものじゃ無く、没収した物だって事だ」
「没収品だと罪が重くなるのか?」
「ああ、ワーカーオフィスってのはワーカー達との信頼関係で成り立ってる。ワーカーが持ち込んだ遺物を買い取り、それを企業に売った利益でオフィスは運営してるんだからな。依頼案件でもそうだ、ワーカーに依頼を仲介し、ワーカーはそれを達成すれば報酬を受け取れる。それはワーカーオフィスなら反故にされないという信頼で成り立ってるんだ」
「「なるほど」」
シドとライトはキクチの話に納得の表情を返す。
「だが今回の事は、真面目にワーカーとして働いた成果をオフィスが不当に巻き上げた事になる。それはワーカーとオフィスの信頼関係を揺るがす大事件だ。もし他のワーカーにこの話が広まったら、ダゴラ都市のワーカーオフィスは窮地に陥るレベルの話だ。せめてもの救いはシドが吹聴しなかったことだな・・・。な?完全な敵対行為だろ?」
キクチから説明され、二人は事の重大性を認識した。
キクチは、今回の事は職員一人の問題としてでは無く、ワーカーオフィスや出張所の有り方を変えざるを得ない案件だと語った。
「めんどくさい事になったよ全く。そのせいでこの出張所も業務停止中だからな。あ~、この件でシド、お前には補填がされると考えていい。」
「補填?」
「没収された遺物の代金と、戦績に対するなぜか異常に低い評価の補填だ」
「あ、それはボクも不思議でした。なんでシドさんの評価が低くなってるんですか?」
「常時討伐依頼の査定方法は詳しくは言えん。簡単に言えば倒したモンスターによって稼げる点数があってな。それを集計してランクに反映されるようになってるんだよ。シドの討伐内容なんだが・・・ランクに関しては全部バーサクハウンドってモンスターと同点で計算されてたんだ」
「それって荒野にでてくるヤツですよね。普通の拳銃でも倒せる奴・・・」
ライトが答えたモンスターは荒野に生息していて、モンスターというより野犬の扱いを受けるモンスターであった。繁殖力が高く、獰猛で人を見れば見境なく襲ってくる危険な生物だが、最低ランクのマシンガンで十分対処できるため、ワーカー達からはモンスターとは認識されずただの害獣扱いだった。
「なんでそんな事になってるんだ?」
「・・・・これもイザワの仕業だよ。お前の評価項目を弄って最低点になる様に設定してたんだ」
「どうしてそんな事をするんです?」
「昔、スラムの子供に寄ってたかって身包み剥がされたらしい。その腹いせみたいなもんだろ」
「・・・・・俺関係ないじゃないか・・・」
凄まじく下らない内容にシドは怒りも湧かなかった。
「まあ、あいつから見たら一緒だったんだろ。他の子供にも同じ様な処理をした形跡もある。ほとんど遺跡から帰って来ないから表に出なかったんだな」
「・・・・・」
ライトはその話を聞き、言いようのない苛立ちを感じ顔を歪めて聞いていた。
「これがまたややこしさに拍車をかけてるんだよ。ランク査定システム全体の見直しになりそうで、システムエンジニアが怒髪天を衝いちまってる。もうえらい騒ぎだよ。そんでだな、一度決まったランクの査定ってのは動かせないんだ。不正が起こる事が前提になって無くてな。それでも、この戦績を叩き出すワーカーをランク11なんて低ランクで置いとける訳がない、そこでお前はランク調整依頼を受けてもらうことになると思う」
「ランク調整依頼?」
「そ、ランクと実力に著しい差が生じてるとワーカーオフィスが判断した場合に出される依頼だ。滅多にいないんだが、オフィスにあまり寄り付かずに活動してるシーカーなんかはこの依頼が発行されるケースがある」
シーカーは遺物やシステムデータの回収で稼いでいる。回収してきたモノをワーカーオフィスでは無く、懇意にしているオフィスと提携していない企業や行商人に売っている場合、ワーカーオフィスからの正しい評価が受けられず、実力は高くともランクが上がらないといったケースが稀に存在していた。
そういった、あまりに実力とランクに乖離が発生した場合はランク調整依頼が発行されて調整される。
この依頼、依頼と名がついているが実質上強制だった。ランクはワーカーオフィスが、企業などにワーカーを紹介する指標になる。その値と実力が大きくズレるのはワーカーオフィスの信用問題になるからだった。
「ん~、それって報酬でるよな?」
「それは当然だな。ちゃんと実績に即した報酬が用意されるぞ」
「なら受けてもいいかな。ライトはどうする?」
「ボク?ボクはいかない方がいいでしょ。シドさんの実力に見合う依頼なんかに付いていったら確実に死んじゃうよ。それにまだワーカー登録してないし」
ライトは依頼には付いていかないと言い、どうしようかと考える。どれくらいの期間拘束されるのか分からないが、あまり長期間ライトを放置するのはどうなんだ?と考えていると
「調整依頼は個人に出されるものだからな。チームで動かれると都合が悪い。ライトの方はまだワーカー登録してないって言ってたな。なら防壁内の養成所に入ったらどうだ?」
「養成所ですか?」
「そう、ワーカー希望の者を鍛える施設だ。卒業すればランク10のワーカーライセンスが発行されるようになってる」
この養成所はランク10以上のワーカーの紹介があれば誰でも入れる物で、ワーカーを目指す者の多くはこの施設を卒業しランク10から始まるのだった。
「いいんじゃないか?俺が紹介者になれば入れるんだろ?」
「そうだな。それで問題ないだろう。手続きは俺がやっておいてやる」
「ええっと、その養成所って卒業までどれくらい時間がかかるものなんですか?」
「まちまちだな。早いヤツなら半年、遅いヤツなら2年ってところか。見込み無しってなったら大体放りだされる」
「半年か~、俺の調整が終わるのが先かライトが卒業するのが先か・・・」
「お前の調整が先だろう。流石に半年も調整依頼で駆けずり回るヤツなんていねーよ」
「そっか、じゃ~ライトが卒業するの待ってるから、しっかり勉強してきてくれ」
「・・・わかった。シドさんに無いワーカーの常識とかしっかり習ってくるよ」
「おい」
「話は決まったな。まずはシドのライセンスの更新を先にやっちまうぞ」
そういってキクチはシドのライセンスを受け取り、手元の端末を操作する。
すると紙のライセンスでは無く、金属のライセンスが発行されシドに手渡された。
「お~、本当に鉄製なんだな」
「お前の戦績からすると、すぐに強化銀になるだろうけどな」
そう言い、キクチは苦笑いをする。
「次はライトの養成所の申請だな。シドのライセンスで申請するぞ?」
「ああ、よろしく」
「よろしくお願いします」
「これで、俺の用事は終わりだ。なんか聞きたいことあるか?」
<イデア、なんか聞く事ある?>
<いえ、特には>
「ないな」
「よし、補填と調整依頼、養成所の内容は後日送る。ちゃんと防壁内の本部に来てワーカーコードの登録しろよ」
「わかった」
「わかりました」
こうして二人はキクチと別れ丁度いい時間帯の為、フードコートで昼食を取り、防壁の門に向かって歩き出しのだった。
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