ひと稼ぎのつもりが? 買ってて良かった ELシューター01
仕事で出張が入りまして、今日のと明日の更新が難しくなりました。
土曜日には更新しますので、よろしくお願いします
その後も駆除作業は続き、順調にモンスターを討伐していく。
今は4回目の群れとの戦闘中であり、今回は最初の時と同じ規模の群れの様でシド達は最初から一番後ろに配属されることになった。
最初と同じように時計回りにモンスターの群れを削り取っていると、別の方向からも小規模ではあるが群れの襲撃が確認される。その群れには大型種も混じっている様だ。
この調子で戦えば2つの群れに挟撃される事になるだろう。
この状況で指揮車が下した判断は、もっとも殲滅力の高いチームでの迎撃だった。
『スラムバレット。近寄ってくる群れの迎撃を行え』
「了解」
シドとライトは最後尾から離れ、加速を行いながら新しく現れた群れへと向かっていく。
<どう戦う?>
<あの規模なら俺が中央を突っ切る。ライトは側面から削ってくれ。俺が後ろに回り込んだら挟んで殲滅だ>
<了解。気を付けてね>
ライトも作戦にOKを出した。シドはバイクをさらに加速させ、モンスターの群れに突っ込んでいく。貫通力の高いガトリングで前方のモンスターを攻撃し道を切り開き、その中に飛び込む。
シドはモンスターの死骸に接触しない程度の高度を保ちながら目の前のモンスターをガトリングで攻撃し、側面のモンスターには両手に持ったS200で撃ち殺していく。
モンスター達も反撃をしてくるが、銃器を取り付けられたモンスターの数は少なく。この程度の弾幕ではシドを止めることは出来ない。
軽々と掻い潜り、さらに前に進んでいく。
すると、シドは自分に向かって飛んで来る榴弾を感知した。
そちらに目を向けると、以前この地域の巡回依頼で討伐したライカンスロープの姿があった。
<混じってる大型種ってアイツか>
<その様ですね。どうしますか?>
シドはイデアと相談しながら、S200で飛んで来る榴弾を迎撃していく。
<進行方向からズレてるし・・・ライト、任せた>
<了解>
ライトが返事を返すと、その数秒後に3発のミサイルがライカンスロープに直撃する。1発は背中にある榴弾砲に。もう2発は時間差を付けて胸部に命中する。
まず榴弾砲による攻撃能力を奪い、1発目に胸部に命中したミサイルで弱点部位まで届く穴を作る。2発目のミサイルがその穴に飛び込み、体内で爆発。弱点部位の動力を破壊するとともに、ライカンスロープの上半身を吹き飛ばした。
<おお~、流石>
<お見事です>
<はは、上手くいったね>
シドはそのまま群れの中を突き進み、群れの背後へと抜ける。
その後は本隊が取っている作戦を参考に時計回りに回りながらライトと共にモンスターの群れを削っていった。
2人が持つ、殲滅力の前にあっという間に群れを削り取られたモンスター達は短時間で全滅。群れの討伐を完了させた。
「こっちの討伐は終了したぞ」
『ご苦労。こちらに合流を・・・』
指揮者に報告し戻ろうとすると、本隊が戦っていたモンスターの中で爆発したような土煙が上がり、その場所にいたモンスター達が空へ吹き飛ばされる。
弾き飛ばされたモンスター達を追いかけるように、土煙の中から巨大な口が現れモンスター達に食らいついた。
この場のワーカー達は全員息をのんでその光景を見る。
未だその全容は分からないが、先ほどのライカンスロープとは比べ物にならないサイズのモンスターが出現した。
『総員撤退!今すぐ群れから離れろ!!!』
指揮車から命令が発せられ、ワーカー達は一斉に撤退行動を開始する。
しかし、混乱しているのか撤退行動が遅れた車が一台あった。
『天覇チーム!!撤退だ!!早くしろ!!!』
再度の命令にやっと反応したのか、天覇チームが乗った車は撤退行動に移る。
しかし、その行動は致命的に遅かった。方向転換を行った時には、いきなり地下から襲われパニック状態となったモンスターの群れに追いつかれそうになっている。
本能的な行動なのか、巨大モンスターから逃げ出そうとするモンスター群に今にも飲み込まれそうだ。
<チッ!なにやってんだよ ッたく!!>
シドは宙に駆け上がり、上から車に取りつきそうなモンスターを銃撃した。
ライトもミサイルで援護し、車の周りを囲みそうになっているモンスターを吹き飛ばす。
間一髪のところで包囲を抜けた車は、全力で加速し本隊を追いかけてくる。
それを見届けたシドは、自分も本隊の方へ逃げようとするが、
<・・・・・あ~~・・・・まずいぞ>
<気づかれたね~、これは>
土煙が晴れ、姿を見せたモンスターは巡回チームの存在をその目でとらえていた。
その姿は大型のワニの様な姿で、体は固そうなダークグリーンの鱗に覆われ3対の目を持っていた。その口は大きく一口で中型のモンスター数十匹に食らいついていた。
体を支えている4本の脚は非常に発達しており、二股に分かれた尾は一振りでビルも倒壊させることが出来る重量があるだろう。
シド達が見た中で、もっとも大きなモンスターかもしれない。
以前防衛拠点を襲って来たタイラントリザードの上を行くのではないだろうか?
今の所、辺りのモンスターを食らう事に夢中なのか、コチラを追いかけてくる様子は無い。今の内に出来るだけ距離を取り逃げ切る事に集中しようとするが。
シドとライトは隊の殿を務めながら、何故かこちらに向かって逃げてくるモンスターを銃撃した。
<なんでコイツ等こっちに向かってくるんだよ!>
<四方に散った方が生存率は上がるのに!!>
モンスターがこっちに逃げて来れば、あの巨大ワニが自分たちを追いかけてくるだろう。
それは何としても避けたい2人は必死に追いかけてくるモンスターを迎撃した。追いかけてくるモンスターの存在に気付いている他のワーカー達も、モンスターを追い散らそうと銃撃に参加してくるが、別の方向に逃げるそぶりを見せない。
<恐らく、生物としての本能と現代人を襲おうとする本能。両方に反応しているのかと>
<どうしたらいいんだよ!>
<我々が四方に散るか群れを全滅させるしかありません>
<全滅させるには時間が足りないよ。四方に逃げるって言ってもそんな提案受け入れられるかな?>
<なら倒すしかありませんね。巨大モンスターが食事に夢中になっている内に出来るだけ距離を取り、ELシューター01を撃ち込むしかありません>
<・・・・・今撃ち込んだらダメかな?>
ライトはまだ巨大ワニが一か所に留まって食事をしている内に撃ち込んでしまいたい欲求にかられる。
<この距離で命中させ、エネルギー界が発生すると軽量の車両はエネルギー界から発する磁気により引きずり込まれる可能性がありますし、あのエネルギー界が人体にどの様な影響を与えるかわかりません。せめて1kmは離れる事を推奨します>
本当に使いどころが限定される兵器だと頭を悩ませる2人。モノは唐澤重工製だと改めて思い知らされる。
そうしている内に、巨大ワニは辺りに居たモンスター達を平らげ、この巡回部隊とそれを追いかけてくるモンスターを次の得物として定めたようだ。
「指揮官!巨大ワニがこっちを向いた!攻撃の許可をくれ!!」
『!!・・・撃退できるか?』
「たぶん。最低でも足を止めるだけのダメージは与えられるはずだ」
『・・・・・わかった。攻撃を許可する』
指揮官から攻撃の許可をもらい。シド達は攻撃の準備に移る。
ライトは複合銃で追いかけてくるモンスターを銃撃しながらELシューター01にエネルギーの充填を開始。自らは後方の扉の方へ移動し、ハッチを開放する。
すると、シドが乗ったバイクが現れ、ライトはバイクに飛び乗った。
2人が乗ったバイクは追ってくるモンスターに射線を遮られない高さまで上昇し、タンデムシートに後ろ向きに座ったライトと、バイクの上にエネルギーシールドで体を固定し立ち上がったシドが銃を構える。
シドはPST-バレルに専用弾を装填し、ライトはハンター5に専用弾を装填する。
シドはこちらを向いた巨大ワニの両肩に狙いを定め、イデアを通して送られたシドが狙っているポイントにライトも銃口を向ける。
シドは2連続で貫通に特化した弾丸を打ち出し、ライトも両手のハンター5から専用弾を撃ち放つ。
PST-バレル専用弾によって開けられた穴に、ライトが放ったハンター5専用弾が飛び込む。
体内深く侵入したハンター5専用弾が爆発し、裂けた肉と鱗の間から青白い炎が噴き出し、巨大ワニは苦痛に身を捩り悲鳴を上げた。
しかし、巨大ワニを討伐するまでには至らず高速で修復が行われていく。その目に怒りの炎を宿した巨大ワニは、まだ治りきらない足を動かしこちらを追いかけようとしている。
だが、その行動も少し遅かったようだ。
<距離は十分です。ライト、トドメを刺しましょう>
イデアからゴーサインが出る。
シドはバイクを走らせ車の前方に移動。ライトは遠隔操作で車を操作し反転させる。
車はバック走行に切り替わり、本隊を追いかけながらELシューター01を巨大ワニへ向ける。
エネルギー充填が終わり、砲身を磁界が包み込んでいく。
ライトはELシューター01の狙いを巨大ワニの顔面に定め、発射指令を出す。
僅かな発射音を残し、高速で飛翔した弾丸は殆どタイムラグも無く巨大ワニに命中し、頑強な鱗を貫通し体内に侵入。
体の中心部で炸裂し、砲弾に込められたエネルギーを解放した。
内部で発生したエネルギーの奔流に耐えられず、巨大ワニの体は千切れ飛ぼうとするが、その後発生したエネルギー界に捉えられ、こちらを追いかけていたモンスター共々中に引きずり込まれていく。
最後は断末魔すら上げられずに、その血肉の一片までもがエネルギー界の中に消えていき。巨大ワニは消滅していった。
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