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異世界にとばされた社畜OLですが、ツンデレエルフと行商ライフを満喫中です!  作者: しらたき 茶々麻呂
VS 領主夫人ハル編

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42/50

42_急募、気まずい空気を消す方法

第42話です。

シンシアさんはお姉さんなので、大きいのです。何がとは言いませんけれど。

エルフがタイトル通り、ちゃんとツンツンしている回です。よろしくお願いいたします

「んん……」

 

なんだかふわふわで、柔らかくて心地いい。爽やかな鳥の声と水のせせらぎの音が耳を擽って、ぼんやりと目を開ける。

 

「あら、おはようルナちゃん」

 

超美人エルフの笑顔が目の前に広がった。私は彼女の肉付きの良いムチムチな太ももを枕にして、寝こけていたらしい。

 

「ほわぁあ!!!!」

 

美人の膝枕(しかも目の前には豊満な胸)で目覚めるなんて!!ご褒美です、ありがとうございます!!


……じゃなくて!

 

「す、す、すみませんシンシアさん!私、えっと、なんで」

 

戸惑って慌てる私の様子を見て楽しそうに笑うシンシアさん。彼女は私の頭を優しく撫でて、現状を教えてくれた。どうやらシンシアさんたちは、最下層の湖の辺に野営地を設置して、休憩させてくれていたようだ。

 

「あなた、ヌシの攻撃に巻き込まれて湖に落ちたのよ」

 

「そうでした……!あの、大きい方のヌシは!?」

 

「エルフのお兄さんが倒したわ。魔法でドカンッ!てね」

 

「ビョルンさんが……え、じゃあビョルンさんは大丈夫なんですかっ!?」

 

うっすらと覚えているのは、稲妻を伴った竜巻を創り出したビョルンさんの後ろ姿だ。

ようやく先程までの激闘を思い出して、起き上がってビョルンさんを探す。しかしすぐ近くには見当たらない。

 

「お兄さんなら向こうで休んでるわ。あなたも無理に起き上がっちゃダメよ?」

 

「私はもう大丈夫です。ビョルンさんのところに行ってきます!」

 

「あぁ、ちょっとルナちゃん!」

 

シンシアさんの静止を振り切って、彼女が指さした場所へと走る。まだ頭がクラクラするけれど、今はビョルンさんのことの方が心配だったから、自分のことなんて後回しだ。


ビョルンさんは苔の生えた岩陰に座り、剣にもたれ掛かるようにして休んでいた。

 

「ビョルンさん!」

 

「起きたか」

 

私を見上げた顔は、やっぱり血色が悪い。あぁ、やっぱり無茶をさせてしまったんだ。

 

「ビョルンさん、すみませんでした」

 

「何に対しての謝罪だ」

 

「だって私……何も役に立てなくて、ビョルンさんにばかり負担をかけてしまって」

 

ビョルンさんは何も言わず、懐から取り出した何かを私の手のひらに乗せた。そのキラキラと内側から神秘的な光を放つ透明な結晶は、まさに私たちが探していたものだ。

 

「『水鏡の結晶』!」

 

ビョルンさんは静かに頷く。

 

「お前の手柄だ」

 

「私の?」

 

「水に飲まれたお前が握りしめていた。お前のユニークスキルが呼び寄せたのかもしれん」

 

「そうでしたか……!よかった!」


ただ水に飲まれて足を引っ張ってたわけじゃなかったんだ!


「よかった、だと?」

  

しかし、せっかく目的が達成されたにも関わらず、ビョルンさんの顔は晴れない。なにか懸念点があるのだろうか。

 

「今回命があったのは、運が良かっただけだ」

 

彼の氷のように冷たい声と表情に背筋が強ばる。

 

「そうですね……でも、レア素材が手に入って良かったです」

 

「お前は死にかけたんだぞ」 

 

私の返答にさらに苛立ったように、ビョルンさんの語気が上がる。

 

「毒の時もそうだった。なにか幸運を引き寄せる時、お前はいつも危険に晒される。そんな非効率的なことをこれからも続けるつもりか」

 

急な内容に理解が追いつかない。

 

「確かに結果的にビョルンさんに助けられてばかりで……ごめんなさい」

 

「謝罪を要求しているわけではない」

 

ならばどうして、彼はこれほどまでに苛立っている?

 

「ユニークスキルについて不明な点が多い以上、解決策はわからないんです。でも、ビョルンさんの言う通り、今の私は計画性に欠ける行動が多いですよね。すみません」

 

視線を足元に落として、またしても謝罪を口にする。ビョルンさんの顔を見られないのは、自分に非があると分かっているからだ。

 

「これは心配をかけてしまったことに対する、謝罪です」  

 

「心配だと?勘違いをするな。我々の取引が完了するまで、お前に死なれては困るだけだ」

 

ピシャリとビョルンさんが言い放つ。

 

分かってる。彼の負債が完遂されるまで、私がいなくなるわけにはいかない。そういう契約なのだから。

あの時、身の危険を鑑みて真っ先に逃げるべきだった。それでも、私は『水鏡の結晶』を諦めきれなかった。きっと彼はその諦めの悪さに苛立っているのだろう。

 

「……」

 

私は叱られた子供のように、何も言い返すことができなかった。 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回も引き続きよろしくお願いいたします

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※次回更新は2月8日18時です

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