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【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【企画進行中】  作者: 呑竜
「第七章:弱者の戦い方」

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「冒険の書八十八:王都到着」

 温泉町リメイユを立ったワシらは、ほどなくして王都ハイドリアに着いた。

 ハイドリアはアレンディア平野の真ん中を流れるサルヴァン川をまたぐようにして作られた大都市だ。

 人口五十万人は王国最大規模。

 物資の集積量や建物の密度もハッキリ言って異常なレベルで、大陸中の富と人とが一か所に集中しているのではないかと妄想してしまうほどだ。


「うひゃああ~!? これがハイドリアか、すげえなあ~! 人! 建物! 人! 建物! 人! 建物が無限に続くじゃないか!」


 完全におのぼりさんと化したチェルチがパタパタ飛びながら大騒ぎする中、ルルカは「ふふふ、わたしは経験あるし。数年前に来たことあるし」と、謎のドヤ顔を浮かべている。

 そんなルルカの様子に気づいたチェルチが「お? ホントかすごいなルルカっ。じゃあじゃあ、王都で一番美味いもの出す店に行こうぜ!」と無茶ぶり。

 浅い経験で自慢したルルカは途端に困り顔になり、「え? あ? そのえっと、ととと当時とは店の位置とか変わってるかもだから~……」などと、苦しい言い訳をしている。


 ワシ自身は人魔決戦以前に一度訪れたことがあるものの……。


「ん~……懐かしいような気がする……程度だな。なにせ五十年前の記憶だから、ほとんど初めてのようなものだな」


 大昔の記憶をたどるのを諦め、リゼリーナに案内を任せようとしたところ――


「「「「「ひ~め~さ~ま~!」」」」」


 ドドドドドドッ……とばかりに地響きを立てながらやって来たのは、城付きのメイドとおぼしき一団だ。

 黒のワンピースに白のエプロンドレスを着た娘たちは、リゼリーナを取り囲むと、口々に叫んだ。


「やあぁぁ~っと捕まえた! さあこちらへ! 国王様がお待ちかねですよ!」


「パラサーティア防衛戦でのご活躍はお聞きしております! 皆さんお喜びですよ!」


「メイド長なんかもう喜びすぎて腰をやってしまって……! 本当にもう、いい歳なのにはしゃぐから……っ!」


「ちょ、ちょっと皆さん!? わたくしまだやるべきことが……! ディアナさんたちの宿泊先を用意したり……! 勇者学院への案内も……!」


 ワシらの世話を焼こうと粘るリゼリーナだったが、メイドたちは容赦ない。

 ジタバタもがくリゼリーナの両脇を、ガシイッとばかりに抱え込むと……。

 

「はいはい、そうゆーのはこちらですべてやっておきますから! 民間の手続きで姫様のお手をわずらわせるなんて、とんでもない!」


「それより早くお城へ! お着替えを済ませて国王様へご報告してください!」


「もう絶っっっっっ対! 逃がしませんからねっっっっ!」


「ディアナさん! あとで! またあとでお会いしましょうー!」


 抵抗むなしく、ずるずると引きずられていくリゼリーナ。

 ララナとニャーナのふたりも、メイドたちの勢いには成すすべなく……。


「め、メイドたちには、勝てない。許せ、ディアナ」


「姫様、メイドたちに内緒で勇者学院に入って、以降は寮暮らしで連絡全部ブッチして逃げてたから、みんな相当殺気だってるにゃ」


「ちょ、ちょっとなだめてから戻るから、そこの喫茶店で、待て」


「当面の宿の確保と、勇者学院への案内は任せろにゃ」


 ふたりは口々に謝ると、リゼリーナの後を追って行く。


「……ま、これが今生こんじょうの別れというわけでもあるまい」


 日を改めて、パラサーティア防衛戦の勝利を祝う式典があるとも聞いているしな。

 パラグイン辺境伯へんきょうはくと共にワシらも参加することになるらしいし、となれば当然、リゼリーナと話す機会もあるだろう。


「周りの連中も、ずいぶんと気安い様子だしな」


 一国の王女と、そのメイドだ。

 よほどの信頼関係がなければ、あれ(・ ・)はできまい。


 ホッとしたワシは、皆と一緒に指定された喫茶店へ。

 王都の娘たちに人気の店でルルカとチェルチがパフェ(?)とかいう氷菓子を頬張ほおばるのを眺めながら、ララナとニャーナの到着を待つことにした。

 

「……む?」


 六人がけの座席にワシ・ルルカ・チェルチ・ベルトラ。

 そこへララナとニャーナが加わり、ちょうど定員。

 補助席の類は必要ない。


「……そうか、もうここにリゼリーナが加わることはないのだな」


 ふと湧き上がった喪失感にズキリと胸が痛むが、こればかりはしかたない。


「とりあえず酒……いや、紅茶でもくれ」


 ワシの言葉に、ルルカとチェルチは「お酒じゃないの!?」とか「頭がおかしくなったのか!?」などと失礼な驚き方をするが……。


「……ふん、ワシにだって飲みたくない気分の時はある」


 ワシはひとりふて腐れながら、紅茶の到着を待っていた。


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