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【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【企画進行中】  作者: 呑竜
「第四章:新たな災難」

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「冒険の書四十二:ターンアンデッド×∞」

「ルルカ、皆も聞け! ワシの言う通りに動いてくれ!」


 ちょうどよくそばへと飛んできたチェルチにレナを任せつつ、ワシは皆に指示を出した。


「まずはルルカ! 思いっっっ切り『死者聖滅(ターン・アンデッド)』をかませ!」


「わかった!」


 ワシの指示に、元気よく返事をするルルカ。

 一方ルルカの実力を知らないリッチは、ルルカを小馬鹿にしたように笑った。


「ふぉふぉふぉ、たかだか女僧侶がひとり来たところで何かが変わると思ったか? 我は死者の王リッチであるぞ? 死者聖滅(ターン・アンデッド)の一発や二発……」


「行っくぞおぉー! 『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「うっぎゃあああああぁ~!!!?」

 

 青白い魔法陣が大地に出現したかと思うと、ゾンビの群れが一瞬で土に還った。

 魔法陣の中心にいたリッチは苦し気にのたうち回ると……。


「なんだこれ!? なんだこれ!? なんだこの濃密な聖気は!? この我が一瞬天に召されそうになるほどだと!?」


「リッチが天にいけるわけないだろ。おまえは土に還り、輪廻の輪から外れるのだ」


「そういう問題ではない! なんか勢いそれぐらいの気分になったということだ! 学のないおまえにはわからんだろうがなあ、これは文学的表現というやつで……!」


「ルルカ、もう一発」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「あんぎゃあああああぁ~!!!?」


 再び神聖術の直撃を受けたリッチは、再び地面を転げ回った。


「おまえおかしいだろ! 人が喋ってる時に攻撃するとかどんだけひねくれた根性しておるのだ! 普通こういった場合は相手が喋り切るまで待ってやるのがお約束で……!」


「ルルカ」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「ルル」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「おまっ、ちょ、おまっ」


「ル」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「マジでやめ、許し」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


「ほ、ホントに土に還っちゃ」


「『死者聖滅(ターン・アンデッド)』!!」


 何発も神聖術を叩き込んだが、リッチは未だ生きている。

 いや、アンデッドだからそもそも生きてはいないのだが、形を保っている。


「さすがはリッチというべきか。これだけの数の『死者聖滅(ターン・アンデッド)』を、しかも特大の聖気を誇るルルカのを浴びてもなお形を保っているとはな……」


「ヒュ~……ッ、ヒュ~……ッ、も、やめ……、体、薄れてきてて……」


「これはもう、直接コアを叩くしかないか。おいルルカ。ワシに聖属性の術をありったけかけてくれ」


「うんわかった! 『理力の鎧リーンフォース・アーマー』! 『聖なる一撃(ホーリー・スマッシュ)』! 『抗魔の外套クローク・オブ・アンチマジック』! 『理力の鎧リーンフォース・アーマー』! 『聖なる一撃(ホーリー・スマッシュ)』! 『抗魔の外套クローク・オブ・アンチマジック』! 『理力の鎧リーンフォース・アーマー』! 『聖なる一撃(ホーリー・スマッシュ)』! 『抗魔の外套クローク・オブ・アンチマジック』!」


「え、なに? なにするの? なにそのクソ強聖気? なにその狂ったような重ね掛け?」

 

 夜闇の中に、青白い星が落ちてきた。

 それぐらいの勢いの圧倒的な光を全身に浴びたワシを見て、明らかに怯えるリッチ。


「に、逃げなくては殺される……っ?」


 ここまでのダメージがひどかったせいだろう、もうまともに歩けないリッチ。

 地面を這いつくばって逃げようとするが、ここで逃がすわけにはいかない。


「皆、足止めだ! ありったけの魔法や遠隔攻撃をあいつに叩き込んでくれ!」


 ワシの指示を受けた皆が、一斉に攻撃を叩き込んだ。


 チェルチは『魔弾よ敵を撃て(マジックボルト)』を、ララナは『爆裂火球(ファイアー・ボール)』を、ニャーナは炎をやじりに灯した矢の『乱れ撃ち』を。

 リリーナだけは遠隔攻撃がなかったが、この先に待つ光景を予想してだろう、厳かな表情で神に祈りを捧げている。


「バカバカ、おまえら、やめろ」


 普段のリッチなら、鼻で笑っていたかもしれない攻撃。

 だが、さんざんルルカに聖気で殴られた後だ。

 いかにも辛そうに、頭を抱えてうずくまっている。


「おまえが襲った皆は、そうは言わなかったか?」


 ワシはストンと、リッチの前に降り立った。


「やめてくれ、助けてくれと言わなかったか?」


「そ、そ、それは……」


「都合のいい時だけ、弱者ぶるな」


 冷たく告げると、深く息を吸い込んだ。

 身体の中心である臍下丹田せいかたんでんに蓄えた。


「喰らえ──螺子拳ねじけん


「ひぇえぇぇぇ〜っ!?」


「な〜んて、な」


 ワシが拳を途中で止めると、リッチは意外そうに顔を上げた。


「え、え、え? 我を……殺さないのか?」


「なんだ、殺されたかったのか?」


 ワシが再び拳を構えると、リッチは猛烈な勢いで首を横に振った。


「ぶるぶるぶるぶるっ、そそそそんなことはないが!? 全然ないがっ!?」


「ワシも鬼ではない。おまえの態度次第では考えてやろうということだ」


 考えた上で、優しく殺すか厳しく殺すかの違いがあるだけだがな。 


「た、態度というのは……?」


 恐る恐るといった感じでたずねてくるリッチに、ワシはニッコリ笑顔で言った。


「まずは集会所の火を今すぐ消すこと。偉大なる魔術師だったおまえなら簡単だろう? その上でお前の所属、任務を背後関係まで含めて洗いざらいぶちまけること。以上、わかったな? わかったなら今すぐやれ」

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