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【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【企画進行中】  作者: 呑竜
「第七章:弱者の戦い方」

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「冒険の書百六十三:おかしな奴ら①」

「そういえばワシ、『敵』を追っているのだった……」


 送別会が終わりを迎え、ワシらとの別れを惜しんで集まってくれた皆が三々五々と去って行く中だった。

 唐突に自らの転生理由を思い出したワシは、忘れんうちにとリゼリーナに頼み込んだ。


「のう、リゼリーナ。ひとり探して欲しい人物がいるのだが」


「ディアナさんが探して欲しい人物……ですか? わたくしの伝手つてや冒険者ギルドにお願いすればある程度の人物なら見つけられると思いますけど……その方の特徴は?」


 ルルカの追及(抜け駆けがどうこう騒いでいた)から頭を抱えて逃げ回っていたリゼリーナは、これ幸いとばかりにワシの話に乗ってきた。

 

「特徴……特徴か」


 紫色の肌の巨人で、頭に二本の角が生えていて……は前世での特徴か。

 今はいったいどんな姿形をしているのか、皆目見当もつかんが……。


「種族も性別もわからん。年齢は五十歳以下」


「な……なかなかアバウトな特徴ですわね」


 思ってもみなかったワシの言葉に、リゼリーナは肩をこけさせた。


「あと、極めて優秀な大剣使いで、尊大な口調をしている」


「口調はともかく、『極めて優秀』がつく大剣使いならある程度は絞れますかね……。ディアナさんがそこまで褒める方なんてそうそういないでしょうし……。……ちなみにその方と、ディアナさんとのご関係は?」


 チラリと探るような目つきをするリゼリーナ。

 何だ、何か警戒するようなことでもあるのか?


「ご関係……か。率直に言うとて……」


「ねえねえ、それってディアナちゃんが探してるっていう『敵』の話?」


 ルルカがひょいと、ワシとリゼリーナの間に顔を突っ込んできた。

 

「ディアナちゃんとしてはあまり覚えていないんだけど、たぶん同世代の子どもって話だったよね?」


「うむ、たしかに当時はそう思っていたのだがな……」


 考えてみれば、ワシとグリムザールが同じ時期に転生しているという保証はない。

 むしろ術の使い手である奴の方が先に、ワシより便利な肉体に転生しているほうが自然だろう。


「頭の中に残る姿がぼんやりしすぎていてな、遥かに年上の可能性もあると考えたのだ。といってもさすがに五十を超えることはないだろうから、上限は五十歳」


「ふう~ん、なるほどねえ~?」


 感心してうなずくルルカはさて置き、リゼリーナが思案気な顔で指を立てた。

 指の数は四本。


「種族性別問わず、年齢上限五十という条件なら、今のところわたくしが思いつくのは四人です。ひとり目は『カサンドラ帝国』の誇る『皇室四騎士インペリアル・フォー』のひとり、『魂喰らいのヴァサーゴ』。魔剣『魂喰らい(ソウルイーター)』を操り、倒した敵の魂までも喰らい尽くすところからつけられたふたつ名ですわ」


「ほう……そいつはよいな。聞いただけで戦ってみたくなるような、よき名をしておる」


 大陸西方に版図を広げるカサンドラ帝国は魔族領とも距離が近く、兵士は精強。

 今でも変わっていなければ、『皇室四騎士』は皇帝を守護する最精鋭のはずだ。


「ふたり目は獣人の国『カルノス連邦』の『赤毛のツァーボ』。いかにも『獅子人レオニン』らしいと申しましょうか、凄まじい膂力で二本の大剣を操る最強戦士との噂です」


「ほうほう、そいつもよいな。二本の大剣を同時に操るなど、聞いただけでワクワクするわい」


 二本の大剣ということならグリムザールではないだろうが、純粋に戦ってみたい相手だ。


「三人目はディアナさんも刃を交えたことのある方ですわ。『闇の剣士ギイ』。名前を聞くようになったのはごく最近の話ですが、大陸中の至るところに現れては、名のある騎士や魔術師を討ち取っているのだとか」


「ああ、あれはないない」


 ワシは鼻で笑った。


 さすがにグリムザールがダークエルフの小娘になるのはあり得んわ。

 最強の武人を目指すあやつがひらひらのスカートを履いているところなど、想像しただけで笑ってしまうわい。

 

「最後の四人目は、我が国の人間です。『光の騎士ルシアン』。人族の十八歳で、Sクラスの生徒で……」


「――今回のエルフヘイム行きにも、動向させてもらうことになった男だ」


 ふふんと鼻にかかったような、どこか自慢げな声と共に、目の前に光の花が舞った。

 いや、舞ったように見えたがそれは目の錯覚だった。


 実際に光を放っていたのはまばゆいほどの豪奢な金髪だ。

 金髪の持ち主はすらりと背の高い、ひとりの男。

 白銀の金属鎧を身に着けているところからするに前線に立って体を張る前衛職なのだろうが、顔立ちは舞台劇の女優か何かのように整っている。


「僕の名はルシアン。ルシアン・ド・ラムゼイ。今回のエルフヘイム行きに同行させてもらうこととなった。会っていきなりで驚かれるかもしれないが、申し訳ない。衝動が抑えられなくてね……」

  

 ルシアンと名乗る男はその場にひざまずくと、ワシの手を取り――キラリと歯を光らせた。


「美しい人よ。どうか君に、僕の剣を捧げさせてもらえないだろうか」


「剣を捧げる……とは?」


 言葉の意味がわからぬワシが首を傾げていると、周りが騒ぎ出した。

 ルルカが戦杖メイスを取り出し、リゼリーナが顔を真っ青にし、チェルチが顔を真っ赤にし、ベルトラが部下のアンデッドを呼び出すしぐさをした。


「君のような美しい人が、この言葉を聞いたことがないだって? 世の男どもはよほど見る目がないと見える」


 ワシが言葉の意味を知らぬのをおおげさに驚いてみせると、ルシアンは続けた。

 

「剣を捧げるとは、例えば君主に対して使うなら忠誠を捧げるという意味だ。だがひとりの女性に対して使うなら、それはすなわち――愛の告白という意味なのだよ」


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