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【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【企画進行中】  作者: 呑竜
「第七章:弱者の戦い方」

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「冒険の書百五十:死闘」

「そうら、喰らえ喰らえい!」


 まず先手をとったのはワシだ。

 まっすぐにギイの顔面を突き――かわされたら薙ぎに切り替え、側叉そくさを横っつらへ――それも躱されるとたいを回し、後ろ回し蹴りを胴へと放った。


 三叉矛のリーチや特性、蹴りまで含めた複合的な攻撃で、ギイを追い詰めていく。


「はっはっは! チビエルフがくるくるとよく回る! コマネズミと見間違えたわ!」


 が、ギイもさる者。

 連続攻撃を余裕でしのいだ上で、強烈な反撃を見舞ってくる。


「そら! どこまで受けられる!?」


 ワシの頭を狙って振り下ろし――横へ避ければ横っ腹を薙いでくる――後ろへ下がれば突き込んでくる。

 これまた、息もつかせぬ連続攻撃だ。 


「非力なダークエルフのくせに、身の丈に合わぬ大剣を木の葉のように操るだと……? こやつも『魔気変換まぎへんかん』を使っているのか?」


「がんばれー! ディアナちゃーーーーん!」


 チェルチに抱かれ空を飛んでいるルルカが、全力で声援をおくってくる。


「神聖術が上か、魔気変換が上か……」


 ルルカの神聖術により上昇しているのは『攻撃力』と『防御力』のみ。

 相手に当たえるダメージが大きくなる、自分に当たったダメージが少なくなるというだけなので、そもそも論、当たらないことには意味がない。


 一方の魔気変換は自身の能力全体的を底上げしてくれるので、速さや器用さといった部分まで含めてすべてが強くなる。

 つまり当てやすく避けやすくなるわけで、それだけ考えれば魔気変換の方が上という見方も出来るのだが……。


「物はやりよう。──それに、最も女神に愛された娘の加護を受けているのだ。まさか負けるわけにもいくまいよ」


 ワシは気合いを入れると、ぐっと力を込めて攻撃を仕掛けた。

 

「そら……そらそらそら!」


 袈裟斬けさぎり、横薙よこなぎ、脳天唐竹割のうてんからたけわり。

 相手が防ごうが、構わずガンガンと三叉矛を叩きつけていく。

 まるで剣を覚えたての小僧が、無闇やたらに剣を振り回すかのように。


「なんだ急に、ずいぶんと力任せな攻めだなあ~!?」

 

 実際単純な攻めなので、ギイは余裕で受けきった。

 受けて受けて受けて受けて……それを延々と繰り返していると……。


「むうっ……手が痺れるだと……っ?」


 そう――それこそがワシの狙いだ。

 

「はっはっは、ようやくわかったか! 『受けられた』のではなく『受けさせた』のだよ! なにせこちらには腕っこきの僧侶がついているのでなあー! 一撃の威力が違うのだよ威力が!」


 上昇した攻撃力でもって猛攻を加える。

『避ける』のはでなく『受けさせる』ことで受けた手を殺す。

 単純だが、効果的な攻めだ。


「おのれ、小賢しい真似を……!」


 ギイは悔し気に叫ぶが、肉と骨に響いたダメージが抜けるには時間がかかる。

 そしてワシは、回復させてやるつもりは毛頭ない。

 

「長引けば不利なのはおそらくこっちだ……ならば腕のダメージが回復する前に攻め切るのみ……!」


 ワシはここぞとばかりに攻め立てた。

 斬って斬って斬って斬って、さらに腕へのダメージを蓄積させて、時おり意表をついた突きを交える。


 ギイの大剣(さば)きは目に見えて遅くなり、ワシの攻撃が体を掠めることも多くなった。

 腹を掠め肩を掠め頬を掠め、とどめとばかりに放った突きが、耳を掠めた。

 ギイの頭を覆っていたヘッドギアがほつれ、笹穂のような長耳があらわわになった。 


「――今だ! 受け止めろディアナ!」


「なんだ? どうした急に――?」


 突然、ウルガがコーラスを投げつけてきた。

 両足を失ったコーラスは、ぺたりとワシの背中に張り付いたのだが……。


「なんだなんだ、いったいどういうつもりだ?」 


「ディアナ……ボクを信じて、頭を下げて」


 コーラスはわけのわからぬことを口走ると、手を伸ばしてワシの耳をふさいできた。

 しかも頭を下げろという、ギイのような手練てだれを前にしてそんな危険な真似ができるわけがないだろうが……いや。


 ワシは素直に従うことにした。

 なにせ『狂気の錬金術師』が考え、『対魔王用の人造人間』が実行するのだ。

 きっと何か、とんでもない作戦なのだろう。


「わかった……そらよ!」


 ワシが頭を下げた瞬間、コーラスは深く息を吸い込んだ。

 吸い込み、吐き出した。


 と、同時に――


「アアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッァァァァァァァァッァアァァー!!」


 それは凄まじい絶叫だった。

 耳を塞がれていてもなお鼓膜に突き刺さる、音波兵器のようなものだった。 


 しかもコーラスは、ギイに向かって叫んでいた。

 ヘッドギアから露出した長耳に、至近距離からまっすぐ――


「うぎゃああああーっ!?」


 ギイは地面を転げ回って苦しんでいる。

 ワシを前にしてまさか大剣を捨てるわけにはいかなかったのだろう、耳を塞がなかったせいでとんでもないダメージを受けているようだ。


「今だディアナ!」


「言われるまでもないわい!」


 ウルガに叫び返すと、ワシは大きく踏み込んだ。

 渾身こんしんの回転突きを、のたうち回るギイの後頭部めがけて放った――


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