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【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【企画進行中】  作者: 呑竜
「第七章:弱者の戦い方」

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「冒険の書百八:マルダーの誤算」

 ~~~マルダー視点~~~




 Aクラスの教室に戻るなり、マルダーは手近な椅子を蹴飛ばした。 

 怒りに任せて机を倒し、黒板に拳で穴を開けと、荒れに荒れた。


「なんだあの女! Fクラスの教師如きがこのわたしに楯突たてつくとは!」


 いつもおどおどして覇気がなく、授業も適当。

 底辺クラスの底辺教師如きと見下していたのが、まさかここにきて自分に歯向かうとは。

 しかもあんな公衆の面前で……っ。


「このわたしを誰だと思ってる! Aクラスを首席で卒業し、冒険者としてもエリートクラス上位にまで達し! 知らなかったとはいえ王女殿下を教え導いていた男だぞ!」


 リリーナがリゼリーナ王女殿下で、ララナ・ニャーナのふたりがその近衛騎士だったのは誤算だった。

 知っていたらもっと媚びを売っているか、あるいは男としての自分の魅力で虜に出来ていたものを。

 そうすれば婿として王家に入り、やがては王となることすら出来たかもしれないのに。


 自らの素質と容姿を過大評価するところのあるマルダーは、本気でそう思っていた。


「ま、それに関しては今からでも遅くはないか。貴賓席にいたリゼリーナ王女殿下、どう見てもわたしに向けて手を振っていたしな。しかもあの、恋に焦がれる乙女のような表情っ……くく、くくくくく……っ」


 観客席に特別に設けられた貴賓席には、王家よりリゼリーナ王女殿下が招かれている。

 つい先月まで勇者学院に在籍していた当人が、観戦を熱烈に希望したという話も伝わっている。


 しかもつい先ほど、教室棟に向かっているマルダーに向けて手を振ってきたのだ。

 顔を赤らめた様はどう見ても恋する乙女のものだったし、とすると、その対象は自分に間違いない。

 というのがマルダーのたどり着いた結論だ。


 実際にはその角度は微妙にズレており、見る者が見ればディアナに向けられていたとわかるのだが、ディアナとリゼリーナの関係性を知らないマルダーには気づきようがない。


「くくくくくく……くはーはっはっはっは!」


「せ、先生……?」


「やべ、またすげえの始まっちまった……」


 普段のマルダーの行いを知っている生徒ですらドン引きしているのだが、マルダーはまったく気にしない。

 それどころか勝手に人生の絶頂を迎え、興奮で頬を染めながら指示を出した。


「いいかおまえたち! Fクラスのゴミどもをコテンパンにのしてしまえ! 他のクラスもまとめてなぎ倒し、Aクラスの最上位を不動のものとするんだ! それをもって、わたしと王女殿下のバージンロードとするんだ、わかったな!?」


 ちょっと前まで教え子だった生徒に手を出そうとする、しかも相手は王女殿下という逆玉の輿(ぎゃくたま)

 どこまでも最低なマルダーの発言に多くの生徒はドン引きしていたが、中にはまったく気にしない生徒もいた。


「ふん、まあ大船に乗ったつもりでいろよ先生。この俺、『炎の剣士マカイン』がいる限り、Aクラスは負けねえさ」

 

 燃えるような赤毛の男子マカインが自信満々に胸を叩くと──


「あら、わたくしがいるのも忘れないでくださる? リゼリーナの終生のライバルであるこのヘルミナ・フォン・リーリバウムをね」


 次に金髪の縦巻きロールのお嬢様ヘルミナが扇子で自らを仰ぎながら、やはり自信に満ちた言葉を吐き──


「ち、力比べならおでが一番! ゴライアを忘れてもらっちゃ困るべや!」


 さらに坊主頭の男子ゴライアが、彫像のように鍛え上げられた筋肉を見せつけ──


「おお、マカインにヘルミナにゴライア! あなたたち三人なら間違いないですね! 我が教え子として、憎きFクラスのゴミどもを蹂躙してやりなさい!」


 マルダー・マカイン・ヘルミナ・ゴライア。

 暑苦しい絵面えづらの四人が、自信に満ちた笑い声を上げた。

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本当に勇者を育てる学院の姿か……?これが……?
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