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異世界八険伝  作者: AW
第3章 激動のロンダルシア
61/92

60.魔軍要塞カイゼルブルク

エリ村を襲撃した魔王軍の拠点を今度はリンネたちが強襲する。

しかし、そこに居たのは魔人序列第3位の深淵の魔術師カイゼルだった――。

(もう少し進むと街道脇に大きな岩が見えてきます。そこから道を外れて南に8kmです。標高が低いのでかなり近づかないと見えてこないと思います)


(ありがと! あ、ミルフェちゃんから連絡きた?)


(いいえ、まだですね。届き次第すぐに《念話テレパシー》します。あと、飛行タイプの魔物には気をつけてくださいね)


(はーい!)



 潜入隊は厳選した。魔族の軍事拠点に乗り込むのは、ボクとメルちゃんの2人だけ。

 最初はボク1人で行こうとしたんだけど、猛反対されてしまった――。




 ★☆★




 昨晩の作戦会議中のこと。


「リンネちゃん1人だと後先考えずに無茶をしますし、私の《気配察知》があれば上手く潜入できるかもしれません!」


 メルちゃんはいつの間にか3つ目の魔法《気配察知ウォーニング》を習得していたそうだ。

 意識を集中すれば、魔力×mの範囲内なら正確に気配を感じ取れるらしい。半径82mもの気配探知、心強いなんてレベルじゃないよね!


「私は軽いからリンネちゃんと一緒に飛べるよ! そしたら、空から簡単に入れるよ!」


「あたしだって、リンネちゃんとぴったりくっ付けば、2人セットで《隠術ハイド》が使えるかもしれないんだから!」


「わたしも、《情報収集ギャザリング》や《念話テレパシー》で役に立ってみせます!」


「クピプピィ!」


「皆ありがと! ん~、メルちゃんと2人で行くね」


「「「えぇ!」」」


「レンちゃんやアユナちゃんはまだ心身ともに万全じゃないから無理しちゃダメ。アイちゃんには遠隔サポートをお願いしたいし。もちろん、レンちゃんとアユナちゃんにもお願いしたいことがあるから。クピィは……留守番」




 ★☆★




 こうして、ボクとメルちゃんの2人だけで朝9時過ぎに町を出た。


 ボクたちは、装備の上から地味な草色のコートを羽織り、フードを目深まぶかに下ろして馬の背に跨がっている。メルちゃんが前でボクは後ろだ。


 王都へ続く街道のため、護衛を伴った馬車の往来もある。彼等からすれ違い様にいぶかしげな視線を向けられることはあっても、魔物との遭遇はなかった。


 しばらく進むとアイちゃんが言っていた岩らしき物が見えてきた。


「あれが例の岩ですね? ここからはより慎重に進みましょう」


 ボクとメルちゃんは道中、綿密に作戦を練っていた。

 南に進んでからは魔物の斥候との遭遇は確実だ。たった2人なので魔物の大軍が動くことはないだろうけど、警戒されたらこの作戦は頓挫とんざする。一時たりとも油断はできない。


 斥候が1匹なら確実に行動不能にし、複数なら無理はせず時間を掛けてでも避けて行動する。

 斥候は強いほど有り難い。強い魔物は油断して接近してくるからね。対して、弱い魔物ほど臆病で逃げる判断が早い。結果的に斥候の役割を果たされてしまう――。


 ボクたちの最大目標は、軍事拠点へ潜入することなんだ。途中のミスは命取り。ボクはメルちゃんと慎重に馬を進めていった。



 ボクたちが大岩から南下すると、しばらくして空を飛ぶ黒い影が見えてきた。


「ダークバットですね、1匹です」


「逃げられると厄介だね。あっちに大きな木があるから隠れようか。せめて200m以内なら《雷魔法/下級(サンダーボルト)》で何とかなるけど」


「わかりました。進路を少し変えましょう」



 ボクたちが木陰に身を潜めてから数分後、ダークバットは木の枝に宙吊り状態で留まった。こちらに気づいている可能性はある。

 杖をかざして慎重に的を絞り、撃つ。


雷魔法/下級(サンダーボルト)


「ギャンッ!」


 地面に落下したまま、泡を吹いて動かないダークバットに木の葉を被せる。


「よし、行こう」


「お見事です。あと6km、急ぎましょう」



 道中、ダークバットだけでなく、ダークイーグルを始め、ハーピィやドラゴンフライ等の飛行系の魔物ばかりと遭遇した。

 単体だったから対応はしやすかったけど、斥候が戻らないからと、警戒されていないかが心配――。




 既に昼下がり。足元は岩石砂漠から草原に変わり、ボクたちはさらに道なき道を進む。


 そして樹木がまばらに茂る窪地くぼちに差し掛かったとき、メルちゃんが夕焼けに染まる茂みの中に、土塀で囲まれたどす黒い要塞風の建造物を見つけた。


「リンネちゃん、あれですね……」


 ボクたちは木陰で足を止め、様子を窺う。500mほど先には、幅約300m、高さ約10mの要塞が築かれていた。


(アイちゃん、見つけたよ!)


(王女からの連絡はまだです。ギルドマスターやレンさん、アユナさんからもまだです。リンネさんはしばらく待機してくださいね、私から合図をしますから)


「メルちゃん、もう少し待機だって」


「わかりました。今のうちに休んでおきましょう」




 待機すること、およそ3時間――。

 アイちゃんから《念話テレパシー》が届いた。


(ギルドマスターから連絡が入りました。リンネさん、メルさん……無理せず、十分に気をつけて! ご武運を!!)


(ボクたちを信じて待っててね!)


「よし! メルちゃん、行こう!」


「はい! ここからは私が気配を探りながら先行します」


[メルがパーティに加わった]

[アイがパーティに加わった]


 遠隔パーティもあるんだね。

 さぁ、ここからが正念場だ!




 ★☆★




 見える範囲には見張りは居ない。

 ボクたちは薄暗がりの中を土塀まで進むと、馬を逃がした。


「大丈夫です、塀の向こう側にも魔物は居ません。最も近い魔物は……70mちょっと離れた建物の裏側に6体。恐らく門兵でしょう」


「《浮遊魔法フライ》を使うよ。塀を越えたら魔物に見つからないように誘導よろしくね」


 ボクはメルちゃんに抱き付き《浮遊魔法フライ》を使う。こうすれば、2人でも5mくらいなら飛べることは実証済だ。


 ボクたちは、3mの高さの土塀を音をたてることなく乗り越えた。

 メルちゃん抱っこの柔らかな幸せはここまで。校庭ほどの広さの草原の奥、50m先には例の建造物がそびえる。

 そこに向かって、メルちゃんは迷うことなく走り出す。ボクは信じてついて行くのみ。


(塀の内側に潜入成功、建物に入るね)


(わかりました。危なくなったら――)


(すぐに転移!でしょ。何度も言われているし、大丈夫だよ)


「リンネちゃん……建物の中は魔物だらけです。1000を軽く超えています」


「1000は……まさか、魔人もそこに?」


「大きな反応は……1番上、最上階に居るようですね」


「魔人の近くには?」


「魔人の近く……すぐ横に2つの大きな反応……これはあのべリアルと同等の大きさです。魔人はさらにその5倍以上……ヴェローナの比ではありません。どうしますか?」


 珍しくメルちゃんが敵を前にして緊張している。ボクは、そんな彼女を安心させようと笑顔で話し掛けた。


「ウィズみたいなボッチじゃなかったのか。デートに誘うのは1人だけが良かったけどね、もちろん強襲するよ!」


(メルちゃんによると、魔人はかなり強いらしい。魔人以外にべリアル級の魔族が2体一緒だって)


(わかりました……気をつけて!)


 ボクはアイちゃんに情報を送ると、メルちゃんの気配察知を頼りに、魔人が居るであろう建物の北側に移動する。運よく入口の魔物に気づかれずに行けた。


 またメルちゃんを抱き締めて2階まで飛び、そこを足掛かりに最上階である3階に到達した。


「この壁の向こう、5m先に魔人が居ます」


 ボクは緊張で手足がガチガチだ。何度も何度も深呼吸をする。

 少し落ち着けたところで、抱き締めていたメルちゃんを離す。今度はメルちゃんがにこにこの笑顔を返してくれた。


「大丈夫です。相手が魔王であっても必ず成功しますから」


 ドガッッ!!


 そう言い終わるや否や、メルちゃんが《鬼神降臨バーサーク》を使い、メイスで思いっきり壁を殴り付けた!


 轟音と共に壁には半径50cmほどの大穴が開く。ボクたちは、そこから素早くに潜り込んだ!



 魔人は、禍々しい闇を漂わせながら、大きな椅子に悠然と座っていた――。



『勇者諸君、ようこそカイゼルブルクへ! 待っておったぞ。だがな、正面から堂々と入るのが勇者ではないのか? 然るに茶を淹れる道理はないな。ガハハ!』


《鑑定魔法》を使われた!?

 こっちの能力が筒抜けかもしれない!


 メルちゃんを見る。安心してと頷いてくれる。それが何よりも勇気をくれる!


「ボクは勇者リンネ! お前がエリ村を、エリザベート様と、エルフの村を襲ったのか?」


 魔族が2体、ボクと魔人の間に割って入ってきた。魔人は片手を上げて魔族たちの挙動を止める。


『ふっ、めしいた婆が居た村か。余興にもなら――』


「黙れ!! ボクがお前を倒す!!」


 魔力を練り上げる!


わしを倒すだと? 滑稽ここに極まれり! 儂は魔人序列第3位、深淵の魔導師カイゼルなるぞ! 痴れ者め!! ひざまずき、直ちに命乞いをしろ!!!』


 3位!!


 予想よりずっと強い――。

 ボクとメルちゃんは目を合わせ、頷き合う。即時理解する。話し合いは無謀、先手を打たねば勝機を逸することを!


「先手必勝新技炸裂!《雷魔法/中級(サンダーバースト)》!!」


 バァン!!


 ボクが放ったバスケットボール大の高速雷弾が、魔族に触れた瞬間に大爆発する!

 魔族2体は身を低くして堪えていたが、間髪入れずに飛んできたメルちゃんのメイスで、左右に数m吹き飛ばされた!


 それでも、致命傷には程遠い。


 ただ、距離は稼げた!



 この一瞬に、全てを賭ける――。


 ボクは、メルちゃんと手を繋ぎ、余裕綽々《よゆうしゃくしゃく》でにやける魔人に突っ込む!!


「《転移》!!」




 ★☆★




 成功した!!


『ぬ!? 転移魔法で結界に引きずり込んだか。ふむ、実に弱き者共の企みそうなことよの』


 ボクは回りを見渡す。


 手を繋いだままのメルちゃんが居て、その背後には二刀を構えたレンちゃんの姿もある。


 さらに、エリ村の広場を囲うようにギルドが誇る高レベル冒険者が見える。

 ローブの男たち5人が唱える《支援魔法》は、味方ステータス+50%、敵ステータス-50%のバフ・デバフ効果だと聞かされている。


 そして、《森に愛されし者》という新たな称号を得たアユナちゃんが、聖樹結界を復活させている。

 この称号は、森の中に居るときに限り全ステータスが2倍になるという途轍もない効果があるらしい。


 魔人1人に対する圧倒的有利な展開――。

 これがアイちゃんが考えた必勝作戦だ!


「上手くいったね! これからはあたしの出番ターン!」


「油断しないで! 序列3位の魔導師だって! 名前は忘れた!!」


「名前忘れたの!?」


「そこを突っ込むの!? 3位のとこを突っ込むよね、普通は!」


[メルがパーティに加わった]

[アイがパーティに加わった]

[レンがパーティに加わった]

[アユナがパーティに加わった]



『此処は婆の貧乏村か。虫けらが集まって何をするのかと思えば、儂に虐殺の続きをやってほしいのか?』


「ボクはお前を絶対に許さない!」


 既に《雷魔法》や《転移》で3割も魔力を消費している。残り7割、全部使う。

 結界の中でなら、出鱈目な魔法耐性は無いはず。気絶しても構わない、この魔法で終わらせる!


 魔人は大気中の魔力の高まりから、放たれるであろう魔法の種類、威力の分析をしていた。

 余裕の表情に翳りが表れ、次第に焦りへと変わり、背を向けて走りさろうと――。


 逃がさない!!


時間停止クロノス!》


 一気に距離を詰めたボクは、魔人が右手に握る杖を奪おうとそこに触れ――。


 バチバチッ!!


「――ッ!?」


 ボクの全身を電撃が走る!


 制止した時の中で、動けないはずの魔人の双眸が光を放つ。

 杖からほとばしる黒い闇が、同心円状の波動となって広場を侵食する――。


 あの杖の効果!?


 やるしかない!

 魔力を限界まで練り上げたボクは、魔法のイメージを固める。速く……熱く……濃密な電気……体を突き抜ける雷撃……直径が1mまで凝縮された雷撃は、どんな魔法もどんな金属をも貫く天のいかづちとなる!


「貫け、天雷!《雷魔法/中級(サンダースピア)》!!」


 魔法や武器で強化された雷撃は、中級とはいえ何枚も重ねたドラゴンの鱗をも貫き通す光の槍となる!

 回避不能の高速魔法が、満月の闇夜を照らして深淵の魔術師カイゼルを襲う!!


『グオォォォァァァ!!』


 ボクは朦朧とする意識の中で魔人の咆哮を聞いた。

 間違いなく直撃した!



 なのに――。



『ガハハハ! 大した魔法よな! 一瞬たりとも儂に恐怖の情を抱かせるとは、激しく賞賛に値する! だが、惜しかったな!』


 まさか、あれを耐えたの?


 ボクはまだ倒れる訳にはいかない。

 消えかける意識を繋ぎ留め、力の入らない脚で1歩踏み出そうともがく――。


 そんなボクを、レンちゃんがぎゅっと抱き締める。ボクを担いで離脱する。


 これは予定通り。

 当初想定した、最悪の状況への対応――。



 広場の隅まで下がったボクは、アユナちゃんの結界の中に居る。

 虚ろな目を精一杯に見開いて、必死に状況を確認する。



 メルちゃんとレンちゃん、そして冒険者数人が魔人を囲み、戦闘が再開されていた。


(リンネちゃん。あの杖から出た闇の波動は恐らく《闇魔法/上級(ダークフレア)》です……魔力の低い人は抵抗レジストできずに灰になりました……《支援魔法》が消失したことで、魔人はリンネちゃんの魔法を凌げたんだと思います)


(ボクのせいだ! あの杖を奪い取ろうとして――)


(いいえ。遅かれ早かれ、反撃はありえました。今は自分を責めても仕方がありません。魔人カイゼルも決して無傷ではありません。かなりのダメージを受けているはずです)


(わかった。勝つことだけを考えるね)



 今は、休んで魔力を回復させることに専念する。

 聖樹結界の中では魔力回復が早くなる。アユナちゃんも直径1mまで絞って凝縮させた安心安全アユナ結界を作ってくれた。ボク自身も瞑想することにより魔力回復を早める。


 これも、ボクの魔法で倒せなかった場合のシミュレーション通り。

 今は、それぞれがやるべきことに全力を注ぐ! まだ、想定の範囲内だ!



 魔人に対するのは、メルちゃん、レンちゃん及び、Aランク冒険者2人と、リザさんの5人。


 レンちゃんが手数で牽制し、《鬼神降臨バーサーク》したメルちゃんが隙を突く。魔人の杖は既にグリフォンメイスによりへし折られ、腕や脚にも手痛いダメージを与えている。

 冒険者2名も上手く連携を取りながら攻撃魔法や回復魔法を連発していた。

 リザさんが召喚したエルダートレントとシルフが魔人を襲う。脚に枝を絡め、上空から風の刃を飛ばす。魔人のローブは所々破れ、強力な魔法防御にも徐々に綻びが見え始めてきた――。


 

 メルちゃんの《鬼神降臨》が切れると、レンちゃんはメルちゃんを背負ってアユナちゃんの結界まで退いてくる。


 その間、魔人は残忍な表情を浮かべながら魔力で形成した剣を振るい、精霊や冒険者を1人、また1人と倒していく――。


 リザさんが魔力を振り絞って風の上位精霊ジンを召喚した。レンちゃんがフラフラなリザさんを支えて下がらせる。

 ジンの《風魔法》に対し、何らかの対抗魔法で相殺している。魔人はジンを集中的に攻め、僅か数分で消滅させた――。



 無事に立っている者は、魔人とレンちゃんだけになっていた。

 そのレンちゃんも肩で息をしていて防戦一方で、魔人の剣を受け止めきれずに弾き飛ばされた――。


『ふん、儂を追い詰めたのは最初の1撃だけか。暇潰しにもならなん。冥土の土産に、このカイゼル最高の魔法を見せてやろう! 儂が深淵の魔導師と呼ばれる由縁をな!!』


 そう言って、魔人は長い詠唱に入った――。




 既に必要な魔力は回復している。


 ボクたちは諦めない!

 絶望せず、絶対に勝つという強い意志で、最後の力を振り絞る!



 ボクは、メルちゃん、アユナちゃん、レンちゃんに視線で合図を送る。


(みんな、頑張って!!)


 アイちゃんの念話を合図に、仕掛ける!


「《転移》!」


 ボクたち4人は魔人を囲う位置に瞬間移動した。

 その瞬間、直前まで祈るように組んでいたそれぞれの手を解き、天に掲げるようにして練り上げていた力を一気に解放する!


 4人全員が力の限りに放つ、初めての連携魔法だ。


 掛け声を合わせ、歌うように叫ぶ!!



「《天使の翼(エンジェル・ウィング)》!!」



『グァァァァァァァァァァ…………』



 意表を突いた4人同時の攻撃は、魔人の生命力を一瞬で刈り取った。

 弱々しい最期の咆哮と共に、魔人の姿は霧のように霧散した。

 そして、足元には1冊の魔法書が残されていた。


鑑定魔法リサーチ:《召喚魔法/初級》。召喚主と相性の良い生物を召喚することができる。召喚された生物は、召喚主と共に成長する》



「勝った……」


「ギリギリだったね」


「あたし、頑張ったよね」


「怪我人の治療をしましょう!」



 その後、ギルドが持ち込んでいた大量のポーションによって怪我人を治療していった。残念ながら、犠牲者も3人出てしまった。これが魔人との戦いなんだ――。


 あまりにも悔しくて、申し訳なくて……嬉し泣き以外を禁止したばかりなのに、ボクは日が昇るまでずっと泣き続けた。




 みんなに励まされ、汚れた顔を汚れたローブの裾でぬぐう。


 アイちゃんが待っているフィーネに帰ろう――。




 ★☆★




 フリージア王国制圧勢力の魔王軍総大将だった魔人序列第3位カイゼルの討伐は、今後の魔族との戦いを大きく変える結果をもたらした。


 このとき以降、町や村が組織的に襲撃されることが無くなった反面、統率を失い分散した魔族が魔物を率いて王国全域を巻き込むという無秩序な戦いへと変遷していったんだ。

次回、リンネが帰還した自治都市フィーネを、今度は魔人が強襲する!!


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日刊でUPできなくて申し訳ありません。

が、今後は気合と根性と作品愛で何とか食らいついていきます!

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