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異世界八険伝  作者: AW
第2章 新たな仲間たち
35/92

35.ノースリンクへの旅路Ⅳ

ひょんなことから女神様を救い、魔人の思惑を打破したリンネたち。女神の加護を受け、再びノースリンクへと旅立つ。

時間操作(クロノス)》、《攻撃反射(カウンター)》、《簡易鑑定(リサーチ)》、《空中浮遊(フライ)》、《雷魔法(サンダー)》、《治癒魔法(ヒール)》、《水魔法(ウォーター)》……それと、《棒術》に《魔法合成》の指輪――。

 今までに習得した魔法カードを頭の中で並べながら、こっちの世界に来てからの濃密な日々を振り返る。


 “神に求められし勇者”


 女神様は確かにボクをそう呼んでいた。


 冒険者(ギルド)カードの称号欄は“銀の使者”だし、ステータス上の職業は冒険者だし、勇者って何だろう。

 今はまだ勇者未満ってことなのか、それとも、クラス欄を自己申告で“勇者”とすべきだったのか(今は魔術師にしているけど)、そもそもボクは勇者とは別の何かなのか。


 それはさて置き、他の人から勇者と呼ばれるのは好きじゃないけど、ボク自身は勇者でありたいと思ってるんだよね。

 ボクなりに、精一杯勇気を振り絞って恐怖を乗り越えてここまできたつもりだし――。


 あと、“神に()()()()し”の部分も引っ掛かる。あの言い方だと、女神様(ニンフ)以外の神様ってことだよね?

 ボクに罰を与えたあの光がボクを求めていたとも思えないし、まさか、邪神(アイツ)でもないよね。あっちでもこっちでも、ボクを利用しようなんて、(誰かさんの言葉を借りれば)お尻が痒くなる――。


 どっちにしろ、“求められ”たくなんてない。ボクはボク、自分の意思で、できることをしたいの。


「ねぇ、お2人さん。いきなり変なこと聞いてもいい?」


 メルちゃんの膝枕でまどろむボクの顔を、可愛いエルフが覗き込んでくる。


「ん? どうしたの?」

「どうぞ、アユナちゃん」


「えっと――私、どうすれば勇者になれるかな?」


「「えっ?」」


「2人はどうやって勇者になったのかなって思って」


 真顔で迫るアユナちゃんが怖い。

 この子、勇者に憧れるだけじゃなくて自分自身もなりたくなっちゃったんだ?


「選ばれたっていうか、まだ選考中かも……」


 首をきょとんと曲げるアユナちゃん。長い耳がぴょこんと揺れる度に、サラサラの金髪が肩の上で踊る。

 ボク自身もわからないんだから、説明のしようがないでしょ。


「私は……気づいたらこの世界に居たので、正直覚えていません」


 そりゃそうだよ。

 メルちゃんを選んだのは、ある意味ボク自身なんだもん。


 そうだ、南総里見八犬伝の8つの力!

 魔王に立ち向かうのは1人じゃない。皆の力を調和させるんだ。チームワークで勝つんだった!


 仁は慈愛の心、義は正義の心、礼は秩序を重んじる心、智は正しく判断する心、信は己の発言を実行する心で、忠が主君を、孝は父母を、悌は兄姉を尊敬する心――。


 メルちゃんは仁。その優しさで皆を引っ張ってくれるお姉ちゃん。ボクは孝。お父さんお母さんを大切に思う気持ちが、きっとボクに力を与えてくれるはず。

 アユナちゃんはどうだろう。義礼智信は違う気がする。ふふっ、忠か悌あたりかな?


「そうだねぇ、ボクやメルちゃんの言うことをちゃんと聞いていたら、なれるかもよ?」


「本当!?」


「多分ね」


 半信半疑で見つめるメルちゃんにウインクを返す。


 本当は、勇者は“召喚”された者のことだから、この世界の住人がなれるものじゃないって、薄々感じている。


 でも、勇者が称号でも職業でもクラスでもないのなら、自分自身の心の持ち方次第なわけで、誰にだって資格はあるはずだよね。

 そしたら、ボクたちの言うことをちゃんと聞いたらってのは無意味で――ま、いっか。


「私、頑張るから何でも命令して!」


「じゃあ、耳触らせて!」


 さっきから目の前でぴょこぴょこ動いている長耳を捕獲する。


「キャッ! くすぐったい!!」


「どうやって耳を動かしているのか、生態調査を開始します!」


 ボクの中指くらいだから、長さは10から12cmってところか。思ったよりも長くないね。斜めに飛び出しているから長く見えるのかな。

 あれ、耳朶(みみたぶ)がない?

 というか、付け根の全体がぷにぷにしていて耳朶の代わりなのかな?


「キャはっ! もう無理、無理だよっ!!」


 馬車の中を転げ回って離脱するアユナちゃん。そこに、今度はメルちゃんからの命令が降り注ぐ。


「私は、エルフのお尻に興味があります。トイレに行く必要がないなら、お尻の方はどうなっているのかな?」


「いやーっ! 子供できちゃう!!」


 腰を捕まえ服を脱がしにかかるメルちゃんと、足をバタバタさせて必死に暴れる小学生に、馭者のティミーさんから優しい雷が落ちる。


「勇者様方――朝から何をしているんですか!?」


 さすがに男性が居る所ではマズいよね!

 アユナちゃんは口をパクパクさせ、メルちゃんは顔を赤くして俯いちゃったよ。




 ★☆★




 チロルを出発してから2日目。

 朝5時から休み休みに進む馬車は、既に行程の半分を過ぎていた。順調に行けば目的地へは今日中に到着可能らしい。


 そうはいっても、魔物の襲撃は相変わらずで、1時間に10匹以上は確実に撃退している。

 その中でも、ガルーダやサイクロプスは格段に強かったけど、アユナちゃんの風魔法が活躍してくれて何とかなったよ。やはりシルフと契約できたことが大きいのかもしれない。



 しばらく街道を進むと、右手側の奥、数百mほど入った所に巨木が見えてきた。


 すると――。


「いるよ、いる! いる!!」


 突然、小学生が叫び声を上げ始めた。

 頭が湧き過ぎて、見えてはいけないモノが見えちゃったのか?


「何が居ました?」


 優しいメルちゃんが優しく尋ねる。


「これは中級精霊の気配だよ! もし契約できたら、精霊魔法使いとしてレベルアップできる!」


 なるほど、あの巨木の主みたいな感じかな? よし、ここは可愛い仲間のため、ちょっと寄り道をしよう。


 ボクは馭者席のラーンスロットさんに事情を説明し、巨木を目指して進んでもらうことにした。



 街道を()れて進むこと約500m。


 途中に(さえぎ)る物はないけれど、近づいているという感覚も微塵(みじん)もない。

 後から気づいたことだけど、上り坂が続いたせいで、目標物の高さに変化が見られなかったからだと思う。



『ギャハ! ギャハハ!』


「「なに?」」


 声は外から聞こえてきた。馬車の後部口は布を合わせただけで壁はない。その代わり、馭者席と座席は壁で遮られていて、僅かに顔が見えるくらいの窓があるだけ。

 顔を見合わせたボクたち3人は、左右の窓を開けて顔を出す。


「すまねぇ、馬たちが怯えてるみてぇだ」

「さっきの笑い声は――」

「笑い声? ありゃ、馬の鳴き声だぞ?」


 え、ヒヒーンじゃないんだ。


 ガタンっ!


「「うわっ!」」

「「キャア!!」」


 突然90度に近いカーブを描く馬車――。

 不意を突かれたボクたちを襲うのは、カンセイとエンシンリョクという名の物理法則。


 斜めに(かし)いだ馬車の、後方へと勢いよく吹き飛ばされるボクたち。


 何かを掴むとか、これからどうなるとか――考えようとする前に、次々と状況が悪化していく。


 そして、気づいたときには、アユナちゃんが後部口の布を突き破って馬車の外に飛ばされようとしていた――。


時間停止(クロノス)!》


 静止した馬車の中、止まっていた思考を加速させる。

 馬車が急に曲がったせいで、ボクたちは外に投げ出されようとしている。というか、アユナちゃんはもう外だし。

 メルちゃんがボクを庇おうとして必死に手を伸ばしているのが見える。


 どうする?


 馬車の中にも外にも掴まる所なんかないし、ロープもない。

 布を引き千切ってロープにする時間すら、既にない――。


 何とか無事に地面に着地できれば!


空中浮遊(フライ)!》


時間停止(クロノス)》が切れる直前まで考え抜いた末、ボクが取った行動は、メルちゃんとアユナちゃんを捕まえて、浮遊魔法で着地すること。

 そう、何の捻りもない普通の行動だった。


「え、なんで――」


 2人の手をぎっしり掴み、着地する予定の地面を見ようと下を向いた瞬間、再び時間が流れる。


「うぅ! 手がもげる~!」

「「リンネちゃん!?」」


「2人とも、下は見ないで!」

「「えっ!?」」


 見るなと言われたら見てしまうのが人間の(さが)。それは鬼人族でもエルフでも同じだったみたい。


「「キャア~!!」」


 悲鳴を上げながら手足をバタつかせるアユナちゃん。そりゃ、あるはずの地面がなければそうなっちゃうよね!


「動かないで! 手が、滑る――」


「アユナちゃん、私に掴まって!!」


 状況は最悪!


 眼下には底の見えない闇。

 3人分の体重を支えきれず、ゆっくりと降下していくボクたち。

 崖からの転落を辛うじて免れた馬車は、既にボクたちの頭上3mの位置あって、さらに遠ざかっていく。


 唯一の幸運といえば、3人がお互いの身体にべったりしがみついていること。

 恐怖心よりも安心感が、安心感よりも温もりが勝る。



「大丈夫かぁー!」

「勇者様ぁ! 今助けますからね!!」

「大丈夫かぁー!」

「勇者様ぁ! 今助けますからね!!」

 ……


 次第に遠ざかる馬車から、護衛2人の声が聞こえる。幅10mにも達する大きな亀裂に反射して、何度も何度もこだましていた。


「このまま、下まで行きます! そこで待っていてください!!」



「――了解した――」


 長い沈黙の後、捻り出されるように返ってきた言葉に、少しホッとする。

 置いて行かれたらって不安だったんだと、後から思い、ついつい苦笑いしてしまう。




 そんなこんなでメルちゃんの柔らかな胸を堪能すること数分――ボクたちの足の裏は、確かな大地に触れていた。

 マグマや水、蟲の大群とか動物の糞尿じゃなくて本当に良かった。


「どうやって登りましょう」


 手を繋いだまま、同時に見上げる3人の視線の先には、闇夜を裂く一筋の細い光がある。

 暗黒面に落ちた今の心理状況を言葉で表そうとしたら、地中で孤独に発芽する種のような、(ひび)が入った卵の中で怯える雛鳥のような、そんな感じ?


 暗闇のせいで距離感がわからないけど、高さを想像するのは簡単だ。

 秒速2mで5分間落下したとして、2×300で……高さはおよそ600mかな。


「先に……」


 先に自分が戻ってロープを垂らす――現実問題、適当な布か蔓で作れそうな長さじゃないし、それ以前に、一時的とはいえ2人を置き去りにすることが申し訳なくて、途中で口を(つぐ)んでしまった。


「あっち、行ってみよう?」


 多少は夜目が利くアユナちゃんが、ボクの賢者のローブの裾を引っ張る。


「何かの気配を感じますね」


 地上で振り回された方向からして、アユナちゃんが向かおうと言っているのは間違いなくあの巨木のある方向だと思う。

 メルちゃんの言う気配ってのも気になるけど、きっと例の精霊だよね。

 いつまでも脳裏にチラつく魔人の影を両手を振って追い払い、敢えて笑顔で答える。


「よし、地底大冒険、開始!」




 ★☆★




 20分ほど進んだ先に現れたのは、壁に開けられた無数の洞窟群。

 昔、テレビ番組で見た“断崖絶壁に作られた鳥の巣”のような感じ。


「あれは――何かの、巣?」

「魔物?」


 ボクの独り言に、アユナちゃんが身体ごと突っ込んでくる。


「見られてますね。8、いや、10以上います」


 ボクたち2人を何かの視線から守るように、メルちゃんが前に出る。


時間停止(クロノス)》はもう使えない。いざとなったら《雷魔法(サンダー)》と《水魔法(ウォーター)》で戦うけど、この暗闇はこっちに不利だ。

 背後には今歩いてきた安全な道がある。なら、逃げるのが最善策でしょう。


「逃げ――」

『待たれよ!!』


「「!?」」


 2人の手を握って振り返ろうとした瞬間、はっきりとした声が聞こえた。

 少なくとも、魔物じゃない。


(リンネちゃん、あれ、ドワーフだよ)

(え? ドワーフって、背が低くてずんぐりした?)

(背は低いけど、皆が皆、太ってるわけないじゃん)

(そうなの?)


 ゆっくりと歩み寄ってくる男性の姿を凝視する。

 じっくり見ても、わからないものはわからない。こんな場合は、失礼を承知で、鑑定だ。


簡易鑑定(リサーチ):妖精種/ドワーフ。大地の加護を受け、岩石や鉱石を加工する技術に優れ、酒と平穏を好む。》


 魔物化していない――。

 エリ村のエルフみたいに、この崖下で生き延びてきたんだ。


 握りしめていた両手を離すと、事情を素早く呑み込んだメルちゃんがドワーフに向かって歩いて行く。

 相手は1人。戦いになるとは思えないけど、念のため、ボクたちも彼女の背中にぴったりついて行くことにした。



『冒険者か?』

「はい、北へ向かう途中で崖から落ちてしまいまして」


 ドワーフの目は閉ざされていた。人間だとアラサーくらいかな。釣り気味に伸びた濃い眉毛は、ボクたちを警戒していることを示している。

 身長はボクと同じくらいだけど、太ってはいない? どう見てもBMIは20もなさそうだ。そうか、食物が乏しいこの世界だから、ドワーフも痩せ細っているのか――。


『そうか、地上から来たか。それは難儀だったろう』

「えぇ、何とかして上に戻ろうと考えているのですが」


 メルちゃんがそう言うと、ドワーフの表情が一瞬穏やかになった。というのも、眉毛がV字から八の字に変わった。このドワーフさん、何だかとってもわかりやすい。


『上への道は全て閉ざされてはおるが、方法がないわけではない。付いてまいれ』



 そう言ってドワーフさんが案内してくれたのは、遠目から眺めていたあの巨木だった。


 彼の説明を要約すると、この大木はエリ村にあった聖樹の下位互換で、弱いながらも崖下のドワーフの村を結界で守ってくれているのだそうだ。

 また、この大木には数種の精霊が魔の手を逃れて住み着いているとのこと。その中でも樹木を司る中級精霊ドライアードの力を借りれば、崖の上に戻ることも十分可能だそうだ。



「うわぁ、こんな大きな木、初めて見た!」


 思わず叫ばずにはいられない。

 直径はボクが両手を広げた幅の3倍はある。そして、見上げた先には、天を()くような幹! 東京タワーくらいは軽くありそうな高さだ。


『ほっほっほ。この木は儂が幼少の頃に苗を植えたでのぉ、樹齢は千年を超えておる』


「千年!?」


 樹齢も凄いけど、ドワーフさんの長寿ぶり、見た目とのギャップに驚きだ。


「リンネちゃん、メルちゃん、ちょっと下で待っててね。私、登ってくる」

「気を付けてね」

「えっ? これ、登るの? 無理じゃ――」


 言い終わる前には、既にアユナちゃんはボクの頭より上で、セミの抜殻みたいに太い幹に張り付いていた。

 エルフって、見た目にそぐわず木登りが上手なんだね。ボクも木登りくらいなら人並みにできるけど、ドライアードは大木の中ほどに住んでいるらしいから、高所恐怖症のボクには到底無理な話だ。


 ん?


 樹上を見上げるドワーフさんの視線の先、スカートからパンツがチラチラ見えた。


「こらっ!」


 パチン!


『あぁ?』


「あ、何でもないです。ごめんなさい……」


 反射的にドワーフさんの頭を手ではたいてしまった。その際、手に引っ掛かった()()が飛んでいくのが見えた――。


 そして、パチンした直後に気づく。このドワーフさん、目が見えないんだったと。

 ボクってば、いくら勘違いとはいえ、千歳を超える超お爺ちゃんの頭をはたき、ズラを飛ばしてしまうとは――。


 まぁ、貴重なエルフっ娘のパンチラはこの世の宝ですからね。見ていいのはボクとメルちゃんだけ。そう、選ばれた勇者だけなのです!


 自戒の念を吹き飛ばそうと自己暗示を掛け続けるボクの代わりに、仁に溢れるメルちゃんがズラを拾い、気づかれないようにお爺ちゃんの頭に載せているのが見える。これで一件落着だ。



 頭上の星をメルちゃんと眺めながら、ふと思う。


 白と水色の縞模様って、リザさんと同じだね。エルフって、もしかしたら全員あのパンツなのかな――白と水色の縞パンを着たアユナパパが振り返った瞬間、ぶるぶるっと頭を振り、変な妄想を振り払う。


 妄想と激闘を繰り広げていると、また例のパンツが近づいて来た――。


 うん、今度は現実だ。

 ドライアードとの契約が無事終わったらしく、アユナちゃんがゆっくり降りて来ているようだ。



 3mくらいの高さから華麗にジャンプしたアユナちゃんを、ボクが全身でがっちり受け止める。軽すぎだよ……。


 ゆっくりと彼女を地面に降ろしてあげると、顔を上気させながらドライアードを召喚してくれた。


 大地に芽吹く草花、その一際大きく咲いた七色の花弁がゆっくりと開くと、ドライアードはその中から姿を現す。



『貴女が勇者リンネ様ですね? わたしはドライアード、樹木の中級精霊です』


「あ、はい! リンネと申します。宜しくです」


『事情はアユナ様から伺っています。わたしたち精霊も魔の奔流になすすべなく、滅びの時を待っておりました――この出逢いも世界のご意思だと思います。妖精王の加護を受けしものと共に、ぜひ、力を合わせて戦いましょう』


「はい! が、頑張ります!」


 挨拶を終えると、優しい微笑みだけを残してドライアードさんの姿は忽然と消えてしまった。


 緑髪の綺麗な女性の姿がまだ瞼に焼き付いている――服の露出度が高過ぎて、実は凄く緊張したんだけどね。気持ち的には、羨望半分、興奮半分といったところ。

 そう思うと、やっぱりボクの中にはお父さんやお母さんがいるんだなぁって気がする。


 そう言えば、ニンフも半裸に近かったような。シルフちゃんはきっちり服を着ていたよ?

 身体の大きい精霊ほど露出度がアップしていくのか、それとも、身体が大きくなると服のサイズが合わなくなるのかな――もしくは、単なるロリ規制だったりして?



 別れ際の、ドワーフさんの笑顔は決して忘れることはできないと思う。ボクたちがドライアードと話している間、彼の閉ざされた目からはずっと涙が滴っていた。

 滅びを静かに待つ絶望の中で、ボクたちに小さな希望を見たのかもしれない。彼の涙には、それ以外の理由なんて見つけられない。


 でも、ボクの心には1つだけ疑問が残っていた。

 メルちゃん、キミは、どうしてズラを前後逆さまに載せちゃったの――?


 ボクたちはドライアードが作ってくれた木の階段を上り、崖上に待機している馬車まで帰還した。


 2時間くらいの遅れなら、頑張って取り戻せるよね!


 よし、改めて進もう、北へ!!

 お読み頂きありがとうございます。数日前、崖から落ちそうになって夢を見ました。何とか五人が手を繋ぎあって生き残ったんですが、その時、自分は一番下でした。ちょっと余裕があったので、片手でスマホを操作して、必死に動画の実況中継をしましたよ♪


 っと、twitterの宣伝を。

 https://twitter.com/

 @angelwing2017

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