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「……歴史記述は、時の流れに対する最強の砦となり、〈中略〉忘却の深みに陥ることを許さない」
「……歴史記述は、時の流れに対する最強の砦となり、抗することのできない時の流れをなんらかの方法でくい止め、時と共に生起するもののうち、捉えることのできたものはなんであれ、しっかりと包み込み、忘却の深みに陥ることを許さない」
————『アレクシアス』冒頭
戦うビザンツ皇帝として知られるアレクシオス1世コムネノスの英雄譚の冒頭です。
歴史を残すことが如何なる意味を持つのか、この書を書いたアレクシオス1世の娘アンナの考えが書かれており、私としても非常に共感した次第です。
何も残さなければすべては忘却の彼方へ消えてしまうことは、文字を残さなかった文明や時期の研究がどれだけ進んだかを考えれば明らかでしょう。




