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新世界の神になろう――「小説家になろう」はあきらめました――勇者パーティーを追放されたけど可愛い女の娘getして勇者ざまぁする俺。おーぃ帰ってこいと言われてももう手遅れです  作者: 夢之崎ベル
勇者パーティーから追放されたけど女の子捕まえて幸せになりざまあする俺。戻ってこいと言われてももう手遅れです編
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どこでも部屋ぁぁぁぴかぴかぴーん!

「それで今日ハンスくんは暇? 暇だよね? なんといっても、勇者パーティに追放された翌日だからね!」


 お昼過ぎとなり、身なりを整えた俺とラララは、なぜか部屋の入り口の扉前に立っていた。


 扉のドアはラララがしっかりと握りしめている。


 なんの変哲もない木の扉にだ。

 それは、どこにでもある普通のものだ。


 違うとすれば、ラララによって魔力が与えられていることだろうか?

 扉の縁にそって、魔力の黒い闇の光が見える。


 ラララの恰好は、若い麦わらで組んだ帽子に絹のように薄い生地で作られた純白のワンピース、茶色い革で作られた商工会ギルドのギルドカード入れをぶら下げて、それ以外には赤いポシェットを身に着けている。


 そのワンピースは強い光や水でも浴びてしまえば下着が透けてしまいそうなほど薄手で上等なもののように見える。何の生地かは俺には確認できないが、相当値段は高そうだ。


 言われた通り、俺からすれば特にやることもない。暇だ。暇すぎるところだ。

 そう、俺は現実逃避していた。


 普通、勇者パーティに追放されてやることといったら、上司に報告することだろう。その直属上司というのは国王である。暗部の人間であるから直接の面識があるというか、子供の頃からのご学友というか取り巻き役だった国王だが、さすがに大人になり、国王ともなると緊急事態でもない限り突然会うのは気が引けるというものだ。

 そして、勇者パーティから追放されたことが、この緊急事態に当てはまるかというと、そうではない、と答えることが一般的だろう。



 これが、魔王と接触しましたとかであれば確かに緊急事態であるが、こんなことを報告したら俺の首が飛ぶだろう。たぶん。

 ともかく、しばらくしたら直属上司である国王に泣きついて仕事を貰うことも持さない覚悟であるが、1週間くらい時間を置いても全然問題ないだろう。だってそんなに重要じゃないもの。



 そう――、俺が重要じゃないと連呼するのは理由がある。

 だって、勇者パーティから追放されましたなんて言うのものすごく気が重いんだ。



 俺だってこんな報告するのは辛い。

 できれば優先度を落としたい。

 ようは現実逃避をしばらくしたい。働きたくないでござる。


 そんな報告より、魔王ラララがいつのまにか街に潜入していて、何をしようとしていたかを調査して、うまくやって俺のモノにしましたとか報告する方がよほど重要で、そして面白い任務であるだろう。


「もちろん暇です! 暇に決まってます! ラララも暇ではないのか?」


(あぁ、今日はラララと終日デートも良いかもね)


 俺はそんなことを考えていた。

 デートコースとか考えたこともない俺であったが、裏では必死に頭を巡らせている。


「そりゃぁ当然暇よ。暇を持て余して人の街に徘徊するくらいには――。ま、それも昨日までね」


「昨日までとは? ――では今は?」


「ハンスくん。それ以上は言わせないで。私だって恥辱という感情はあるんだからねッ」


 そう言いながら、しかしラララは部屋から出ようとせず扉に手を掛けるのみ。

 一向に扉のドアを開こうとしないラララを俺は訝しんだ。

 一体何をしようとしているのか、俺にはさっぱり分からない。


 素直に聞いてみた方が速そうだ――

 俺がその結論に達すのにたいした時間は掛からなかった。


「ラララは今何をしているのだ?」


「もちろん扉に魔法をかけているところですけど?」


「まさか! ≪移動術式≫の(たぐい)か?」


「そうよハンスくん。博識ね」


「それで、どんな術式なんだ?」


うち(オージス)の魔王城にある宝具(ほおぺえ)を使って、ヒトやモノをお部屋にお連れする術式よ。正確には私の魔法じゃないんだけどね」


「まさか――、これが噂に聞く、世界三大魔道具が一つ、≪どこでも部屋(へや)≫か――」


「ご名答――。やっぱりハンスくんは意外と物知りね」


 どことなく危険な臭いのする術式≪どこでも部屋(へや)≫は、魔人クルス・アマトーが得意とした転移術式の一つである。


 はるか昔――、魔法技術に優れた魔法王朝(かがわ)がこの世界を牛耳っていたころ、世界中に存在していた代表的な魔道具の一つの名でもある。


 なお、魔道具のたぐいとして有名どころは、


・扉によってお部屋をお連れする≪どこでも部屋(へや)≫術式。


・別大陸のルーミートと呼ばれる哺乳綱双前歯目の魔物が持つフォーディメンジョンポシェットと呼ばれる有袋類を加工し、要は所持品を異空間にしまっちゃうことができる≪アイテムボックス≫術式。


・T字型に編んだ竹槍を頭にぶっさして空を飛ぶことができる≪空中浮遊(ヘリコプター)≫術式。


――などで、特に≪アイテムボックス≫術式は現代でも継承がされており、商人などでは小容量のモノを所持/使用されているのが僅かながら存在している。


 もっとも、そんな魔道具はおいそれと使えるようなものではない。



 より身近な世界三大術式として――


・神より職業クラスを与えられる≪成人の儀式≫術式


・男女の結婚を祝う≪結婚の儀式≫術式


異世界(かがわ)から勇者を召喚する≪勇者召喚≫術式


――の方が有名であろう。とはいえ、これらも生涯に何度も起きるようなものではないのだが。


 だが、知っていることと実際目にすることとは違う。

 それを目に前にすることができた俺としては興奮せざるを得ない。


 そして術式をかけ終わったのか、ラララがその何の変哲もない扉を抜けると――




 そこは雪国だった。

 トンネルを抜けると雪国だったと言ったのは、どこの文豪だったろうか。


 それくらい雪国である。




 いまのこの国は夏だ。それなのにこの銀世界――

 まるで地球が反転したかのようにも感じられる。


 一面に広がる白い景色と、冷たい冷気が心を冷ます。


「じゃぁ、私のおうちを紹介するね――」


 俺とラララはその扉の向こうへ歩み進んでいった。


 その白い世界に向かって――

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