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パングラム紙芝居「桃太郎」

昔話「桃太郎」をパングラム3つで作ってみました。紙芝居形式でお楽しみください。



 住宅街のなかにある公園に子供たちが集まっていた。

 今日は天気も良く、元気に走り回ったり、木陰でおしゃべりをする子供たちの声でいっぱいだった。


 そこへ、台車を引いたおじさんがやって来る。


「おーい。みんなー。紙芝居の時間だよー」


 集まった子供たちは一斉に振り返り、おじさんのもとへの駆け寄っていく。子供たちはお小遣いを握りしめ、列を作った。おじさんは小銭と引き換えに水飴やセンベイを子供たちに渡していく。


 最後の一人に水飴を渡し終えた時、子供たちはおじさんの周りに輪を成していた。みんなお菓子を味わいながら目を輝かせ、おじさんの横に立っている紙芝居台を見ている。


「それじゃあ、始めようか。今日のお話は『桃太郎』だよ。みんな知ってるかな?」


 子供たちが手を叩いてキャッキャと声をあげる。


「そのお話大好き!」「わたしも!」「ぼくまだ知らないよ?」「おもしろそ!」


「うんうん。楽しいお話だよ。知っている子は、先を言っちゃだめだよ」


 おじさんが台に紙芝居をセットする。表紙には『桃太郎』のタイトルと一緒に、大きな桃と刀を持った男の子の絵が描かれていた。

 子供たちが、パチパチパチと拍手を送った。


「それではー、『桃太郎』の、はじまりはじまりー」


 ・・・・・



一話

『 桃から生まれた桃太郎 』


 むかし。

 どんぶらこ……

 お(ばあ)()()り、

 それ、()る。()()ます。

 ()せぬゆえ、

「ギャッ! 何者(なにもの)?」

(ぼく)ね、ピーチ太郎(たろう)よ!」

「へ?」・・・



二話

『 お腰に付けた吉備団子 』


団子(だんご)()しや…」(われ)()ぶ。

 (みち)()うは、(いぬ)(さる)(とり)

 仲間(なかま)(つら)()く。

 (きも)()え、(ひそ)(おに)()退()けろ。



三話

『 感動のラスト 』


 (おに)ボコり、

「さ! (あやま)れ! ()けろ!」

 と憤怒(ふんぬ)()せ、()する。

 貴重(きちょう)(もの)()(むら)へ。

 家族(かぞく)ハッピーね♪

 めでたし。



おさらい

一話

(むかし とんふらこ おはあ みを わり

 それ てる め さます けせぬ ゆえ

 きやつ なにもの ほくね ひいちたろうよ へ)


二話

(たんこほしや われへよふ みちてあうは

 いぬ さる とり なかま つらね ゆく

 きもすえ ひそむおにを せめのけろ  )


三話

(おにほこり さ あやまれ わけろ とふんぬみせ

 ゆする きちような ものを え むらへ

 かそく はつひいね めてたし         )



 ・・・・・


「……おしまい。どうだったかな。みんなおもしろかったかい」


 子供たちは笑顔で大きな拍手をした。みんな大喜びだ。


「とってもおもしろかった!」「ピーチ太郎かっこいい!」「いや、ピーチ太郎っておかしくね」「ピーチ太郎強いね!」「恫喝する主人公ってどうなん」「ふんぬってなにー」「仲間も大活躍だったね!」「てかキジじゃね」「三話もあってお腹いっぱいだよ!」「いや短いっしょ」「紙芝居のおじさんありがと!」「次はいつ来るの!」


 おじさんも弾けるような子供たちの笑顔を見渡すして嬉しそうにうなずく。


「みんなありがとう。来週また同じ時間にくるからね。楽しみにしててね」


 おじさんは荷物を台車に載せて、公園をあとにする。最後に振り返り、大きく手を振った。


「じゃあね。みんな元気で!」


「「「さよーならー!」」」



(めでたし)



おじいさん出てこなくて、ごめんね。

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ざまぁ企画
― 新着の感想 ―
[一言] パングラム・ストーリー三部作(?)お疲れ様でした!! 3作ともお見事な出来で楽しく読ませて頂きました〜♪
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