新たな仲間 2
読んでみてください。
国境警備隊が常設している町の外れ。
普段は魔獣が頻繁に出没する為に人が訪れる事が少ない一角。
だが、今日に限ってはその光景は一変していた。
いたる所で真っ赤に染まる土や樹々の葉が目立ち、その中に重なり合う様に横たわる人の影。
その光景の中に今立っている人影は3人だけだった。
それ以外に大きな獣が2頭、3人の中でも一番小さい影を守る様に座っているのが見える。
「なんてことを・・・皆殺してしまったのですか?」
姫さん、私に聞いているのよね?
少し声が震えているみたい。
・・・確かに、こうして改めて見ると、国境警備隊の兵隊やロドンの者の死体が血の海に浮いている様に見えるもの。
その中心に美少女が大量の血を体中に浴びながら、大きな獣を2頭従えて立っていたら、狂気の世界にしか見えないでしょうね。
本当なら私も、こんな地獄かと思うような場所にいたら、卒倒して気絶していたはずなのだけど・・・・今は何とも感じない。
それどころか、私を虐めたこいつらには、これくらいが当たり前だと思えてしまうのだから、変わったわ。
「どう? ケルちゃん」
「はい、魔力循環はここに居られる3人以外には感じませんので、全て絶命しております」
「だ、そうです」
私は素っ気なく答えてあげた。
まあ、どういう風な表情で答えて良いか分からないもの。
「何も全員殺さなくても・・・」
「じゃあ、姫さんは誰を残したら良いか判断できるの?」
「え? そ、それは証人として警備隊の隊長は・・・・」
「あんなクズを?」
「それは・・・でも従魔の印を人に使うという非人道的な行いを公にして裁かなくては」
「・・・・・・ロッティさんもそう思っているの?」
私は姫さんが話している間、その言葉に賛同しているとは思えない表情をしていたロッティさんに意見を聞いてみる事にした。
多分ロッティさんは・・・
「王女殿下・・・誠に申し上げにくいのですが、この非人道的な所業を命令しているのは我等のルガニア王国でありその頂に居られる国王陛下の命令なのです。どんな証拠があろうとも我が国の法で裁く事は現実的ではないかと・・・」
やっぱりロッティさんは分かっていた。
けど、この事を姫さんも分からない訳じゃないと思う。
ただ、この事の元凶が自分の実の父親だという事が、そう言わせていたのでしょう。
「ロッティ・・・やはり父王を諫めないといけないのでしょうね・・・」
「はい、それが出来るのは王女殿下だけだと思います。たぶんその他のご兄弟は国王陛下の言いなりですから」
姫さんに姉弟が居るんだ。
「ちょっと聞いてみるけど、姫さんって王位継承権とかあるの?」
「無礼な! フォルテ・レ・ルガニア第一王女殿下は正統な王位継承権の第一位のお方であられます! それを、あるの? 等と疑問符を付けるなど不敬だぞ!」
そんな事知らないもん!
「ロッティ! それは仕方ないでしょ! それより・・何故そんな事を聞くの?」
そんなの決まっている。
「だって・・・・怒らないで聞いてよ。えっと聞いている限り国王さんの行いが正しいとは思えないし、そんな王の子供である王子? も真面な人が居るのかな? と思ってね。あ、姫さんは人にしては真面な心の持ち主だとは今のところ思っているけど・・・もし他の姉弟が国王さん寄りなら、姫さんは邪魔な存在じゃないのかと?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
二人共何も言わない。
やっぱり自分達もそう思っていたという事ね。
「じゃあこれからどうするの? 姫さん達は?」
「それは・・・・王都に戻って・・・弟達と父王に問い質し・・」
「ロッティさん、本当にそうするの?」
敢えてロッティさんに聞いてみた。
たぶん・・・
「王女殿下、それは・・・お止めください・・・」
ロッティさんの言葉に姫さんは聞きたくない答えを聞いた様に思っているかもしれない。
つまり、もう王女として王都に戻る事は許されないと。
「私は・・・どうしたら・・・」
はあ~、美少女がそんな悲しい顔をしているのを、ドライには見られないわ。
「良かったらだけど、私、当分の間姫さんと行動を共にしようかと思うけど、どう?」
「え?」
驚いてる、驚いてる。
ありがとうございました。
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