阻止 2
投稿いたしました。
是非読んでいただければ幸いです。
「見えました。姫様」
ケルちゃんが教えてくれた方向に目を向けると、兵装している20人程度と・・・あれはローブを着た者も居るわね?
あれって魔法士?
『姫様、あれが従魔の印をつけた者を操る魔法士ではないでしょうか?」
なるほど。
それ以外には、普通の服装の人が50人位一か所に集まっていた。
その50人の内、数人の首には、あの魔導具が付けられているのが見えた。
「もう従魔の印を付けている。あれを人に付けるなんてなんてことを!」
茂みに潜み相手を窺っている姫さんはその状況に小声で怒っているけど、私にとってつい先日まで同じような事をされていたので特に酷いとは思えなかった。
「まあ、あれが人族の本性なのでしょう?」
私が皮肉っぽく言うと、王女さんは顔を俯かせ、ロッティさんはキッと睨みつけてくる。
だってそうじゃない?
「とは言ってもあれでエルフの国を襲うなんて蛮行は許したくないから阻止には協力するわよ」
そう言ってあげると姫さんは小さく頷き、ロッティさんはフン! とか言ってそうな感じでそっぽを向かれた。
かなり嫌われたわね。
「で、どうする? 正面から討って出る?」
「いえ、様子を見ましょう。このまま突っ込んでもロドンの村の人達の安全が保障されません」
「私は、別に構わないけど?」
「子供! お前は悪魔なのか?! そんな非道な事を良く平気で言えるわね!」
「ロッティ! 声が大きい!」
王女さんに口を無理やり押さえられハッとするロッティさん。
もうちょっと冷静な人だと思ったけど姫さんの事になると激情するタイプ? 愛されているね姫さん。
「おい、何か聞こえなかったか?」
ロッティさんの声が聞こえたのか一人の兵隊がこっちの方向を見ていた。
その様子を息も押し殺し私達は様子を伺った。
「別に聞こえなかったぞ?」
「ん~・・・そうか? そうだなこんな所に人が来るわけないか」
・・・・・・・・はぁ~・・・・
「殿下・・・すみません」
「気をつけて下さいね。ロッティ」
「はい・・・・・・」
本当、王女さんには従順だね。
あ、こっち睨んで来た。
ロッティさん超能力でもあるのだろうか?
「よし! お前達! 今から働いてもらうからな!」
兵隊の中でも少し豪華な鎧を着た男が馬上から声を飛ばす。
「ロッティ、あの者の着ている鎧に見える紋章は見えますか?」
「・・・・・いえ、ここからでは」
「そう・・・しかし働くって、もう国境を超えるつもりなの?」
もしそうなら偉く急いでいるけど何かあるのかしら?
「先ずは侵攻前の最終実験として国境の街を襲う。それで良好ならばそのまま国境を超える。お前達従魔士の操作に掛かっているから気を引き締めろ!」
「はっ!!」
ローブの者が隊長格の男の檄に呼応する。
まったく、国境の街って同じ国の人間を襲うって言うの?
血迷っているとしか思えないんだけど。
『姫様、これが人族です。魔人族だと姫様の正体が分かるとこの人の王女も何をするか分かりません』
『・・・・ん、分かった。気をつけるわ』
その王女さんは、自分の足の上に拳を乗せワナワナと震えていた。
「なんて事を・・・行きます!」
「姫様?」
「ロッティ、もう猶予はありません。あの様子だと今にも動き出しそうです。従魔士が魔獣を召喚してしまったら終わりです。その前にあの魔法士を拘束します!」
「拘束では無理よ。ほんの少しの時間が命取りになるわよ?」
私は王女さんに忠告した。
この王女さん、人族の中では真面な人みたいだから失敗はしてほしくはない。
「従魔士は複数人、魔法士も複数人いるわ。全員をいっぺんに言葉と四肢を拘束出来れば良いかもしれないけどそれは不可能よ。最悪は考えておくべきよ」
「でも・・・」
「殿下、この子供は嫌いですが、その言葉には私も賛成です。覚悟はして下さい」
お、ロッティさん初めて意見が合ったね。
あ、なんでそこで私を睨むのよ!
「・・・・分かりました。私もお父様のお考えを阻止すると決めたのです。覚悟は出来ています!」
「そ、じゃあ行くわよ」
その時だった。
「ぐうぉおおおおおおおおお!!」
私達の後方で大きな唸り声と樹々が薙ぎ倒される音が響いた。
読んでいただきありがとうござます。
またお越しください。




