マーとラー
今日も元気に担々麺。寒いとメッチャ温まる。半分ほど食べたとこで、パワーアップだ。一味唐辛子と、ラー油と、花椒をバリバリ入れて辛さをハンパなく引き上げる。これはプロ仕様だ。慣れてないと、涙を流すのみならず、しばらく経ったらお腹壊すらしい。まあ、僕は辛いもの食べてお腹を壊した事が無いからわからないが。
僕が辛いものに強いのは勇者アレフのおかげだ。奴らと出会った当初、僕が辛いものが苦手な事を知った奴らは、事あるごとに僕の食事に辛いもんを混ぜやがった。最初は苦しんでたけど、人間慣れるもので、今では逆に辛いもの大好きで、辛さに対してほぼ無敵になった。
ちなみに僕が麺類にかける香辛料にはブレる事ないルールがある。
まず、うどん、そばは、七味だ。一味でもいいけど、汁に七味のダシみたいなものがでて芳醇な味わいになるのが好ましい。
醤油ラーメン、とんこつラーメン、醤油とんこつラーメン、チャンポン、皿うどんは、かけるならホワイトペッパーだ。まあ、かけなくても美味しいんだけど、ちょっと味変したい時にはかけるといい感じだ。あと、ここの店、なんか美味くないなーって思った時にはドバがけする。そしたらほとんどのものは美味しく感じる。
そして、担々麺には花椒一択だ。更なる辛さのために一味とラー油も入れたりするけど、一つだけ選ぶとするなら、花椒だ。花椒というのは熟した山椒の身の皮をすりつぶしたものだ。痺れるような辛さに涼しげな香りがいい感じだ。他の料理では麻婆豆腐に入ってる。
担々麺は元々、東の国、中国の料理だ。昔は麺の上にドロッとしたソースをぶっかけるタイプの麺だったらしいけど、進化して汁に入ったものになったそうだ。その汁無し担々麺も食べた事があるが、嫌いじゃないけど、僕の好物は汁に入ってる方だな。
ブースト担々麺を口に入れる。痛みにも似た辛みに、頭に突き抜けるような痺れ。最高だ。頭の汗腺がぶわっと開くのがわかる。体が熱い。今の僕なら雪の中に裸で突っ込んでも五分は無敵の自信がある。まあ、そんなことしないけど。
この頭まで突き抜けるような辛さを、中国ではマー(麻)と言うそうだ。そして唐辛子辛さはラー(辣)と言う。さすが辛い料理の国。辛さの種類が多い。
このマー辛さは王国には慣れてない人が多いから苦手な人もいるみたいだ。僕の野望の一つはこのマー辛さを普及させて、マーという言葉を標準語化することだ。自分が好きなものが広まるとなんか嬉しい。まー、けど、昔は花椒はどこにも売ってなかったのに、今では売ってる。徐々にマーは市民権を得てきてるみたいだ。マー活って言葉もあるそうだし。
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