ツインテール討伐 後
「確かにツインテールだけど、まんまだな」
僕たちが来たのは王都の北の山岳地帯。エンカエントまで、マイもジブルもツインテールが何か教えてくれなかった。まあ、尻尾二つ系の魔物だとは予想してたけど。
道なき道を越えやってきた先にそれは居た。頭が下の海老反りの体に二つの尻尾。ぶっさいくな生き物だな。カブトガニとか団扇エビみたいだ。どうでもいいけど、よく海老反りって言うけど、実際のエビって反対に反ってるよね。ツインテール、なんか甲殻類のような体だけどデカい。
「ザップ! 逃げるわ。頭を潰して」
マイが声を張るが、その前に僕はハンマーを手に駆け出してる。
「了解!」
跳び上がりハンマーをツインテールに叩きつける。
ドゴン!
手応え十分。エビのような頭はひしゃげ、ツインテールはしばらくピクピクすると動かなくなった。
「で、なんでこんな奴の討伐依頼がでてたんだ? デカいけど弱っちかったし」
僕はツインテールを収納にしまうと、追いついてきたマイとジブルに尋ねる。
「美味しいからよ」
答えてくれたのはマイ。
「え、まじか」
どう見ても美味しそうには見えなかった。けど、カブトガニは知らないけど、団扇エビは美味しいらしいからな。
「ねっ、ツインテールだったでしょ」
ジブルはそう言うと、被ってたフードをとる。あ、髪型ツインテールだ。
「今、ツインテールって思ったでしょ。ざーんねん。これはツーサイドアップ」
なんだそれ? ジブルうざ。
「どこが違うんだ? わかんねーよ」
「もうっ、ザップ、少しは女の子の髪型に興味もってよね。たまにあたしが編み込んでたりしても全く気付かないし」
「そりゃ、酷いわ。けど、逆にザップが『マイ、今日髪型違うね』とか、言ったらキモくない? 興味ないかもしれないけど、一般常識だから教えてあげるけど、ツインテールは髪全部もってくけど、ツーサイドアップは部分なのよ」
むむ、そんな細かい違いがあるのか?
「あと、ツインテールって髪型の語源は、こっちの魔物の方って言われているわ。結構信憑性高いみたいよ」
まじか、魔物のツインテールの方が先なのか。なら、それより前はツインテールの髪型はなんと呼ばれてたんだろうか?
そして、わいのわいのと髪型について、マイとジブルに言われながら、王都へと帰った。
ツインテールを納品して、若干の量その身を持って帰ってマイに料理してもららった。味は薄めだったけど、エビみたいで美味しかった。けど、ややこしいな。どっちか違う呼び方すればいいのに。
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