ちゃれんじゃー ご
ドッゴーーーーーーーーーーン!
うぉ、なんとか着地できた。スタート地点の家の前の広場だ。上手く蹴る角度を調節して道から曲がり、ポータルを出して掴んで破壊してを繰り返してなんとか足から着地できた。埋まった両足を交互に引き抜く。
「おいっ! なんで空からやって来たんだ? レースじゃなかったのか?」
リナが駆け寄ってくる。
「早く行って帰ってくれば良かったんだろ? 飛ぶなってルールは無かったと思うが?」
「それはそうだが、相手が走ってるから、お前も走るのが当たり前だろ。飛んでるの見てても面白くないだろ」
面白くないが本音だろう。確かに馬車をすり抜けるのはハラハラドキドキだった。やっぱ見てたのか。家から白い幕が下がっていて、今もリナと話してる僕が映っている。便利だな。この魔道具、もっと他に有益な使い道あるんじゃないか?
「そうだ! 今のレースは無効だっ!」
群衆をかき分けてバイク男が現れる。肩を押さえて足を引きずってる。あ、あいつも止まる方法考えてなかったのか。おバカだな。ジェニファーはどうしたんだ? どうでもいいけど、あいつも名乗ってたと思うけど、ジェニファーしか覚えてない。
「何いってやがる。お前だって飛んでたじゃねーか」
「それは、お前が飛んでたからだ」
けど、それで勝ったなら、自分の勝ちを主張したことだろう。なんとも言えないな。
「それより、相方はどうした?」
「相方? ジェニファーの事か? まだ飛んでる」
はぁ? て事は、あれ、ブレーキついてないのか? 最悪だな。コイツは驀進するジェニファーから飛び降りて来たって事か。
「信じられない奴だな。お前、大丈夫か? それにさー、ブーストかバーストか知らねーが、女の子の形したものが、お尻から火を出すって最悪だろ」
「おい、ザップ、何言ってるんだ。お尻から火を出す? そんな下品な事言ってたら、いつものようにマイにお仕置きされるぞ」
ん、何言ってんだリナ?
「はぁー? お前、大丈夫か? そんなジェニファーのお尻から火を出す訳ねーだろ。変態なのか?」
バイク男まで絡んでくる。何言ってるんだ?
「お前だってよく見てただろ。ジェニファーの後ろでバーストしてただろ」
ん、そうだ。ずっと後ろから見てたからお尻から出てるようにしか見えなかった。
「ザップ。お前の心が汚いからそう見えたんだろ」
「お前、いっつもそんな事考えててるのか? お尻からガスを出して爆発させるとか変態だろ。そもそも、そんな事したらジェニファーのパンツが燃えて悲惨な事になるわ」
ぐぅうううっ。確かにその通りだ。リナが言う通り僕の心が汚いのか? そう、パンツが燃えてないのはおかしいと思った。けど、凄いパンツだと思ってたんだよ。リナのビキニみたいに。
今さらながら気付いたんですけど、表紙のマイちゃんとアンちゃんの瞳がヤバいです。近くで見ると、本当に宝石みたいです。鍋島先生、凄すぎる……




