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 ザップ・グッドフェローの憂鬱 5

挿絵(By みてみん)


 あと二日で発売です。なんと、こんな私の本が全国の書店に!! 見に行こ(^-^)


「口を開けて楽にしててください」


 僕の椅子が倒れる。このゆっくりな倒れ具合、魔道具だと思うけど、なんかいいな、家に一台欲しいぞ。僕は言われた通りに口を開ける。歯科助手だと思われる女性は、光る魔道具を調整して、僕の口に光を当てる。眩しいな。そして僕の顔、正確には口を覗き込んできてる訳だが、近い、お姉さんはマスクをしてるけど、息が届くくらいの距離だ。なんかチューする前みたいだ。悲しい事にイメージだけど。


「痛いときは言ってくださいね」


「んっ」


 口開けてるから、『はい』って言えねーよ。その前に痛い時はなんて言えばいいんだ? 今みたいに、『んっ』ってしか言えないけど、それで察してくれるのかなー?

 そして、助手のお姉さんは僕に覆い被さるような体勢で片方の手で僕の口を軽く押さえる。口に指入ってるけど、全く躊躇いなしだった。いくら僕でも可愛い女の子の口に手を突っ込めと言われたら少しはいや、かなり躊躇する。いやいや何考えてるんだよ、お姉さんはプロだ。多分、犬の口に手を突っ込んでるくらいの感覚なんだろう。手袋もしてるし。けど、こっちはドギマギだよ。なんてか、温かい。お姉さんの指から体温が伝わってくる。

 加速した思考でしょうもない事考えてる事しばし、口に何か入ってくる。お姉さんが、もう片方の手にした『チュイーーーーン』と音を立てる魔道具だ。

 多分だけど、ここの魔道具の数々は魔道都市産なんだろう。だからジブルの顔が利いたんだろう。そして、助手さんは、その尖った魔道具で、僕の歯と歯茎の間や、歯と歯の間をなぞっていく。歯と歯の間はなんともないんだけど、歯と歯茎の間は微妙に痛い。いや、結構痛い。なんか傷口をグリグリされるのをソフトにしたみたいだ。こりゃ子供は泣くぞ。けど、僕、大人。これくらい痛くても我慢。余裕な表情を作る。まあ、余裕な表情って言っても口開けてる間抜けな顔にしか見えないだろうけど。


 !!!


 体にまるで雷でも落ちたかのような衝撃が奔る。


 当たってる!


 お姉さんのお胸が僕の頭に当たってる!


 頭に何か当たってる。微かになんで、場所の特定はできないが、この体勢でこの角度で当たるものといえば、それしかない。微妙に触れてるだけなので、感触は楽しめないが、ほんわかとした暖かさが伝わってくる。

 もしかして、僕って若干はお姉さんの好みのタイプで、わざと当ててきてるのか? もしかしてモテ期なのか? 恐る恐るお姉さんの目を見る。真剣そのものだ。僕の歯石に心を奪われてるみたいだ。なんかなんとも言えない気分になる。多分、本人は当たってるのに気づいてない。決して当ててる訳じゃなく、当たってるだけだ。事故の一種だ。決して僕の魅力が犯した間違いじゃないみたいだ。残念じゃないけど残念だ……


 と言う訳で、昨日、親知らず抜きました。45°の斜めに生えてた厄介な奴で、無事抜けました。その前に、抜くか抜かないか先生が私に聞いてきたのですが、先生に判断を仰いだら、抜いた方がいいとの事で。なんで聞くのか尋ねたら、抜きたがらない人もいるそうで。なんでだろー? って思ってたんですけど、道理です。

 痛い! とにかく痛い。痛みに強いと思ってる私でも痛い。

 抜いた時は麻酔してるからなんともないです。けど、抜けた時に頭に『パキッ』という音っぽいものが。これ、なんどか体験してます。骨が折れたり、ヒビが入った時の幻聴みたいなやつですよ。

 そして、麻酔と薬が切れた時、抜いたとこから同心円状に、反対の奥歯、前歯とか、一帯が痛い。ついでに偏頭痛。うん、これ、考えたがいいわ。


 親知らず抜くなら休みの日の前に……


 少しでも皆様の参考になれば嬉しいです。

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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