森人の国 15
最後の改稿で手こずってます。時間たって見ると、誤字脱字、どんどん目につきます。ですが、こちらの第一部はそのままにしようと思います。ぜひ、書籍を手にして頂いて、私の成長を少しは感じていただけたら幸いです。
「じゃ、そうだな。その次の大会本戦での優勝者と、デルが戦って勝ったら婚約するって事でいいんじゃないか?」
僕は妥当な事を提案する。。
「私はそれで問題ないわ」
デルは自信まんまんだ。まあ、多分マイとか僕以外には負ける気がしないからだろう。けど、実力にそこまで開きが無かったら運も絡むから紛れる事もある。大丈夫か?
デル父が腕を組んで考えてる。そして口を開く。
「うちの代表は誰にするかだな。さすがにマイさんを本戦に出す訳にはいかんし。本戦はまわしのみの着用というルールで問題ないならまあ……」
「問題無い訳無いでしょ。馬鹿じゃないの」
当然マイが噛み付く。
「あの、私ならそれでも問題無いですよ。ドラゴンですし」
アンが会話に入ってくる。ややこしくするなよ。
「ダメよ。アンちゃんも女の子なんだから」
当然マイが止める。ドラゴン状態でまわしをすればいいんじゃないかと思ったが、土俵に入らないか。
「じゃ、そうだな。特別にまわしを晒しのように上から巻くというのはどうだろうか?」
デル父、マイをなんとかして本戦に出したいのか?
「それって落ちてこないの?」
マイが尋ねる。
「多分、すぐずれるだろうな。戦ってたら」
デル父は即答する。この人ただかき混ぜたいだけなんじゃ?
「じゃ、ダメじゃない。デルじゃあるまいし、そんな破廉恥な事出来ないわ」
「マイさん、なんでその事を知ってるんですか? あれは若気の至り。今ではそれくらいの分別はあります」
そう言えば、昔、デルは女の子なのにまわし一丁で大会に出ようとしたらしいからな。自分を男だと思ってたそうだ。
なんか話が進まないな。正直そこそこ疲れてるから、早く風呂入って寝たい。
「じゃ、しようが無いな、俺が出るしかないか」
まあ、正直まわしをするのは嫌だけど、デルのためだからしょうがないか。
「待ってくれ、ザップさん、あなたはダメだ。人間じゃない」
デル父が失礼な事を言う。
「何言ってるんだよ。正真正銘ただの人間だよ」
「何言ってるんですか。あの力、素早さ、スタミナ。どれをとっても人間を凌駕してます。そこまで人間離れしてたらもう相撲にはならない。私達が見たいのは土俵で研鑽された技術です」
「じゃ、何でマイはよくて俺はダメなんだ?」
「それは、うちのデルもマイさんもまだ人間の範疇だ。さっきの戦いを見れば分かる。そうですね。証拠を見せましょう」
証拠もなんも、人間だっつーの。
「ザップさんが人間だと思う者、挙手お願いします」
デル父が声を張る。誰も手を挙げない。マイもアンもデルも。
「ザップさんが人間じゃないと思う人!」
ものの見事にみんな手を挙げる。マイもアンもデルも。
斯くして僕は人外扱いという事で、本戦への出場を断念する事になった。よかった。
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