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2006/2176

 護衛の護衛 29

 新作に力入れてまして、こちらはたまに更新できない日もあると思います。よろしくお願いしますm(_ _)m


「じゃあ、また機会があったら雇ってくれよ」


 王都に無事帰り、依頼人の店まで行き、バーナードたちは商人から受け取った報酬から僕に取り分を渡してくれる。荷物持ちはギルドを介してないからここでお別れだ。


 ゼイリスが僕の背中をバンバン叩く。


「オッサン、なんだかんだで助かったよ。けど、うぜーから、二度と雇わねーよ」


 相変わらずツンデレだな。距離感近すぎだろ。僕の裾がクイクイされる。メイだ。


「私もアンタは二度とごめんだわ。説教くさいの直さないと彼女出来ないわよ」


 コイツも距離近いよ。目の前に腰に手を当ててアイリスが立つ。


「ほら、また胸チラ見した。そんなのじゃ、お家の猫ちゃんにも嫌われるわよ」


 そう言えば、コイツら、マイを猫ちゃんだと思ってるんだよな。いや、見ちゃうだろ。あんなん見せられたら、意識しちまうよ。


「もう、さっきの事まだ思い出してるのね。貴族の女子が肌を見せていいのは、その良人か家人だけなのよ。ザザは私の家人だからね」


 んー、いつの間にか僕はアイリスの従者になってたのか?


「バーナードとゼイリスは?」


「家族のようなものだからいいの」


「じゃ、逆に従者ならいつでも見放題って事か。従者いいな」


「バカッ。首、ザザは従者クビよ」


「冗談だよ。仕事無くなったら、お前んちで厄介になるよ」


「んー、どうしょっかなー」


 もう帰りたいのに、なんか絡んでくるな。


「じゃあな」


 僕の前にバーナードが立ち塞がる。


「なぁ、ザザさん。来週、近くに薬草狩りに行くんだが、一緒に行ってくれないか?」


「おいおい、薬草狩りに荷物持ち連れてく奴なんて居ないぞ。儲かんないからな」


「ザザさんの依頼料は別途に俺たちが出すからよ」


 バーナードだけじゃなく、みんな僕を見ている。


「ゼイリスとメイはやなんだろ」


 もしかして、絡んできてたのは、僕をまた雇いたいって言いたかったのか? コイツら不器用過ぎるだろ。


「いや、オッサンがついてくる分には構わねーよ」


「ザザは荷物持ちとしては役立つから……」


「そっか、薬草狩りに荷物持ちとして来て欲しいのか。けど、そしたら、また赤字冒険だろ」


 バーナードが顔をふせる。


「そうなるな」


「悪いが、それは引き受けられないな」


「そうだよな」


 空気が少ししんみりする。分かり易い奴らだ。


「だが、荷物持ちじゃなくて、パーティーメンバーでよければ手伝うぞ」


「「ええっ」」


「ありがとう、ザザさん」


 バーナードが両手で僕の右手を包む。気持ち悪いから止めなさい。


「にゃーお」


 ん、僕の後ろから声がする。振り返るとマイ。


「こんにちわ。ザザのペットの猫ちゃんです。聞いてたわよ。もう、お人好しなんだから、ザザはあなた達とは冒険に行きません。百年早いわ。あたしがアンタたちを鍛えたげるわ」


「なぁ、なぁ、あれって」


 ゼイリスがメイに耳打ちする。


「『首狩り』、『首狩り』よ……」


「という事は……」


 アイリスがまん丸の目で僕をみている。これはバレたな。


「じゃあなー!」


 僕は逃げる。んー、ポルトからは報酬貰えるのだろうか?



  護衛の護衛 終わり


新作始めました。


「秘めたるスキルで異世界冒険」です。毎日投稿予定です。下のリンクからちょっと覗いて見て下さいm(_ _)m


 https://book1.adouzi.eu.org/n4087jo/

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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