護衛の護衛 28
「それはそうと、アイリスのアレなんだったんだ?」
僕は尋ねる。モザイクがかかってたのがイミフだ。魔法だと思うけど、いつつかったんだろう?
「ああ、あれね。認識阻害の魔法よ。あさ、お風呂に入ってたらあんまりジロジロ見られるから使ったの。効果が長い奴だったからまだ残ってたの」
ん、スタイルいいとお風呂で女子もガン見されるのか。それはいいけど、風呂にモザイクかかった奴いたら、逆に目立って目を引くんじゃないか?
「私は幻術系の魔法ばっかりとってるのよ。攻撃や補助の魔法って戦闘では役立つけど、実生活じゃあんまりじゃない。けど幻術系は役立つ事多いのよ」
ものにモザイクをかける魔法って何の役に立つんだ? そう思ったけど、もし、僕が使えるならかなり役立つような気もする。全裸魔法とセットで最強だ。18禁も恐くない。
そして僕らは役人に盗賊どもを引き渡し、また、仕事に戻る。報奨金は王都でも貰えるそうだ。
「お前らもこれで懲りただろ」
僕はあるきながら、バーナードに声をかける。
「そうだな。冒険者たる者、いつでも何が起こってもいいように心構えしとかないとだな。けど、普通、こんな王都の近くに盗賊なんか出る訳ないだろ」
「それは違う。お前たちが呼び寄せたんだよ。自分たちをよく見てみろ。いいいみでも悪い意味でも目立つだろ」
「それって、私たちが可愛いって意味?」
メイが絡んでくる。
「違うわ! 高そうな装備してて、弱そうだからカモにしか見えないって事だ。目立つと色んなものから目をつけられる。だから目立ちたいなら実力をつけるしかないんだよ」
「オッサン、何言ってんだ?」
ゼイリスも加わってくる。
「なんで、オッサンにそんな事いわれにゃならんのだよ。オメーのような目立たないオッサンが何言っても説得力ねーんだよ。それとも、オッサンは目立っていてー目見た事でもあるのかよ?」
「ゼイリス! 止めとけ。ザザさんが言う通りだ」
バーナードが僕とゼイリスの間に割って入る。なんかコイツ変わったよな。
「戻ったら、装備を買い直す。俺たちの身の丈に合ったやつにだ。それに、俺たちに護衛はまだ早い。人の命を預かれる力はまだない」
「おいおい、何弱気になってんだよ」
「ゼイリス、さっき、俺ら、もしポーションが無ければどうなってた?」
「誰かに迎えに来て貰うしか無かったんじゃねーか?」
「たまたま、良く効くポーションを盗賊が持ってたから、今、俺らはこうしてられる。それに、俺らは護衛なのに、荷物持ちのザザさんに迷惑かけた。本当なら守らないといけないのに」
ん、たまたまをやたら強調してた。もしかしてばれてるか?
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