ワープポータル (6)
今日は、テレビ撮影。先月もあったので、二月連続ですよ(T_T)
「そもそもここはなんのために作られたんだ?」
僕は呟く。別に誰かに言った訳じゃない。
「んー、なんでだろーねー」
チェルシーが答える。
「まあ、迷宮だから、分かんないわ」
「まあ、なんらかの目的があって作ったと思われるが、ここは自然に出来たものじゃなくて、作られたものって事だ。じゃどうやってつくった? 誰も何も入らずに作った訳ないよな」
「あー、分かったー」
アマンダが大きな声を上げる。
「なんだよ二人して、私は何もわかんないわよ」
「チェルシー、私たち、お腹空いてて頭が働かなくなってたんじゃないかなー。簡単な事よ」
アマンダは天井を指差す。
「あっ、そうか、なんで気づかなかったんだろ。壁も床も何も無いなら、天井しかないわね。でも、手が届かないわよ」
うん、3人で肩車したとしても到底天井にはとどかない。方法はあるけど、なんて言うか、普通の荷物持ちに出来る方法を取りたいものだ。ポータルを足場にしたりとか、非常識な方法を取ったら、二人の僕への態度が変わりそうだもんな。僕の正体を知ったとたん手のひら返しされるのは良くある事だ。
「俺は疲れたいから、あんた達頼む」
収納から槍三本と小さなハンマーを紐を出す。これを結わえたら、天井に届くだろう。
「おっ、オッサンすげぇな」
チェルシーは槍を嬉しそうに手にしている。そして、素振りし始める。まあ、量産品だから正体バレたりしないだろう。
「よくもそんなに槍持ってるわね。しかも新品じゃない」
アマンダは槍を観察している。しくったもっとボロい槍を出せば良かった。
「んー、あれだよ。槍が欲しい人居たら売ろうと思ってな」
「ふーん、そうなのね。大っきい収納持ってるのね。なんかそう言えば、王都には収納スキル持ちの有名な冒険者居たわよねー」
アマンダは疑ってるな。
「王都には収納スキル持ちは結構居るからな。俺のなんて大した事ないよ。それより、天井調べてくれよ」
二人は槍を結び、先にハンマーを付けて天井をこづき始める。なんか、キャッキャ言いながら楽しそうだ。
「あったわ。あった。ここ、明らかに音がちがうわよ」
しばらくしてチェルシーがはしゃぎ始める。天井をコツコツ叩くが、明らかに音が高い場所がある。綺麗に偽装してるが、多分奥に穴がある。
「で、どうやってあそこを調べる?」
まあ、いい方法は思いつかないと思うが、ひとまず二人に聞いてみる。
二人は座り込み、ボソボソと相談し始める。




